第63話 セルーヌの里。襲撃?
シュミは、アイテム屋に寄ると、魔力をストック出来る魔石が付いている、綺麗な指輪を見つけたので、セルーヌとマリアに買う事にした。
これが有れば、魔力が枯渇しても魔力を引き出せるから便利だ。
シュミは、宿に戻り1階の酒場兼食堂に行くと、セルーヌとマリアも夕食を食べに、2階の部屋から降りてきた。
セルーヌとマリアに、指輪を渡すと凄く喜んでくれた、それなりに高価な指輪なので、今まで手が出なかったらしい。
「さて、マッカレル料理でも、食べようか。」
「はい、私はマッカレルの塩焼きにします。」
セルーヌは塩焼派らしい、指輪をさっそく指にはめ、大事そうに指輪を眺めている。
「私は、マッカレル煮にしますわ。」
マリアは、魚の生臭さが嫌いなので、煮付けの方が好みらしい。
「じゃぁ俺は、両方頼もうかな~。」
注文を終え、料理が来るまでの間、談笑しお土産に何を買った等を話していると、いい匂いが漂ってきた。
料理が、運ばれてきた。
セルーヌは、生唾を飲み尻尾が、わさわさ動いている。
「では、頂こうか。」
「はい。」
「えぇ」
かなり大きなマッカレルに、少しシュミはビックリしたが、味も大味では無く脂がのって美味しい。
よくスーパー等に売っている、サバフィーレの3倍~4倍の大きさだ。
マッカレルの塩焼きは、岩塩を使っている為、ミネラル豊富で塩気も丁度良い。
お腹の身が口の中でとろけ、内臓も綺麗に処理されている為、全然生臭くない。
煮付けは、醤油ベースの甘辛煮に近い味付けをしている、生姜みたいな物の輪切りも一緒に煮込まれており、臭みが全然ない。
「これは、うまい!」
シュミは、自分で煮付けを作る事が出来る為、自分が納得する味付けをするが、今までなかなか自分に合った、煮付けを出してくれるお店は無かったのだが、この煮付けはシュミが求める、煮付けそのものだった。
セルーヌも、幸せそうな顔をしながら、(うまぁ~)っとした表情を浮かべ食べている。
「そういえば、この町の名前は何て名前?」
(全然町の名前を気にしていなかった、これだけ美味しいマッカレルを食べれる町の名前を憶えておかなきゃ。)
「え?マッカレルですわ。」
キョトンとして、マリアは答える。(何を今更って感じで。)
「あ、そうなんだ。」
(よく考えたら、この世界の町は名産等の名前が、そのまま町の名前になってる所があるんだった。)
「うまぁ~」
セルーヌは味わいながら、心の声が出たみたいだ。
「このマッカレルも、お土産に持っていこうかな?」
シュミのポッケに入れれば、腐る心配もない
「賛成!」
セルーヌは、即座に言う。
シュミとマリアは、顔を見合わせ笑うと、セルーヌは顔を赤くしていた。
食事を済ませ、店員にマッカレルの塩焼き用の塩漬けと処理済みのマッカレルを、明日の朝15匹ずつ売ってもらえるよう頼み、2階の部屋に行き軽くシャドウボクシングをして、水浴びを済ませて寝る。
翌朝、食堂に行きマッカレルを受け取り色を付けて、多めに支払いを済ませる。
セルーヌとマリアも、荷馬車に集合し出発する、ついにセルーヌの里に今日の昼辺りには、着く事になる、若干シュミも緊張し始め、手綱を握る手に力が入る。
昼過ぎになり、セルーヌの里がそろそろ見えてくる距離になり、3人共緊張するが.....あれ?煙が見える.....。
「何の煙かしら?」
マリアが、荷馬車から身を乗り出し窺っている。
「そ・そんな.....シュミ!急いで!里が.....」
セルーヌが、危険を察知している顔になり、里の方を見ている。
「わかった。」
荷馬車のスピード上げ、里へ走らせる。
里に着くと、黒魔術を放った形跡がそこら中に有り、里の入り口からは、人の気配が感じられない。
里というから、村を想像していたが、マアシーの町を少し小さくした感じの町だった。
里の中は、戦いが有った跡があちこちに有り、住民の姿が見えない、死体がローブを着た魔術士が数体有ったが、一般の住民の死体は確認出来ないので、おそらく避難したと思える。
「何が有ったのかしら?住民は?」
マリアが、セルーヌの方に向く
「何か有った時は、避難場所に行き、隠れていると思います。」
「襲撃が有ったのかしら.....あ、襲撃ね。」
マリアが、山犬の焦げた死骸を見つけた。
「山犬か……」
シュミは、オルトロスを思い出す……(3人の時に出くわすとヤバいな……)
「とりあえず、カリア様へ連絡します。」
マリアは、スクロールを出しおばあ様に、今の状況を伝える。
直ぐにおばあ様から、返信が届き、里の中を捜索し危険と判断した場合は、マッカレルまで後退する事という指示だった、又ソーシャ・エリカ・リンクス・レカルド・ボラタが、精霊の様な馬でこちらに来るそうだ。
「とりあえず、3人一緒に行動だ!」
(アメリカの映画なら、ここでバラバラに行動して、1人ずつ死んじゃうんだよな。)
「えぇ、本命が出るかもしれないし。」
セルーヌも、オルトロスの事を思い出しているみたいだ。
「そうね。」
マリアも気を張り詰めている。
【グルルルルルルル】っと遠くから唸り声が聞こえる。
「インビジブル!」
マリアが、セルーヌとシュミの手を握り、とっさに唱える。
マリアは、手を放し撤退の合図をしている。
シュミとセルーヌも頷き、里の外へ向かうと荷馬車の馬が、無残な姿に変わっていた。




