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東方白來伝  作者: 冴月(元:九尾の白狐)
一泡吹かせよう 編
33/67

さぁ、修行だ……じゃなくてデート?編[麟編]―④

今日、部活のインハイがありまして。


バスの中で、友人にちょっかい出されながら書き上げました。


 さて。



 昼食を食べた後、文が「あ、もしかしたら仲間の天狗が襲って来るかも知れませんから気をつけて下さい。でわっ!!」と俺達には対処に余る事を言い残し去って行った。



 そのため、二人ともゆっくりと山を降り、永遠亭に向かうことになった。



-----------



「さぁ、着きましたよ。早速妹紅さんところ行きましょう」


「ん?何でだ?」



 なんやかんやあって(←オイ)、無事迷いの竹林まで辿り着いた俺達。



 そして、先程の麟が言った妹紅を呼ぶと言うのだが、まぁ、案内だろうな。



 だがしかし。ここで答えてしまうと色々辻褄が合わなくなる。だから、言わないでおこう。アタイったらサイキョーね。



 ……え?黙れ?……すいません。



 一人でそんな⑨な思考をしていると、麟が話し始めた。



「あ、白夜さんには言ってませんでしたね。……ほら、そこの木にいる赤い人。あの人は藤原妹紅と言って、この竹林の案内してるんです。……あ、ちなみにこの竹林は迷いの竹林と言って、慣れてない人が入ると一発で迷って出られなくなると言う竹林です」


 その後に、「あの時は大変でした……」と小声で麟は呟いていた。……迷った事あるのか?


「ん?なんだお前ら……って、なんだ。麟じゃないか」



「あ、妹紅さん」



 気がつくと、妹紅が近くまで来ていた。



 スラリとスレンダーな体つきの中に映える、長く美しい銀髪。そして、どこか頼りがいのある雰囲気がある。正に妹紅。



「えっと……もこたん?」



「初顔合わせで三秒。もう焼かれたいか?」



「……じゃあ妹紅炭」



「それじゃあ私は木炭か。私の名前は藤原妹紅だ」



 フンと鼻を鳴らし、如何にも怒ってますよアピールをする妹紅。そこで麟がフォローを入れる。



「まあまあ二人とも喧嘩しないで下さい。……ところで妹紅さん。永遠亭まで案内お願いできますか?」



「……此奴もか?」


 妹紅が嫌そうにこちらをみる。……あんまみんなよ。勘違いするだろ?



「……気持ち悪い」


「んなボソッと言われると余計傷つくわ!!」



 気持ち悪いて。気持ち悪いは言わないで欲しいな。変態ならいいけ……いや、どっちもよくないけど。



 麟が、そんなこちらの様子に飽きたのか、じゃあお願いしますと言った。



「……仕方ないな。ついて来な」



 お、なんだかんだあったが無事案内してくれるようだ。


 そうして、俺達は竹林に入っていった。



-----------



「……うぷ……」



「だ、大丈夫か?」


 只今竹林。ここが迷いの竹林と言われるだけあって、同じ景色が何時までも続いている。だから……。



「おろろろろろろっ!?」



「うわっ!?汚っ!?」


 なんだかんだ心配してくれていた妹紅も俺が足元に嘔吐物をぶちまけると気持ち悪そうに後づさる。


 ……うぷ……。



「だからいっただろう。あんまり景色は見るなって」



「だけどさぁ……やっぱ都会に来た田舎の人みたいにさぁ、見たくなるじゃん?」



「じゃんと言われても困るんだが」



 困るんと言われてもどうしようもないのが俺だ。



 そして、景色を余りみないようにして妹紅についていこう……とした時。



 ストン。



 穴に落ちた。



 しかも、あたりどころが悪かったせいか、気を失ったのが情けない。



 俺はその場で五分程延びていた。



-----------



 夢を見た。



 俺以外の人すべて、血だらけで倒れている夢。妖夢、紫、幽香、文。



 そこで俺は何者かに向かって何かを叫ぶ。



 その瞬間、何かに頭から斬られ、視界が真っ赤になった。


―――――――――――



 気がつくと、俺はモフモフの何かに包まれていた。



 布団の中にいるのだろう、体が少し重い。だが、目の前にある白いフワフワはなんか違うようだ。


 それを持ち上げてみると、正体は兎だった。



「…………」



 兎は目をパチパチさせながら俺を見ている。そして、何故か。俺は指を近づけた。すると当然。



「……カプ……」



「いったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」



「「キャァァァァァァァァァァァッ!?」」


 痛さの余り、兎を放り出す。……ん?


