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第17話 魔王の帰還 

「お帰りなさいませ魔王様。」


「リリー、今は元魔王よ。」


3年ぶりに魔界の地に戻ってきた元魔王こと、逢沢アリス。

旧姓アリス・ヴァン・エスカール


前回はトラヴィスタ家と、その家来たち一同で出迎えたのだが、

今回はお忍びということでエストとリリー、

そして来たことを隠すための魔法を使っていた吸血鬼一族の者の三人だった。


「そんなことよりも、ただいま二人とも。…そしてあなたがリリーが言っていた子ね。」


「はい、初めまして。リサラ・ストーカーと申します。」


「…ストーカー?あぁ、吸血鬼一族の分家の方の苗字でそんなのあったわね。」


「ちなみに彼女は魔人とのハーフで、ステルスの孫にあたります。」


「あのジジイに子供いたの!?影薄いから全然知らなかったわ…。」


リリーからの情報にアリスは少々驚いていた。


「ちなみにアリス様が魔界にいらっしゃったときにリサラが生まれたそうで、変な名前を付けられぬようにアリス様が帰られるまで、身内以外誰にも妊娠していたことすら、言わなかったそうです。私にすら言ってもらえなかったのは心外でした。」


リリーは、オーバーリアクション気味に呆れたポーズをとっていた。


「いや!知ってたら確実にアリス様に報告していますよね!?」


「いやですわ、あなた。魔王様に重要なことを報告しない家臣などどこにいるのですか?」


夫婦のやりとりを見て、リサラが複雑な表情で苦笑いをしていた。


「まったくあのジジイ、知ってたらちゃんとまともな名前付けたっつうの!!」


「アリス様、言葉遣いが昔に戻ってますよ。」


「あらいけない。これからゆうちゃんに合うんだものもう少し冷静にならなくちゃね♪」


「そういえば、アリス様。」


「なあに?」


「思ったより普通の格好をなされていますが、それでよろしいのでしょうか?」


リリーが普通の格好と言っているが、アリスが今着ている服は、優輝の普段着である。


「あぁそうそう、ゆうちゃんが見たことのない衣装を着て行ったほうが目を引くかな~?と思って、こっちでなにか着ることにしたのよ♪」


「それでしたらもう何着かご用意しておりますがいかがいたしますか?」


「さっすが、リリー。気がきいているわね♪」


「ありがとうございます。この指輪の中に入れておりますのでゆっくりとお選びください。」


アリスはリリーから指輪を受け取ると、すぐさま円を描き中にある洋服を物色し始めた。


「流石はリリー、わかってるわね~♪どれにしようか迷っちゃうわね。」


「個人的におすすめなのは、黒い水着ですね。」


「黒いっていうとこれかな…って、だめよリリー。紐水着は家にある物だから。」


「そうでしたか、流石はアリス様。娘も見習ってほしいものです。」


「あっ!これ懐かしいわね!」


「アリス様が昔着ていた赤いドレスも入れておきました。」


「確かこれを着て戦ったこともあったわね~。」


「あの時は赤いドレスが血で真っ赤になっていましたね。」


「同じ赤だからまあいっかって、ほっといてたら血が変色して真っ黒なドレスになったもんね~。あれは落とすのに苦労したな~。」


「洗ったのは私の執事ですけどね。」


「うん、これでいいかな?まだ着れるわよね?血の匂いもないし。」


「アリス様が太っていなければですが…。」


「失礼しちゃうわね。ウエスト、ヒップ共に変化なしよ!」


アリスは大きく胸を張り自分のプロポーションをアピールする。


「といいますと、バストの方は大きくなられたのですか?」


「リリーやエレンちゃんまでは大きくなってはないけどね。あともう少しでDカップに届くわよ。」


「大きくても肩がこるだけであまりいいことがありませんが…。」


「いいの!だって、ゆうちゃんは大きいほうが好みなの!」


「そういえばそうでした。小さい頃から変わっていないんでしたね。」


「そうよ…ってあれ?ゆうちゃんの小さい頃の好みって教えてたっけ?」


