第56話 山犬とモーモーの襲撃
「ふぁ~、朝か~今日はオルトロスを発見出来れば、良いんだけどなぁ~」
東より太陽が昇り始める時間には、この町のほとんどの人が起きている。
《カンカンカンカン》っと、鐘が鳴り響く。
セルーヌとマリアが、寝間着のままシュミの部屋に入ってくる。
「緊急事態みたいよ、急いで用意して!」
マリアが、部屋の窓の外を指を指しながら言う。
「結構な数の足音が聞こえるわ。」
セルーヌが、シュミの道衣をベッドに置きながら、早く支度をしてって感じで言う。
セルーヌとマリアは、すぐに自分たちの部屋に戻った。
(魔獣が出た時に、鳴らす鐘がなったのか~ぁ)頭がボーっとする。
道衣に着替えて、食堂に行くとリンクスとレカルドも降りて来ている。
「急いで、討伐するぞ。」
リンクスが、めっちゃ楽しそうに声をかけてきた。
「はい、っで父さんのPTメンバーは?」
「あぁ、あいつ等には4人で、最善を尽くせっと言ってある。俺とレカルドは、先に行ってるからな!」
めっちゃ張り切って、2人とも町の入り口の方に、走って行った。
セルーヌ達も降りて来た。
「急ぎますよ、各個撃破で討伐します!セルーヌは、私と後方より支援と攻撃を!」
マリアが、早口で言い皆頷いた、その時リンクスPTの他のメンバーも降りて来た。
「はっ!何慌ててるんだ?たかが山犬とモーモーなのに!」
リンクスPTメンバーの弓術士が、シュミ達を見ながら何か言ってる。
「まぁあれだ、シルバーには丁度いいんじゃないかな、リンクスさんもレカルドさんも、大げさすぎw」
リンクスPTメンバーの黒魔術師も何か言ってる。
ふと引っ張られる感じがして、振り向くとセルーヌが、道衣の端を持って引っ張ってる。
「大丈夫だよ。」
シュミは、セルーヌに優しく言うが、クズメンバーを殴りたかった。
「そうですか?では、ゴールドの皆様の実力を見させて頂けませんか?是非お手本にしたいので!」
マリアも温厚なのに、キレかかっている感じがした。
「そう、じゃぁ瞬きしないで、後方から見物でもしてなさい」
クズメンバーの白魔術師が、フンっといった感じで言い、町の入り口の方に4人共歩いて行った。
「ゴールドってクズばかりなのか?」
シュミは、首をかしげる
「いえ、恐らく誰からもPTの誘いが無かった者を、急遽カリヤ様がリンクス様とPTを組ませたのよ。」
セルーヌが、ため息をつき頭を振っている。
「魔神関係で、ギルドからのクエストが多く出されているのに、PTから溢れている時点で信用ゼロでしょ!」
ソーシャが、かなり顔を真っ赤にして怒っている、エリカはヤレヤレって感じのジェスチャーをしている。
「そんな事より、行きますわよ!」
マリアの言葉で、一斉に町の入り口に向かう。
入り口に着くと、山犬の群れが40匹程向かって来ている、その隣をモーモーが、20匹程確認できた。
リンクスとレカルドが、突っ込んで行く姿が見え、クズメンバーも隊列お構いなしに突っ込んで行く。
「さて、私達はキッチリ連携出来る範囲で、各々討伐してくださいね。」
マリアが、セルーヌと後衛の位置に付き、指示を出す。
「行くぞー!」・「おぉー!」っと
シュミが、走り出すとソーシャとエリカも、ワクワクした顔で突進する。
リンクス達は、山犬に突進したので、シュミ達はモーモーに行く。
モーモー相手なら、シュミ・ソーシャ・エリカは、当然一対一で倒せるので、次々倒してシュミは風包丁で、ある程度の大きさに切り、氷魔術で瞬間冷凍しながら、ポッケに収納していく。
エリカは盾で数発殴り失神させ、とどめは頭を片手剣で仕留める感じで、効率よく倒していく。
ソーシャも素早さを武器に、モーモーとすれ違う瞬間に、胴の下に滑り込みながら、腹を短剣に切り裂く。
腹を裂く事により、ホルモン・千枚・ハチの巣・ミノ等の内臓を無駄にしたと、後でシュミに怒られる事になるとは、夢にも思っていないソーシャ。
一方クズメンバーは、4人で1体の山犬を仕留めるのに、10分程かかる為山犬の標的になった。
リンクスとレカルドが間に入ったので、軽い負傷程度だった。
「お前たち、あっちのPTを見てみろ!あれが本当のPTだ。」
レカルドが、クズメンバーにシュミ達の方を見ろっと、戦いながら怒鳴っていた。
セルーヌは範囲火球魔術で、どんどん焼き払っていき、これもまたシュミから怒られる事になる、どうせなら山犬の方を焼き殺して欲しかったと……山犬は、食べれないからだ。
クズメンバーは、町の護衛兵の所まで下がり、治療を受けている。




