第87話 ピュトーンとの遭遇!
ジュリアとしのぶが帰ってきたので、マリアは皇国軍の指揮官に移動する事を伝え、シュミ達は割り振られた馬車に乗り込む。
「いきなり、招集の笛がなったから、少し焦りましたよ。」
「んだんだw」
しのぶとジュリアは、同じ馬車のソーシャに、何故急に招集の笛がなったのか、質問をした。
「ラミアの本体がコチラではなく、国境の境の方にピュトーンと一緒に居るのではないかという話になったので、急遽移動する事に決まったのですよ。」
ソーシャは、前の馬車のマリアを見ながら、2人の質問に答えた。
「そうなのですね。」
たいした答えを貰えなかったので、しのぶは納得するしかなかった。
「ほらジュリア、キョロキョロしないで真っ直ぐ向いて、手網をしっかり握りなさい。」
「へいへい。」
ジュリアは、女剣士達が設置している陣幕の隙間から、チラっと見える女性達を見ている。
シュミ達は、皇国軍の無数に在る陣幕の間を、馬車でもの凄いスピードで駆け抜けた。
シュミ達が、ラミアの分身体と戦い始めた日に、リンクスとレカルド達の軍勢は、皇国国境沿いの【枯れた平原】と呼ばれる平原に着いた。
緑色ではなく、見渡す限り茶色が一面に広がった平原だ。
レカルドとリンクスは、グリーグという名の町に向かう道のりに、この枯れた平原がある。
枯れた平原を、通り過ぎようとした時に、リンクス達の後方より大量の砂埃が見えた。
「何かが移動しているぞ!」
リンクスは、砂埃の原因であろう、何かを見定めている。
リンクスの軍勢2000人の後方には、レカルド率いるレカルドの軍勢が1500人がいる。
レカルドは、自分の部隊の最後尾を歩いていたので、リンクスより早く確認する事が出来た。
「なんだあれは?……。」
レカルドも目を細め、何かを見定めている。
「ピュトーンだ!伝令!伝令!リンクスにピュトーン接近の為、戦闘態勢に入ると伝えろ!」
「は!承知。」
伝令は、即座に馬を走らせ、先頭にいるリンクスへと走り出す。
伝令が着く前に、リンクスは後方のレカルドの部隊の足が止まったのを確認したので、リンクスは自分の部隊へ戦闘態勢の指示を出す。
リンクス部隊の500人は、サポート部隊で有り、白魔術士と黒魔術士で、構成されている。
リンクスは、レカルドの部隊が集結している所まで、部隊を動かし、2つの部隊で鶴翼の陣を展開し、かなり離れた後方にサポート部隊を配置する事にした。
「上手く中心に誘い込めると良いのだがな。」
レカルドは、額に汗を滲ませる。
サポート部隊は、黒魔術の土の魔術を使い大きな丘を作りだし、陣幕や天幕を張り、簡易的な救護所も作り始める。
ピュトーンは、リンクス達の軍勢を察知したのか、スピードを緩めて少しずつ、接近している。
「ん?足が遅いな?さっきまでの速さはなんだったんだ?」
リンクスは、すぐにでも戦闘になると思ったのだが、足を遅くしたピュトーンに、嫌な感覚がした。




