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東方白來伝  作者: 冴月(元:九尾の白狐)
一泡吹かせよう 編
30/67

さぁ、修行だ……じゃなくてデート?編[麟編]―①

三話ほど続きます。

-----------



 家に帰りました。


 監禁部屋から出たとき、ちょうど日が傾いていたので、なんか適当に人里で買っていった。



 そしてある材料で、夕飯を作る。



 しばらくして出来上がり、麟と夕飯を並べ雑談を交えながら食べ始める。



「って訳で!ヒロインである私の出番が少なくなっていると思うんです!」



「いや、どうゆう訳か解らんし」



「そんな事はどうでもいいです!兎に角!ヒロインである私の影が薄いんです!」



「影が薄いのはしょうがないだろ」



「しょうがないじゃないです!ヒロインが影薄いとかどんなアニメですか!」



「いや、これアニメじゃないし。ってか、さっきからヒロイン連呼してるけど何で?この小説においてまだ誰がとか決まってないだろ?」



「私が勝手に決めました」



「おいおい……作者の意図を崩すなよ」


「そんなのどうでもいいんです!私の白夜さんに対する「ハックしょい!?」に較べればそんな問題……いえ……何でもないです」



 なんかいきなり麟がシュンとした。よくわからないが、声を掛けよう。



「……なぁ?大丈「そうです!」は?」


 ドンッと、机の向こう側に居る麟が乗り出してくる。



 ……危ないなぁ。みそ汁が揺れたぞ。


「白夜さん!!明日あいてます?」


 そう言われ、明日の予定を一からあらかた思い出してみる。



「明日?……寺子屋の授業も明日は午前だけだし……うん。空いてるけど?」




「じ、じゃあ!幻想郷案内しますよ!っていうかさせてください!!」



 麟がグイッ、グイッと近づいてくる。


 その迫力に負け、俺は「お、おう」と答えてしまった。



 ……いや、しまったと後悔する事じゃないか。麟の好意を素直に受け取っておこう。



 そんな事を思いながら、俺は食器を片づけて風呂に入って寝た。



 ……幻想郷案内をお願いしてから、麟の顔が気づくたんびににやけていたのは余談だ。



-----------


 さぁ、時間だ。



 俺は午前中、寺子屋で授業(笑)があったため、人里の団子屋前で待ち合わせだ。



「白夜さん!」



「待たせたな。んじゃ、行こう……って、どこから行くんだ?」



 凄く全うな質問を麟にぶつける。



 すると、麟はうーんと悩みながら指を折っている。数でも数えて居るのだろうか。



「ええと……太陽の畑と……妖怪の山と……永遠亭……後は……『まだ』無いですね」



 『まだ』という言葉に違和感を覚えつつ、以前の知識と照らし合わせる。



 ……あ、そっか。命蓮寺とか、地霊殿とか、後はよくわからんが無いんだよな。まだ、現実にいんのかぁ……。



 ……そういや、今まで単なる同姓同名で、外見似てるだけって思っていた『あいつ』は元気かなぁ……。つうか、紫が出てくるまで気づかなかった俺って……。



 ……ま、どうでもいいか。



「それじゃあ、今日は太陽の畑、妖怪の山に行きましょうか」



「おう」



 太陽の畑と妖怪の山か。どっちもあんま良い思い出無いんだけどな。まぁ……この際にもっと仲良くなるのも良いかもしれん。



 そんな事を思いながら、俺は麟について行った。

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