表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元・繰上げ聖女の第二の人生〜悠々自適なスローライフを目指します!〜  作者: 夕立悠理


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/9

9話


「よくねたぁー!!」

 今日も睡眠バッチリ10時間、寝すぎである。

 でも、ごろごろっていいよねー、めちゃくちゃ幸せ。

 無限にお布団と仲良しこよししていたーい。



「ーーヘックシュン!!」

 誰かが私の噂話でもしているのかな。

 まあ、どうせ神官長あたりだろう……。


 むかつく銀の髪をさらさらとさせながら、繰り上げ聖女……もとい元聖女の悪口を言っているに違いない。


 悪かったなどと、多少は改心したようだけど、油断できない。


 ーーということは、おいておくとしても。

「はてさて……」


 金ピカの髪に碧眼のまるで王子様みたいに整った顔立ち。

 でも、どこか憂い顔でこちらを見つめている青年……の霊とぱっちりと目が合ってしまった。


 危ういことには近寄らない。

 全力で見ないふり! という手もあるけど……。

 まあ、伸ばせる範囲の、手は伸ばそう。

 それが、私の信条だから。

 私は、アリア様にもユリア様にもなれないけれど。


 中継ぎの繰上げ聖女としての矜持はあった。


 ここはとにかく元聖女らしく、淑やかに穏やかに、粛々と……。


「イケメンな生き霊ですね!」

 

 わぁお。

 私ってば素直すぎる。

 思わず口からでた言葉に自分でも、軽薄だなーと口を押さえた。


「私が……見えるのですか?」


 でも、イケメンと言われたことよりも、見えることに驚くということは、言われ慣れていますね。


 まあ、そんな感じの顔ですが。


「まあ、はい。これでも一応……ゴホン、聖女に就いていたこともあったので」

 今やこのクッキー伯爵領の女伯爵ですことよ。

 おほほほ。


「……聖女?」


 ぴくりと、イケメン金髪お兄さんは、青ざめた顔で肩を揺らした。

 そういえば、服もなんか色々じゃらじゃらして豪華だ。


 

「私は、わたしは……」

 まるで狼に睨まれた子鹿のように怯えた顔でぷるぷると震えているお兄さん。

「どうしました? 私は今のところ、あなたに危害を加える気はないですが」


 危害は加えないって断定しちゃうと、面倒なことになったりする……ので、まだこの人がどんなひとかわからないし、言葉は選んで話しかけた。


「殺されるのでしょうか?」

「え?」


 ……お兄さん、話聞いてた?


「まだ何も成せてないのに。私のすべきこと何一つ終わっていないのに。それでは、私はいったい何のために、ここまでーー」


 お兄さんから負の感情が溢れ出し、カタカタと窓が揺れる。

 ……まずいな。


「ちょーっと、失礼しますね。痴漢、ではなく、不可抗力です」

 私はお兄さんの方に近寄り手を包んだ。


「!?」

「落ち着いて」

 振り払われそうになった手を、再度包む。


「私の目を見て」

 お兄さんの青の瞳がはっきりしていく。


「そう。そのまま深呼吸」

 ……すぅー、はぁぁ。

 私もその言葉に合わせて、呼吸をする。

 何度も何度も繰り返して、そしてーー。


「……落ち着きましたか?」

 お兄さんはゆっくりと首を縦に振った。


「私は……、その取り乱してしまい……」

「死の恐怖を感じたのですよね。それなら、取り乱すことも普通ですよ」


 安心させるように、にっこりと微笑む。


「ところで。あなたはなぜ霊体となって、私の目の前に現れたのか。あなたは何に怯えているのか。お話ししていただいてもよろしいですか?」



 

いつもお読みくださり、誠にありがとうございます!

もしよろしければ、ブックマークや☆評価をいただけますと、今後の励みになります!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