6話
美形が目をかっぴらくと、迫力があって怖いのね。
新たな事実を新発見だわ。
「リアナ……」
「は、はい!」
なんだろう。
ドキドキしながら、神官長の言葉を待つ。
というか、なんだかすごく目が合うわ。
今まで全く目線が合わなかったのに、逃げても追いかけてくるんですけど!
「つまり、俺のことなどどうでもよいと」
俺!?
神官長、今、俺って言いました!?!?
神官長の一人称、絶対、私だと思ってたのに。
……って、そうじゃなかった!
話に集中しないと。
「……」
神官長のことが、どうでもいいのか、かぁ。
難しい質問ですね!
「健やかでいてほしいとは思いますが……」
聖女時代、それなりにサポートしてもらった恩もある。
しかし、手紙を書くほど親しかったかといえば、ノー。
離れたところで、健康でいてね、と思うくらいだ。
あ、でもムカつくこともあったから、やっぱり将来禿げてほしいかも?
「……そうか」
神官長は、ふうっとまたため息を吐き出した。
一体全体なんなんですかね。
「リアナ」
「……はい」
神官長は、ゆっくりと名前を呼んだ。
そう言う時は、大事な話と相場が決まっている。
ええー、なんだろう。
お説教かなぁ。
「俺は、大切にしてきたつもりだ」
何を?
主語がないお説教を言われても困ってしまう。
「その顔は……わかっていないな」
さすが、神官長!
なんでもお見通しですね!!
「俺は、お前を大切にしてきたつもりだ」
ええー。
うーん。どうかなぁ。
聖女になってから、やれ繰上げだのなんだの言われたけどなぁ。
あ、そういえば、血を吐いて倒れた時に、くれた桃はおいしかったかも。
「……神官長って、もしかしなくても、不器用さんですか?」
「!?」
あ、まずい。
口が滑った。
神官長が俯いて、ぷるぷると震えている。
いや、でもだってさ。
そゃあ、たまーに、ほんのちょっぴり気にかけてくれてるのかなー? って思うことはあったよ。
でも、そのプラス要素を打ち消さんばかりのマイナス要素が多すぎる。
目も合わせない、口を開けばやれ繰上げ。
私を大切に思ってくれているのなら、その辺りどうにかなったんじゃないの?
「……リアナ」
「ハイ」
神官長が、顔を上げた。
これは、調子に乗るなとか言われるかなー。
真っ直ぐに見つめるアイスブルーの瞳は、かつては見られなかったものだ。
「悪かった」
「ーーえ」
ワルカッタ。わるかった。……悪かった!?!?
あの、あの面の皮の厚さで神官長まで上り詰めたと言われたひとが謝った、だと!?!?
「俺は、お前の言うとおり、器用な方ではない」
「……そうですか」
あっさりと認めたことも謝ったも驚きすぎる。
大丈夫? 明日槍とか降ってこない??
「だから、お前を傷つけてしまったこともあったかもしれない」
おほほと笑うのも、慣れたけどね。
「でも……俺にとって、リアナは大切な存在だ」
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