「そのお話はまた後にしまして、ドレスの方はいかが致しますか?胸のサイズだけでしたら、今すぐにでもお直しさせていただきますが?」


「…ちょっと聞きたいことはあるけど、早くゆうちゃんに会いたいし、まぁいいわ。お願いするわね。」


「ではリサラ、今すぐアリス様の胸の計測を」


「はい。」


リサラがアリスのバストを測ろうとしたとき不意にアリスが手を前に出しリサラを静止した。


「どうかなされましたか?」


「いや、どうせサイズ変えてもらえるなら胸を盛ったほうがいいかなと思ってね。」


「盛る?」


「この場合は盛るっていうか増やすね。」


「?」


リサラはアリスの言っている意味が分からなく少々困惑していた。


「まぁ見てればわかるわよ…ていうかエストまだいたの?」


「いたの?は酷いと思うのですが…。」


「ごめんごめん、でもあれするから居られたらちょっと困るんだけど。」


「分かっておりますよ。例の荷物はリリーに渡しておきますので私は仕事に戻らせていただきます。」


「忙しいところごめんね。」


リリーに小さな箱を渡すとエストは部屋から出て行った。


「んじゃ、久々にやりますか。」





「…おはようナシュ。」


「おはようございます師匠。」


目が覚めたらたまたまナシュと目があったから挨拶したんだが、ナシュって確か寝起き悪かったような気が…。もしかして起きてからずっと寝顔見てたとか?いや、母さんじゃないんだからそれはないか…。


「歯はどっちが先に磨く…ってあれ?」


ベットから起き上がろうとしたとき体の力が入らなかった…ってかこの感じあれだよな。


「師匠、どうしたんですか?」


「………筋肉痛っぽい。」


昨日あれだけ動いたし少しは覚悟していたところもあるけど…。


久しぶりに家でて動いたら筋肉痛になった。


やばい文章にするとものすごくかっこ悪い…。


「…やはりあれだけの運動をすると体に影響が来るんですね。」


いやナシュさん、たしかにその可能性もあるけど、勘も体も運動不足という診断をしているんです。一年のひきこもりは伊達じゃないんです…。


「今度からは師匠に無理をさせないように努力します。」


「うん、まぁ人任せにしないように努力するのはいいことなんだけどな…。たぶんこれただの運動不足だから…。」


「そんな気を使った嘘はいいです。ということで今日は師匠の看病をしますね。」


「しないでいいから…。とりあえず歯を磨いてくる。」


ゆっくりと立ち上がり、ふらふらになりながらも洗面所に向かっていく。


途中でナシュが「歯を磨きましょうか?」と提案してきたが、すぐに却下していつも通りに歯を磨いた。



その後、筋肉痛の痛みに耐えながら何とか食事を終えて食後の一杯に紅茶らしきものを飲んでいた。


「そういえば、今日もサファイアたちと待ち合わせがあるんだったな…。」


「え、イアちゃんそんな事言ってましたか?」


昨日、出会い頭にゲンコツをされた俺は、ゲンコツをしてきた張本人のナシュに怒られていた。

「だいたい師匠はですね………」


「なんか長くなりそうだから私、先に帰るね。」


「…先に帰るって、お前が原因なんだから何とかしてくれよ。」


「師匠!ちゃんと話を聞いてますか!!」


「はい!!」


「んじゃユウキ、明日もよろしくね。時間は今日と同じくらいの時間でね。」


「え、ちょっと、マジで帰るのか!」


「師匠!!」


「スイマセン!!」


「本当に長くなりそうだし、俺も今日のところは帰るわ。」


「…アーサーもか。んじゃまた明日な。」


「し・しょ・う?」


「ナシュさん、耳は本気で痛いんで引っ張らないでくださいお願いします!!」



ってなことがあった。

ちなみにその後は何とか謝って、膝枕と就寝時腕枕で許してもらった。


「そんな話をしてたんですか。全く気づきませんでした。」


「最初のゲンコツも痛かったけど耳を引っ張るのも痛かったんだけどな。」


「師匠が逃げようとしなければそんな事しませんでした。」


「そうですか…。」


サファイアが足を踏んでも全く痛くなかったのになんでナシュがゲンコツしたときと耳を引っ張った時は痛かったんだろうか?

