第85話 シュミとセルーヌに乾杯!
日が昇る頃には、みんな出発準備を済ませ馬車に乗り込み、皇都へ出発する。
シュミは、手綱を握る。
ニーズが、出発前マリアに会いに来て、何か話をしていたのを思い出した。
「マリア、ニーズは何を話しに来たんだ?」
「皇都に行っても、恐らく皇王に謁見するのは、難しいだろうと言われたわ。」
「どうしてだ?」
「皇都付近にピュートーンが、出現したと報告が有った為、皇王は避難するみたいなの。」
「そっか、でも肝心な通行手形は、皇都で入手出来るのか?」
「えぇ、それは問題ないみたい、皇王は近衛兵だけを連れて避難し、皇都は摂政が残り政治を取り仕切るらしいわ。」
「そうか....ところで、ピュートーンについての情報は、何も分かってないのか?」
「ピュートーンについてのスキル等は、カリヤ様も何も情報をもらっていないみたいなの。」
「う~ん、皇都周辺で会ってしまうと、ヤバいな~。」
「そうね。」
2人の会話をセルーヌは、静かに聞いていた....マリアの話し方が、皆と居る時と違うのに気付いていたが、(マリアならしょうがないか。)っと思いながら、2人の顔を交互に見ながら、話を聞く。
馬車に揺れる事12時間で、皇都の城門が見えた。
皇都の半径1キロ周辺に、冒険者や兵士が配備され、そこら中に松明というか、キャンプファイヤーみたいな火が焚かれている。
これからは、日が落ちる…魔族や魔獣が活発に動く時間なので、何者が来ても素早く発見できる為だろう。
城門に向かい入り口の兵士に、ニーズからの紹介状を渡し、あっさり皇都に入いれ、先導する騎馬兵士の後を馬車で付いて行く。
「いつの間に、紹介状とか貰っていたんだ?」
「あ、言ってなかったかしら?今朝よ、「警備が厳しくなってるから」っと言われてね。」
「なるほど。」
暫く皇都内を走ると、城の城門付近の立派な屋敷に案内される。
「どこの屋敷だろう??兵士さ~ん」
シュミは、兵士に尋ねながら馬車を停め降りる。
「迎賓館かしら?」
セルーヌは、キョロキョロしながら馬車を降りる。
「ここは、国賓用の屋敷です。本日はここでお休みください、ウォックス様」
兵士は、敬礼して去って行った。
「早速入りましょう。」
マリアは、スタスタと入って行く。
少し遅れて2台の馬車が到着し、皆驚きながら迎賓館に入って行く。
エントランスには、執事やメイドさんがズラッと並び、屋敷のメイドが一列に並び、一斉に挨拶をされる、そして一人ずつ部屋に案内される。
「一度お部屋に荷物を置いて、応接室で集合しましょう?良いですか?応接室を使わせてもらっても?」
っとマリアは皆の方見て言い、執事に顔を向けて尋ねる。
「はい。どうぞご自由にお使いください。」
「ありがとうございます。」
マリアは、お礼を言って部屋に向かう。
皆もそれぞれ部屋に向かい、荷を降りし応接間に集合し椅子に座る。
「えぇ~っと、みんなを集めて何を始めるんだ?」
シュミは、マリアに聞くと全員がマリアの方を向く
「実は、マアシー町を出る時に、カリヤ様と色々話合った結果、今日の移動中にシュミとセルーヌの婚約が正式に決まったの....国王からの許可をもらえたわ。」
セルーヌは、それを聞き赤面し涙を流しながら、シュミを見て微笑み、
「ありがとうございます。」
っと声を震わせながら言い、また涙を流しながら、微笑む
「おめでとうございます!シュミとセルーヌに祝福を!」×4
「おめでたいのぉ~」×1爺
「おめでとうございます!人生の墓場へw」ジュリア
シュミは、昨夜セルーヌと話て、何となく予想していた。
「とっても嬉しいよ!こんな可愛いお嫁さんをもらえて!」
セルーヌを見てニカっとシュミは笑う
「はい!」
セルーヌは、シュミに飛びついた。
シュミは、セルーヌの頭を撫ぜながら
「これからもよろしくな!」
「はい!」
セルーヌは、微笑みながら答える。
「でも、国王の許可がいるんだな?」
シュミは、少し不思議そうな顔をしている。
「当たり前です。ウォックス家は、王国の家臣の中でも筆頭貴族なのですから、当たり前です!」
ソーシャが椅子から立ち上がり、シュミに答えた。
「えぇ~っと、話を進めても?」
マリアが、ソーシャに言うと、ソーシャは椅子に座った。
「ゴホン、セルーヌが正室と決まり、側室候補も名前が挙がっていますが、とりあえず今日は2人のお祝いをしましょう。」
マリアが、ニコリと微笑む
「え~側室って;」
(守る人が出来たのは嬉しいが、セルーヌ1人でも守れるか心配なのに....)
「これからの事は、ラミアとピュートーンを倒した後に考えましょう。」
セルーヌが、シュミに言う。
マリアは一度部屋を出て、すぐ戻って来るとグラスとお酒が運ばれてきた。
「では、皆さんグラスを持ってください。」
マリアが、グラスを持つとみんなもグラスを持って立ち上がり。
「改めて、シュミとセルーヌの祝福を願って、カンパーイ!」
マリアが音頭をとり、グラスを突き出すと皆も一斉につづく。
「カンパーイ」×6
「ありがとうございます。」セルーヌ
「ありがとう、これからもよろしくな。」シュミ
リリーとルルは、オレンジジュースを数杯おかわりする。
そのまま、食堂に移動し夕食を食べる。
モーゥのステーキ・マッカレルの塩焼きと生野菜のサラダが、テーブルに並べられた。
生野菜の中には大豆の様な豆類も有った。
(もしかしたら豆腐作り出来るかも!)っと思いながら、豆を口に入れる。
食事が終わり談笑している所に、人数分の木箱が運ばれ、それぞれの名前が書かれている。
木箱には、飛龍の革で作った、頸・腕・脚・足を防御する為の革装備が入っていた。
飛龍の皮は硬く軽い為、加工してなめし革にすると、ラミアの牙や爪の攻撃をも防げる強度になり、カリヤはその革で装備を注文して用意をしてくれていた。
他には、黒色の布地と緑色の布地の2枚ずつ、マントも入っており、ウォックス家の家紋が、デカデカと刺繡されている。
シュミとセルーヌには、金色の刺繡...マリア・ソーシャ・エリカには、銀色の刺繡...
リリーとルルには、赤色の刺繡....ジュリア・シノブには、口あてに紺色の小さな刺繡が施されていた。
皆それぞれの部屋に、装備を持ち帰り明日の登城に備える。
刺繡の色によって意味があり、金色はウォックス家の直系血族や家族。
銀色はウォックス家家臣・赤色は一時的な家臣・紺色は客人と色で識別されている。
マントの布地の色も意味があり、白色は祝いの式典用、黒色は戦闘用、緑色は外交用、青色は普段着用等、王国では様々な色で用途によって識別出来る様使われている。
基本シュミ達は、マントを着けていないが、大事な戦や任務には着用する。




