第45話 ソーシャとおばあ様の約束
馬車に乗り、シュミは情報を共有するために、皆に話をする。
「集落の少し奥に、拠点らしきものがあったから、殲滅しといた.....そしてあいつ等の種族名は、ギュスターヴというらしい、一番デカいのが自己紹介してくれた。」
「拠点を殲滅しといたって?何体居たのですか?」
マリアが、シュミとセルーヌを見ながら、ため息をつく
「数えては、いないけど.....う~ん、セルーヌがバンバン火球を打つから、何体とか分からないかな~?」
シュミは、セルーヌをちらっと見た。
「おそらく、16~18体だと思う、私が見た限りでは。」
セルーヌは思い出しながら、数をもう一度数えている。
「1体でも苦戦したのに、あなた達はどうかしてますね。」
ソーシャもため息をつく
おそらくギュスターヴを、1体倒す事が出来るのは、シルバーランクだと1PT必要かな。
ブロンズでも、2PT居れば恐らく倒せると思う。
そのくらい強い魔物だが、このPTのシュミとセルーヌは、普通より遥かに強い事になる。
ただ黒魔術は、中距離・遠距離型だ。
ハッキリ言って、馬鹿みたいに火力が強いが接近戦だと、普通の人位の強さしかない。
確実に、白魔術士より弱いだろう。
なので、接近戦ではセルーヌが一番弱いはずなのだが、このPTはシュミが護身術を教えてるので、おそらく強いと思う。
マリアは、ひょっとしたら殴り白魔術士になれるかもしれない位、護身術にハマっている。
コネリは、シュミに助けてもらったお礼を言い、エルエの道中お互いに色々話、気が合いマアシーの町に来たらシュミの家を提供すると約束した。
シュミとセルーヌが、御者台に座りシュミが手綱を操っている。
「セルーヌ?男言葉は、似あわない。可愛いのだから普通に喋ればよいのに。」
「そう?.....わかった、なるべく普通に話すよ。」
意外と素直なセルーヌをマリアは、後ろで微笑ましく思って見ている。
そしてエルエの町についた。
皆で、手分けして避難した女性と子供たちを探す、2時間ほど探しやっとコネリが探し出した。
皆と合流し、シュミ達と集落の話や、これからの事マアシーの町に移住し、シュミの家を提供してもらえる等の話をした。
そして、エルエの町付近を1週間程巡回したが、結局ギュスターヴの件以降、何も起こらなかった。
シュミ達とコネリ達で、別々の馬車に乗り、マアシーの町へと帰る事になった。
ソーシャがおばあ様に一連の報告を送り、マアシーの屋敷で報告を受けるとの返事が来たので、ウォックス領全てを回るはずが、一度戻る事に。
マアシーの町に着き次第、ソーシャは上級試験を受ける事を、おばあ様から命令を受けた。
おばあ様が、国王軍の兵&私兵を募る為に、国王に働きかけ昇級試験を、各都市で行う事になったからだ。
マアシーの町に着くと、昇級試験でお祭り騒ぎとなっていて、各貴族の領内で一番の主要都市と王都で開かれる。
昇級試験は、試合形式の為、観客も領内から集まり大賑わいになる。
ソーシャは、短剣術の試験の上級を取らなければ、おばあ様との約束を破る事になるので、かなり緊張しているみたいだった。
シュミは、短剣術は知らないが、接近戦での修練を積極的にソーシャと、試合前日まで取り組んだ。
通常の昇級は、同じ戦闘術同士で戦うのだが、今回は即戦力として使える兵が必要なので、他術試合形式になり、毎試合・試合内容が異なると応募用紙に書いてある。
ソーシャにとっては、好都合な試合形式なので、いくらか緊張がほぐれたみたいだ。
シュミやマリアやセルーヌと、代わる代わる模擬戦闘していたから、他術試合形式の方が戦いなれてるって、いうのもあるんだろう。
1試合目は、テニスコート1枚分位の中で行われ、それが6つ有り、6試合が同時に始まる。
ルールは簡単で、心臓の位置に鏡が固定して付けられ、それが割れるか気絶するか、戦意喪失かどれか一つ出来れば勝ち。
ソーシャの相手は、長刀術で一般的には相性が悪いが、冒険者は魔物との戦闘に、相性とか言ってられないので、対人戦の方が遥かに楽だ。
ソーシャの試合が始まる。
当然ソーシャの顔は、いつもより引き締まってる感じで、良い緊張感。
お互いに、中央に立ち握手を交わす、相手は人族(女性)・長刀・冒険者ランクブロンズ
「はじめ!」の声と共に、全力で相手の懐に入ろうとするが、相手も自分の間合いを保ち、後ろに下がる。
ソーシャの間合いは、片腕分なのでかなり狭い。
長刀の間合いは2m以上で、ソーシャは少し後ろに飛び相手の間合いの外に。
相手が間合いを詰めようと、前に来ても後ろに飛び詰めさせない。
何度もやっているうちに、相手もイラついて雑な踏み込みをし、ソーシャが後ろに飛ぶであろう距離分、必要以上に前に出る。
ソーシャは、その動きに合わせて前に出ると、あっという間にソーシャの間合いになり、簡単に相手の胸の鏡を短剣で割る。
「終了!」の審判の声がかかる。
「よし!まずは、一つ。」
小さなガッツポーズをする、ソーシャ。
相手と握手して、ウォックスの席にいる、シュミ達に笑顔を見せた。
2試合目は、対人ではなくモーゥとの戦いで、檻の中で戦う事になる。
檻は、縦横30mの正方形で作られている、本来は飼育用に使うモーゥの檻で、とても頑丈に出来ている。
モーゥを倒さなくても、制限時間戦えれば良いらしい、もちろん討伐しても良いが、お肉は領主が買い取るとの事だった。
シュミは、このお肉が試合後の宴会に振舞われると、噂に聞いてソーシャに必ず討伐せよ!っと命令した。
この試合ソーシャは、2分とかからずに、モーゥを討伐し難なくクリア。
意外とこの試合で、参加者の半数以上が脱落する。
制限時間が、50分と長くモーゥもそれなりに強い家畜だ、魔獣化【モーモー】するとオークより強い
(確かに牛と50分戦えってキツだろうねw)
3試合目対人戦・4試合目対人戦と、順調にソーシャは、勝ち続け準決勝まで進む。