…そういえばナシュは木を片手で持ち運べる握力があったな、すっかり忘れてた。


「でも師匠の今の体じゃ依頼を受けるのは無理ですし…どうしますか?」


「俺はここでまったり過ごすから、ナシュはギルドに行ってていいよ。俺が行けないことをサファイアたちに連絡して欲しいし。」


「それじゃ、連絡したら帰ってきますね。」


「そうだ、ついでに依頼やってくれば?」


「なんでですか?」


「なんでって、もう少ししたら宿の修理が終わるだろう?宿屋の代金を貯めておいたほうがいいんじゃないか?」


「それはそうですけど…。」


少しムスッとした表情でこちらを見つめてくる。


「そんな顔をしてもダメ。宿の修理が治るまでっていう約束だっただろう?」


「…わかりました。なるべく早く帰ってきます。」


「いってらっしゃい。ちゃんとサファイアたちに言っておいてくれ。」


「わかりました。師匠も今日は無理しないでくださいね。」


「いってきます。」と言い出かけるナシュを笑顔で見送り宿屋から出ていったことを確認する。


「とりあえず、寝間着から着替えてっと♪」


寝間着から新しいの服に着替え、空間の指輪を指にはめて空間を作って中から例のものを取り出す。


ナシュに依頼を受けてくれば?と言ったのにはもう一つ訳がある。


この世界にきてから一週間になろうとしている。

こっちの世界では一週間=7日かどうかは知らないが、俺の体には一週間溜まりに溜まったものがある。


一日だけ一人で寝た時があるけど、それ以外は常に誰かと一緒に寝ていたわけで、全く男の子のことができず、精神的にも肉体的にも色々限界に来ていた。


とどの詰まり、性欲を持て余していたわけである。


「一人っきりになる、折角のチャンスを見逃すわけにはいかない!」


色々あったおかげで、ナシュに買った本を見られずに済んでいるのでネタは十分にある。

残念ながらマンガはなく、小説だけだったけど問題ない。


「さてと、どれにしようかな?サファイアのおすすめでも見てみるかな?」


とりあえずはタイトルで買った限りでは、いろいろな系統のものがあったし、楽しみにはしている。


「時間はたっぷりあるわけだし、全部読めるよな?」


さて、用意するか。




師匠は絶対、何かを隠してる。


「理由は正しいけど、絶対裏がある。…忘れ物をしたって言って取りに戻ったほうがいいかな?」


「あの、少々よろしいでしょうか?」


ふと、声をかけられて後ろを振り返る。

けれど、誰もいない。


「これは失礼しました。私はあなたの前にいます。」


「!?」


前を向くと執事の格好をしたご老人がいた。


「私の名前はシャド……ステルスと申します。ユウキさんの弟子のナシュリさんとお見受けしますがお間違いないでしょうか?」


「…はい、ナシュリですが、師匠とはどんな関係でしょうか?」


「ユウキさんのお母様と知り合いでして。」


「!そうなのですか!?…ゴホン。それで、どのよう用事で私に話しかけたのですか?」


「はい、ユウキさんはどこにいらっしゃるかをお聞きしたいのですが、よろしいでしょうか?」


「師匠なら宿にいますよ。師匠になにか用事ですか?」


「少々伝言がありまして。」


「伝言なら私が代わりに伝えておきますよ。」


「…そうですね。お願いします。伝言は、とある方がお会いに来るので、一人でお待ちしていてください。と伝えていただきたいのですが。」


「わかりましたが、会いに来るのは誰なんですか?」


「私は先ほど申したことしか存じておりませんので…ナシュリさんも夕方くらいまでユウキさんを一人にさせてください。」


「夕方くらいまでですね。それでは伝えてきます。」


「お願いいたします。では失礼します。」


そう告げると、ステルスさんが見えなくなっていった。


「……師匠の知り合いもすごい人だらけなんですね。」


でもこれで宿に帰れる理由ができた。

しかも、私がギルドへ行っても夕方くらいまで誰かと会っているから変なことはできないはず…。


「…でも、会いに来る人といけないことをするとも…。」


念の為に釘を差しておいたほうが…。


とりあえず、帰ってから少し、師匠とお話ししますか…。





「…なんだと。触手物もこの世界にはあるのか…。この発想は地球だけだと思ってたけど、どこの世界にもいるんだなこういう考えをする人は…。」


キメラとかいるし、もしかしたらこんな生物いるかも知れない……なにそれ怖い。


「ちょっと怖くなってきた……やめだやめ!違う本は、っとこれもダメだ。師弟ものは色々とまずい。だったらこれはどうだ!ってこっちは母親ものか…。」


この時、俺はこれから起こることなんて微塵も思っていなかった。


……まさか見られるなんて。



只今、自分行方不明中のため次話が未定になりました。


何度書いても何度書いても中身がペラペラになってしまいます。


最悪この話をも変えることになりそうです。


しかも、違う物語のほうが書きたいという始末。


本当に自分行方不明。


HDDのデータとともに消えてしまったのでしょうか?


ちなみにどうでもいいですがパソはリカバリで直りました。


申し訳ありませんが自分を取り戻せるまで更新できる自信がありません。


取り戻せ次第書き、更新をいたします。

待ってくださっている方には本当に申し訳ありません。


誰か作者に文才を!!

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