「……あんたら何してんだ?」



「「あ、あははは……」」



 起きあがると、布団の上にはウサミミがついた女の子が二人、横たわっていた。



 ひとりは薄紫の髪を腰まで垂らし、頭にはピンとした月の兎のような耳。そして、紺色ブレザーを着ていて制服のような格好。



 もう一人は、黒髪を肩まででカットしており、頭には先が丸まったウサミミ。そして何故か……全身黒のゴスロリフリフリドレスを着ている。



 そんな風に、二人をまじまじと観察していると、先程飛ばした兎が戻ってきて、上半身だけ起こした俺の手の中に納まってきた。



 それをみて、ブレザーウサミミ女の子はクスッと笑う。



「フフッ♪何故かわ解りませんが、アナタの近くにいると落ち着くんですよ」



 そう言って、俺の手に納まっている兎を撫でる。兎は既に定期的な寝息をたてていた。



「……それで俺の所に?」


「え!?いや、そ、そういう訳ではっなくて!!その……」



 見事に慌てふためくブレザーウサミミ女の子。



 すると、隣にいたゴスロリウサミミ女の子がケラケラ笑いながら言った。



「ウササッ♪鈴仙、照れ隠ししてるウサ~」



「こ、こらってゐ!!」



 鈴仙と呼ばれたブレザーウサミミ女の子が手を振り上げながらてゐに叫ぶ。



 すると、てゐと呼ばれたゴスロリウサミミ女の子は「ウササッ♪」と言ってどこかに去って行った。



「すいません……あの子、何時もあんななもんで……」



「は、はぁ……ところで、あなたは?そしてここはどこ?」




 すると鈴仙は再び慌てふためき言った。



「あ、す、すいません!!私、鈴仙・優曇華院・イナバっていいます!」



「……じゃあ、鈴仙。ここはどこだ?何で俺は此処にいるんだ?」


「ここは永遠亭です。白夜さんは先ほどまでいた黒ゴスロリウサミミ女の子の因幡てゐの落とし穴に引っかかって、うちどころが悪く、気絶してたんですよ」



 鈴仙は「全く……てゐのイタズラには手がかかります……」と、頭を垂らしている。


 うん。やっぱてゐか。そんな気はしてたけどな。だけど、なんで黒ゴスロリ服何だ?



 そんな事を考えていると、襖が開いた。(この部屋は和の作りとなっている)。



「優曇華。ちょっと買い出しに……あら、起きたの」



 一人の女性がこちらによってくる。



 その女性は、赤と青の服がちょうど半分で分かれており、変な服を着ていたが凄くしっくりくる。それに、絹のような銀髪が映え、大人な女性を醸し出している。




「あの……あなたは?」



「私?私は八意永琳よ。あなたは出雲君?」



「そうだけど……何で知っているんだ?」



「麟ちゃんに聞いたのよ」



 ……なる程。ってか麟。お前、交友関係広すぎだろ。



「あ、それと。貴男のこと看といたわよ」



「は?」



「いやね。貴男が気絶したって麟ちゃんが凄い剣幕で言って来るもんだから一応ね。しかも汗だくだったし……悪夢でも見たの?」


 汗だくね。さっきの夢のせいだが……しかし、凄くリアルだったな。斬られた時、痛みすら感じたぞ。



 そんな事を考えていると、本当にどうでも良い事に気づいた。



「……ん?俺の服が違う?」



 忘れているかも知れないが、気絶するまで着ていたのはタキシードというか、執事服。しかし、今は花柄のパジャマとなっている。



「あの服?あれなら洗っておいたから安心して」



「……まさかとは思うけど…………俺の息子みた?」



「今更息子見ても興奮なんかしないわよ」



「もうお嫁に行けないっ!?」



「いや、お婿でしょう」



 永琳に的確なツッコミを入れられる。


 すると、永琳は「さてと」と襖に手をかけた。



「さてと。私は行くわ。貴男元気そうだし、診療所の事もあるしね。……あ、夕飯食べて行きなさい。もうすぐ5時になるしね」



 それだけ言って、永琳は襖を閉め出て行った。



 ……これって、また家に帰れないパターンじゃね?



「……泣けるぜ」



 某、ゾンビガンシューティングゲームの4、2の主人公の口癖を良いながら、俺は布団を出た。

はぁ……試合、の緊張がぁぁぁぁ……!

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