さぁ、修行だ……じゃなくてデート?編[麟編]―③
なんか書けたから投稿~。
えー、只今昼下がり。妖怪の山に来ております。
朝早く起きてを作っておいた弁当を食べようと相談。すると、「どうせだから景色の良いところで食べましょう」との麟の提案で、場所を見つけるべく探して居るのが現在の状況で御座います。
そんなわけで、しばらく薄暗い木々の中を歩いていた俺達だったが、光が前方から差し込む場所を見つけた。
「白夜さん。あそこ行ってみましょう!!」
俺が返事をする間もなく、麟は俺の手をつかみ走り出す。
少々、やれやれと思いながらも、麟に掴まれた手を離さないよう俺も走り出す。
そして、木々を抜けた――そう思った瞬間、正面からビュウ!!と風が吹く。
風がやんだのを感じ、ゆっくり、ゆっくりと目を開ける。
そして、俺の目に入ってきたのは。
『絶景』だった。
見渡す限りの青々とした木々。サンサンと照りつける太陽。人々がアリのように蠢く人里。空高く舞うトビ。視界に入ってきたのはそれだった。
あまりの絶景に思わず息が漏れる。
「……わぉ……」
正直、景色とか何にも興味が無い俺だったが、これは違う。
生きてて良かった……!!そう思えた。
しかし……幻想郷にこの様な景色があると言うならば……この景色も忘れ去られた物なのだろうか。そう考えると、少し悲しいな。だから読者には言っておく。日本の自然を忘れるな!!……ん?俺なに言ってんだ?
……ま、いいや。
「白夜さん!ここ凄いですね!」
麟が崖のギリギリに立って辺りを見渡している。
……そう言えば言い忘れていたが、ここの場所は崖の真上となっている。妖怪の山は基本△の形をしているが、遠くから見たら分かるように、所々崖みたいに突き出ている場所がある。そのため、△の中に崖があるから先の方とか行くと崩れ落ちかね無いのだが……。
ガラ……。
「あっ……」
麟がゆっくりと崖の下に落ちて行く……っておぉぉぉぉぉぉぉぉいっ!?
「麟!!」
俺は落ちていく麟を目掛けて走り出す。だが、麟の居るところまで約10メートル。一秒やそこらで追いつくはずがない。
俺は既に少し下に落ちた麟目掛けて崖から飛び込んだ。
「りぃぃぃんっ!!」
体重差からのせいか、すぐに麟に追いつく……が。
フワ。
麟が宙に浮かんだ。
……あ、そっか。麟、飛べるんだっけ。
…………あ、あれ?じ、じゃあ、危ないの俺じゃね?
「アァァァァァァァァァァァァ!!ヤダァァァァァァァァァァァァ!?」
「び、白夜さん!!」
麟が落ちていく俺に気づきすぐにこちらに飛んでくる……が、それより先に飛んでくる影があった。
「あや?白夜さん呼びました?」
「「なっ!?」」
現れたのは、幻想郷最速。射名丸文だった。……しかも、ちゃっかり俺を助けている。お姫様だっこされているが。
「な、なんで?」
俺が、皆疑問に思うであろう質問をする。
「え、だって白夜さん私を呼んだじゃないですか?」
「はい?俺はお前を呼んだ覚えは無いぞ?」
「またまたぁ~。変な事言わないで下さいよ~。さっき、『アァァァァァァァァァァァァ!!ヤダァァァァァァァァァァァァ!?』って呼んだじゃないですか。ちょっと変な呼び方なような気がしましたが」
文が、鴉独特の翼をバッサバッサしながら答える。
「……ところで文。そろそろ下ろしてくれないか?」
「あ、すいません」
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文に崖の上におろしてもらう。そして、飯を食べていなかったので、崖先から充分距離を取り食べることにした。ちなみに、作りすぎたので文も一緒だ。
雑談を交えながら麟、文と話す。
「ってかよく助けられたな。……おい、食いすぎだ」
「いやぁ、ちょうど良くネタ探ししてましてね。飛び回ってたんですよ。……あ、唐揚げ貰いです」
「ネタ?ですか?一体何の……あ、卵焼きおいしいです」
「ん?麟知らなかったけか。文は新聞作ってるんだよ。……ん、中身は梅か。うまい」
「まぁ、読んでいるのは二人位しかいませんからね。……ん?私が唐揚げ食べると共食いなような……?」
「そうですかぁ……私も読んでみようかなぁ……んっ!?んんんんんんんんっ!?(うっ!?喉に詰まった!?)」
「「り、麟!?」」
……とまぁ、こんな感じな会話が繰り広げられたわけだ。