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第二話 ロリコンとマゾと俺と

ロリコンに生理的嫌悪感を抱く可能性がございますのでご注意ください。

(※WCO=ワールド・クラウン・オンラインの略称)

「おいおい……今の奴、ダークナイトだったよな。ださすぎだろ」

「未だにやってる奴いるんだなー。たぶん奴はマゾだから近づかないほうが……」

「おまえら、失礼だろ……あいつは根っからのマゾっぽいぜ……」


PTを組んでいるらしい三人組の男PCの前を通ったら、このザマ。

一体WCOにおけるダークナイトってどんな存在なんだろう。


幾度となく自問自答したことを考える。



「よっ!マゾの兄ちゃん、ポーションでも買ってかないかい?」

「マゾだったら、俺の店の武器でいたぶってもらってこそ一流!寄ってけ青年!」

「あのー、気持ち悪いけどそこのお兄さん、防具買わないー?お礼に殴ってあげるよー」


心に突き刺さる言葉の数々をスルーして、俺はそそくさと歩く。


ダークナイトという職業は、ただでさえ半端なく悪目立ちしてしまうのだ。

その上、俺が歩いているのは、首都ルーアンスのメインストリート。


当然、目立ってしまって仕方がない。



別に目立つ分には構わないのだが、問題は、彼らがダークナイト全員を真性マゾと思いこんでいることだ。

そりゃもちろん中には本物の変態マゾ野郎も居るが、俺は違う。


俺は幼女が好きな紳士なのだから、奴らと一緒にしないで欲しい。


ロリコンと呼ばれるのに一片の悔いも無いが、マゾとだけは呼ばれたくなかった。

これはささやかな男の矜持である。




そんなことを考えながら、ようやく道具店の建物に着く。


「失礼する。すまないが換金を頼む」

俺は、売り娘のNPCに、針ワームから取った蟲の皮を売却した。

「1500クラウンになります。どうぞ」

栗毛色の長い髪をしたそのNPCは、包み込むような笑顔でお金を渡してくれる。

「ありがとう」

「この地域一帯では、ルドルバードも出ますので気をつけて下さいね」

「了解した」

堅苦しくそうとだけ言って、俺はさっさと金を鞄にしまいこみ、建物を出た。



はたから見ると実に無愛想で付き合いづらそうな輩であるが、これは「俺であって俺で無い」。

今の俺は、内面はともかく、表面上は「不器用かつ寡黙で頼れるダークナイトとしての俺」なのだ。



どういうことか、分かってもらえただろうか?

実は俺、このWCOで、ロールプレイをしていたりする。


いつかひまわりのような笑顔の幼女に出会うため、素のおちゃらけた俺は封印して、年上の不器用な渋いダークナイトを演じると誓っているのだ。



――いや、さすがに幼女のためではない。

単純に、ただゲームをするのはつまらないからロールプレイをしている、それだけだ。


たまに真相を知られて「アイツ電波じゃね」だの「あれは良いマジキチ」だの言われてへこむこともあるが、ロールプレイの意外な魅力にずっぽりハマってしまった。

一旦始めると結構面白い。

べ、別に罵られたいマゾなんかじゃないんだからね!







ソッチ系に目覚めそうになりながらも、WCOでロールプレイを楽しむ、ロリコンダークナイト。

もちろん現実世界では、普通にバイト漬けの大学生。


俺はただそれだけの存在のはずだった。

どこにでもいる、ごく普通の青年。



それだけの存在だったはずだが――




夜も更けたためログアウトして寝て。


朝目覚めた俺の前には、異世界が広がってました。




茫然としながら、思わず初めに言った一言は――


「この世界ってロリは合法だろうか」




主人公は、重度のロリコンで、マゾの素質があって、VRMMOで痛いロールプレイしちゃうような変人さんです。

引き続き読み進めて頂ける方は、その点にご注意ください。

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