レミリア・スカーレット
言い忘れてましたけど、この世界の時間軸はずれています。
「う~んう~ん、無いよ無いよぅ。鼻毛が無いよう……はっ!?ここは!?」
れみりゃの右ストレートを食らった俺、出雲白夜は物凄い事を言いながら、目覚めた。
どうやら誰かが部屋のベッドに寝かせてくれたらしい。親切だな。
「あぁ、俺、レミリアの右ストレート食らって気絶してたのか」
そう言って頭にある耳をかく。
……うん……?
「耳ぃぃぃぃぃぃ!?」
何度も何度も触って確かめる……と、髪の毛が、一本だけ抜けた。
「緑色ぉぉぉぉぉぉ!?」
そう言って俺がオドオドしていると、部屋のドアがノックされた。
「白夜さーん、入りますよ~」
入ってきたのは、金色の髪をした麟だった。
「りり、麟麟麟!!耳に頭が、それと緑色に髪がっ!?」
「え~と、頭に耳が、髪の毛が緑色って事ですか?」
よく解釈できたな。
「そうそう!!何で!?」
「知りませんよ」
「だよなぁ……」
そう言って、俺は立ち上がり、部屋にあった鏡を覗き込んだ。
何故か背中まで伸びていた緑色の髪、それに猫ミミ。
まさしく男。
「じゃないけどな。麟、ヘアゴムみたいのあるか?」
「いえ……あ、霊夢さんのあのリボンならありますよ」
「何で持ってるんだ……まあいい。貸してくれ」
「あ、髪纏めるんですか?私がやりますよ」
「じゃあ頼むわ」
それで、俺はベットに座り、麟は俺を回り込んで座る。そして、麟はなれた手つきで髪を束ね始めた。
「なんか霊夢さんみたいな髪型になりますけど良いですか?」
「……いいよ」
俺があの髪型になるのかぁ。
と、俺が自分の霊夢のリボンをつけた姿を想像していると再びドアがノックされた。「どうぞ」と俺が答えるとノック主は「失礼します」と入ってきた。
入ってきたのは、先程鼻血を出して倒れたメイド長だった。
「先程は失礼いたしました。わたくし、十六夜咲夜と申します」
そう言って、ぺこりと頭を下げてくる。
「いや、いいよ。れ……さっきの女の子が右ストレートかましたのは俺が悪いんだからさ」
危ない危ない。ついついレミリアの名前を出しそうになった。
「そう言ってくれると助かります」
咲夜は少し微笑みながらこたえた。
「それでは、お嬢様がお呼びですので」
「わかった。……麟、終わった?」
「終わりましたよ」
「それでは行きましょう」
そう言って、部屋を出た。
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レミリアのいる玉座(?)まで、特にこれといった出来事は無かった。
そして玉座前。
咲夜が玉座の扉をノックした。
「お嬢様、咲夜です」
「ん、入って」
部屋の中から返答が聞こえた。
「失礼します」
「「し、失礼します」」
麟と二人で声を揃えて部屋に入る。
部屋の中とても広く、そして紅かった。
つうか、部屋に玉座ポツンって。どう考えても釣り合わないだろ……。
俺がそんな感じで部屋を見渡していると、麟から小突かれレミリアに改めて向き合った。
レミリアはカリスマたっぷり(?)に話す。
「さっきはあんな無礼をしてすまなかったわ」
「いや、自分が勝手に部屋に入ったのが悪いんですよ」
まあ、でも、少し儲かった気がしないでも無かったのはここだけの秘密だ。
「そう?ならいいわ。それじゃあ……私はレミリア・スカーレット。ここの館、紅魔館の主をやっているわ。あなたは……出雲白夜でいいの?」
「はい」
「で、そっちは冴月麟」
「はい、そうです」
俺達がレミリアの思った以上の威圧感にガチガチになりながら答えた。
すると、「そんな固くならなくて良いじゃないの」と言ったので、少しだけほぐれた。
「それで、白夜は美鈴に修行をつけてもらうと」
「はい、体術の」
「そんな敬語使わなくていいわよ。……まぁ、理由は聞けなかったけれど」
「……理由は、あなた達みたいにバカみたいな力を持った異形の人がいるか」
「何か言った?」
「いえ」
あ、あぶねぇ。口が滑ってたぜ……。
「さて……ここに自由に入れるようにしてあげるわ。どうせ、修行して疲れるでしょ?」
いきなりの慈悲。れみりゃ優しー!
「あ、ありがとうございます!」
「あと、今日泊まっていきなさい。あなた、気づいて無いかもしれないけど、もう夜よ」
そう言いながら、レミリアは部屋に一つしかない窓を指差した。
俺もつられて窓を見た。
うぉ……真っ暗だ。
「じゃあそうさせてもらいま「私達に敬語は不用よ」……貰おうかな」
「それじゃあ咲夜に案内させるわね……咲夜、よろしく」
「かしこまりました」
「それともうすぐ夕食だから部屋まで行ったらすぐに食堂に来なさい」
「分かった」
「それじゃあ行きましょう」
俺と麟と咲夜は部屋を出た。
皆様、メリークリスマス!!V(^-^)V