第65話 里の捜索
夜が明けると同時に、皆起きている。
ゴーレムも無傷で、夜中は何もなかったようだ。
それぞれ、支度を始めアイテムの確認をしたり、歯磨きをしたり、いつもと変わらない感じだが、皆緊張している様に思える。
オルトロス級となると、普通は討伐軍が対処するのが、当たり前な強さだ。
それを8人で、戦おうとしているのだから、緊張しないわけがない。
セルーヌとマリアとボラタは、作戦会議の様な話をしている所に、ソーシャとエリカも呼ばれ、完全に男は脳筋と思われているようだったが、レカルドも呼ばれ皆真剣な表情で話をしている。
(あれ?俺って父さんと同じ評価なの?……マジか~)
話が終わったらしく、ボラタが皆に荷馬車に乗るように指示を出す。
皆が乗ったのを確認後、セルーヌの里に出発する。
里に近づくにつれ、嫌な瘴気?みたいな気持ち悪い空気が、漂っていくる。
セルーヌは、かなり嗅覚が鋭い為、きつそうな顔をしている。
里の入り口に着き、荷馬車から降りて周りを警戒する。
ボラタが、皆を集めて話をする。
「シュミ・セルーヌ・マリア・エリカの4人、私とリンクス・ソーシャ・レカルドの4人で、分かれてオルトロス又は、生存者の捜索をします.....どちらか見つかったら、このスクロールを開いて、お互いの位置が分かるので、絶対に落とさないでね。」っとマリアに手渡した。
「では、捜索しましょう。強い敵が出た時もスクロールを使って、雑魚ばかりじゃないかもしれないし、みんな気を付けてね.....では、2時間後一度ここに集まりましょう。」
「かーさん、俺達は左から回るよ。」
シュミは、左を指さしボラタに言う。
「えぇ、気を付けてね。」
ボラタは、シュミを見た後に、マリアとセルーヌに(よろしく)って感じで、頷きセルーヌとマリアも頷き返す。
「いくぞ。」
「はい」×3
シュミ達は、出発しボラタ達も反対方向に、向かって出発する。
「セルーヌ、何かあったらすぐに知らせてくれ、避難場所は知ってるか?」
「いえ、半年毎に変えるから、私は分からないわ。」
「そうか.....地道に探そう。」
本来なら、賑わっているはずの、冒険者ギルドがある冒険者通りには、山犬が10匹程歩いているのが、見える。
「やるか?」
「そうね、生かしておいても、良い事ないですし。」
マリアは、すんなり戦闘許可を出した。
マリアの言葉を聞き、顔を強張らせているエリカは、かなり緊張しているみたいだ。
「セルーヌ・エリカ・マリアで、3体の気を引いてくれ、その間に7匹倒すから。」
「分かったわ、エリカはスキルで、いつも通りタゲをとって、セルーヌが火球系で攻撃、私はシュミとエリカに支援魔術を」
「あぁ、よろしく頼む。」
っと言った瞬間に、シュミは全速力で走り、手前の3匹を飛び越え、奥の7匹の近くに飛び下り、助走が付いたまま、一番近い山犬の顔を殴り顔を破壊する。
「Attention!」
エリカが、新しいスキルを唱えると、手前の3匹はエリカに、釘付けになる。
「業火球!」
セルーヌは、範囲攻撃の低級火球魔術を唱えたが、2匹が黒焦げになった。
「レベルが、上がってるわね。」
セルーヌの火球を見ながら、マリアはボッソっと呟いた。
「おりゃ~!」
奥の方で、シュミが叫びながら、バタバタと山犬を倒すのが見えるが、特別な事をしている訳でもなく
シュミは、力任せに山犬の顔面に、拳を叩きつけて破壊して絶命させている。
町の反対側からも、微かに戦闘音らしき音が聞こえてきた、恐らくあちらも、同じような感じなのだろう。
シュミが、7匹倒し終わる頃には、セルーヌ達も3匹倒し終わって、捜索を再開する。
小道も見落とさない様に、全て調べて周り、調べ漏れが無い様にしていると、ほとんどの小道の突き当りの石畳に、ギリギリ指が引っかかる程度の窪みがある。
「これって、地下通路?」
セルーヌの顔を見上げて、シュミは聞くと
「どうでしょう?私が居た頃は、地下通路があるって聞いた事ないです。」
セルーヌは、頭を横に振っている。
「そうか.....とりあえず、持ち上がるかやってみよう。」
シュミは屈んで、指先に力を少し込めると、少し持ち上がり動かない
「?……どうなってるんだ?」
上にあげても上がらないから、押すと石畳より下に下がりまた止まる、少し力を入れると、横にスライドする様な仕組みになっていた。
「なるほど、これって子供でも開けれるように、力が無くても開くようにしてるんだ~、凄いな。」
「とりあえず、ボラタ様に知らせるわ。」
マリアは、スクロールを開くと青白い球が、空に向かって飛び2つに分かれ、一つは空中に留まり、もう一つは、ボラタの方に向かって飛んで行った。




