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第91話 婚姻式

 婚姻式当日、シュミはウォックス家の家紋が入った深紅のタキシードを纏い、セルーヌは深紅のドレスを着ていた。


深紅の色は、ウォックス家のイメージ色であり、領民からはウォックス家の色は血の色の深紅と呼ばれている。


式は屋敷の中でも大きな部屋、晩餐会や舞踏会をする水晶殿という離れの建物で行った。


通常この建物では、出陣時に隊長クラス以上のみ参加する決起集会の為に使われている。


式会場は十分豪華に彩られ、シュミには(これで質素なのか?)って思う位の豪華さだった。

式が始まり、シュミとセルーヌが皆に紹介され、緊張する暇もなく無事に進み、皆どんちゃん騒ぎをして、つかの間の平和を楽しんだ。


リンクス・レカルド・ハボック・ジュリアは、豪快に飲み食いし、マリア達女子は、同じテーブルでおしゃべりし、キャッキャ楽しんでいる様子だ。


式が終盤に差し掛かると、おばあ様は壇上に上がり、マリア達のシュミPTの紹介を始め、名前を呼ばれるとマリア達も壇上に上がり、話を続ける。


王家内の派閥ウォックス派閥に属する貴族の領地で、魔物関係で何か起こった時にはすぐさま駆けつけ、魔物に対処する事を宣言した。


「このシュミ・ウォックス・ティフォシを中心とした、ウォックス家パーティーは、我がウォックス家に与する貴族の領地を魔物の脅威より、守るでしょう!」


この式には、ウォックス派閥はもちろん、他派閥の重鎮達も数人来ているが、今まで内密に動かしていたシュミPTの存在を明らかにした。


もちろん他派閥のけん制の為でもあった。


シュミ達の紹介が終わり、シュミとセルーヌは、式会場を出て2人に用意された部屋に戻り、2人共疲れた様子でベッドに倒れ込む。

「流石に疲れたな。」

「えぇ、疲れたわ……でもみんな楽しそうで良かった。」

「そうだな。」

っというと、2人共スヤスヤ寝息をたてた。


その頃式場では貴族達も帰り、シュミ達と親しい者達の宴会場と化した状態になり、主役はとっくに居ないのに、大盛り上がりだ。

そんな状態が朝まで続き、リンクスやレカルド達男性陣は、その場の床に寝てしまい、女性陣は流石に部屋に帰って寝たようだった。


翌朝、皆二日酔いで動けない状態だったのは、言うまでもない。


そんな状態だったので、シュミとセルーヌは、初夜を寝てしまったので、朝から密な時間を過ごせた。


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