↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

蜘蛛も毒虫である。

作者: 赤褌
掲載日:2026/08/09

OK、じゃあもう一度だけ説明するね。


俺の名前は田中悠斗。十六歳。昨日までは、ただの高校生だった。


そう、昨日までは。


昨日、放射能を浴びた蜘蛛に噛まれた。


そして今朝、目が覚めたら――


「えっ、俺がスパイダーマンに!?」


壁に張り付ける。

天井も歩ける。

糸まで吐けた。


すごい。


手すりなんか使わなくても、壁を這えば二階まで行ける。

学校だって、屋根伝いに行けるかもしれない。


悪くない。


そのとき、部屋のドアが開いた。


母さんだった。


目が合った瞬間、母さんは悲鳴を上げた。


「きゃあああっ!」


そのまま腰を抜かし、床を這うように後ずさる。


「母さん?」


何をそんなに驚いてるんだ。


廊下から足音がした。


父さんが飛び込んでくる。

手には丸めた新聞紙。


「待って、父さん。俺だって」


父さんの顔が引きつった。


「殺虫剤! 早く!」


「え?」


新聞紙が振り下ろされた。


避けようとした。


けれど、体が思ったように動かない。


二度目。


三度目。


視界が揺れる。


「待って……俺……」


声も、もう出なかった。


床に落ちた鏡の中で、八本の脚が震えていた。


全部、俺のものだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。