白夜と麟
何故、こうなったのか。
さて。
作者の暴走により、何故か冴月麟と共に生活する事になった俺、出雲白夜。
あの後、俺達は特にする事も無く寝る事になった。
そして、朝を迎えた……。
-----------
「ふ、ふわあああぁぁぁ」
皆さん、おはようございます。白夜です。只今日の出のすぐ後、午前五時ぐらいでしょうか?
と、堅苦しい話し方は捨てておき……。
「あ~よく寝た……何だこの紙切れ?」
俺の服の懐にハガキ位の紙が入っていた。
「なんか書いてあんな……えー、『白夜へ、貴方の修業の件なんだけど、以下の奴をあたってみなさい。話は付けてあるから、必ず力になるはずよ。』えっと……白玉楼の魂魄妖夢、魔法の森のアリス・マーガトロイド、紅魔館の紅美鈴、それと……わ・た・し☆」
俺はそこまで読んで苛立ちを覚えながら紙切れを潰した。
「しかし、紫とアリスと美鈴は解るが何故に妖夢?」
妖夢に剣術でも習えってか?
「ま、直接あたればいいか」
そして俺は立ち上がる。
「とにかく朝食だな……居候の身だし、作るか!和風に!」
和は日本の命だかんな。
そう言って、小屋の台所らしき所に向かった。
-----------
「ふわあああぁぁぁ」
おはようございます。麟です。今日から 紫さんに頼まれ白夜さんと一緒に暮らす事になりました。
不安とか、その他もろもろ沢山ありますが、かんばっていきます!!
……あれ?なんか良い匂いが……。
「この匂い……って、小屋が!!」
なんということでしょう!!きのうまで、汚かった小屋がピカピカです!!輝いています!!……えっ?何で汚いのか?そ、それは……。
「私が片づけられない女だからですよ!!」
「なに言ってんだ?」
はうっ!?白夜さんにみ、見られましたぁ……。話を逸らさないと!!
「と、ところで、この匂いは……あと何でこんな小屋が綺麗になってるんですか?」
ふぅ……上手く逸らせました……。
「ん?ああ、小屋の掃除は俺がやったよ。これから、世話になるしな。……あと、この匂いは朝食だ。食べるだろ?」
「はいっ!!食べます!!そして、ありがとうございます!!」
はうっ!!まるで食い意地が張っているみたいな事言っちゃった……。
私がそんな事で悶えていると、白夜さんがちゃぶ台と朝食を 持ってきました。
「あれ?私のちゃぶ台こんな綺麗でしたっけ?」
白夜さんの持ってきたちゃぶ台がやけに綺麗だったからつい言ってしまいました。
前のはもっとボロボロだったはずなんですけどね。
「あ、それなら俺が能力で作っといたよ。前よりもっと丈夫になったはずだよ……もしかしてだめだったか?」
「いえ!!そ、そんなことないです!!ありがとうございます!!」
こんな事までしてくれるとは……優しいんですね。
「さあ、早く食べようぜ。ご飯が冷める」
「はいっ!!」
そう言って、私は白夜さんが用意してくれたご飯見る。
朝食のメニューは、白いご飯、味噌汁、焼き魚、卵焼き、おひたしといういかにも『和』という朝食でした。
しかも全てがとてもおいしかったです。
私なんて、ろくに料理も出来ないし、掃除も……。
……あれ?私、白夜さんより女子力低くないですか?
なんだか、悲しくなってきました……。
そんな気持ちの中、私は白夜さんにこれからの予定を聞きました。
どうやら、白夜さんは白玉楼、紅魔館、魔法の森、マヨイガ に行くそうです。そこで、私が案内をする事になりました。
部屋を簡単に片づけ、小屋を出ます。
小屋の外は、既に日が上りかけていました。やっぱり太陽はいいですね~。
「さあ、行こうか。麟、道案内よろしく頼むよ」
「はい!!……あ、白夜さん飛べます?じゃないと、時間が足りないんですが……」
「……」
「飛べないんですね」
「はい……」
「しょうがないですね……はい、手を取って下さい。私が飛びますから」
そう言って、私は白夜さんに手を差し出す。
すると白夜さんは「ありがとう」と言って私の手を握ってきました。
……何でしょう。自分で「手を取って」などと言ったのに、すごくドキドキします……。
そんな感じで私がモタモタしてると白夜さんが私の顔を覗き込んできた。
「?どうかした?」
「な、何でもありませんっ!!」
それだけ言って私は照れ隠しに急に飛び上がりました。
「え?ちょ、そんな急に飛ばれた……ぎゃあああぁぁぁ!?」
私が結構なスピードで(まだ全力じゃありませんよ?)飛ぶと白夜さんは悲鳴をあげました。
……なんか、悪い事しちゃいました……。……後で謝りたいです……。