表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

42/98

第42話 早く・速く


半日かかる道のりを、いくら急いでもそんなに変わらないと、分かっていても、居ても立っても居られないシュミだった。

流石に知った顔が犠牲になるのは、シュミも気持ち良いものではない。


「ちょっと、シュミ?いくら急いでも、荷馬車が壊れては意味が無いであろう?」

セルーヌが、シュミをなだめる様に、言う。


「そうですよ、少し速度を落としてくださいよ、馬が疲れてしまいます。」

ソーシャもセルーヌと同じように、なだめようとする。


「あぁ、分かったよ。ただあいつ等は、この前やっとブロンズになったばかりなんだ。経験もあまりないブロンズだから、逃げる途中に村や集落に、危険を知らせてないだろう?」

少し手綱を緩めて、速度を落とした。


「確かに…ブロンズに昇級してばかりのPTは、死亡率が多いです、自分達が逃げるので、周辺の気配り等無理でしょうね。」

元ギルド職員のソーシャは、悲しい顔をした。


「今こんな報告は、シュミを焦らせる事になりますが、先程リザードマンって、言ってましたが、恐らくリザードマンより、凶暴な何かだと思います。複数の切り傷が有ったので、複数体居るリザードマンも何かしら、進化している可能性が、ありますね。」

マリアは、少し戸惑いながら、皆に報告する。


「はぁ~。」

シュミは、ため息を吐く。


「やっぱ、急ごう!馬には回復アイテムを使う、マリア馬に身体強化魔術ってかけれるか?」


「えぇ、恐らく可能だけど、ただかなり馬に負担がくると思うわ」

シュミは、マリアに尋ねる。


『ブースト』をマリアが唱えた、馬は速度を上げるが、かなりキツイ感じに見える。


(すまない。早く行きたいんだ、許してくれ。)

シュミは、心の中で呟く。


ブーストが切れる度に、回復薬を使い、更にブーストかけて、馬を奮い立たせる。


マリアも涙目になりながら、ブーストを唱える。


結果3時間程で、滝の近くに着いたが馬は倒れこみ、この先は徒歩で行くしかない。

馬車から降り、周りに集落など無いか注意しながら歩く。


焦げた臭いがし、嫌な予感がする… シュミが皆に、態勢を低くするよう、手で合図する。


シュミは、その臭いがする方に近づき、確認すると5軒程の、家が見えたが、リザードマンの姿は見えなかったので、皆で集落へ入る。


猫人族の集落だったらしく、男性の死体が4人とリザードマンらしき死体が2匹あった。

セルーヌは、女性の姿が無い事に不安なり、辺りを懸命に探している。


「手分けして、生存者がいるか探そう!マリアとソーシャは、集落を!セルーヌは俺と周りの茂みを探そう。」


少し離れた茂みで、セルーヌの耳がピクピクと、何かの音を拾った。

急いでシュミとセルーヌが、音のする方へ行くと、猫人族のまだ若い男性が倒れていた。


「大丈夫か?何が有った?」

シュミは、男性を抱きかかえ、セルーヌが回復薬を飲ませる。


「うぅぅ、リザードマンが来た……が…なんとか追い払ったよ。」

かなり傷が深い為、マリアを呼んで治療する。


「女性の姿が見当たらないが……どうした?」

セルーヌは、男性の呼吸が整うのを待って聞く。


「あぁ、冒険者らしき人が、森の中で襲われてる声が聞こえたので、すぐに女・子供は、馬車で逃がしたよ。恐らく、エリエの町に向かってるはずだ。」


「そうか。リザードマンが逃げたのは、どっちの方角だ?」

セルーヌは、一安心したが、リザードマンの行方も気になっていた。


「森の奥に行った様に見えた。」


「わかった!ありがとう。」

セルーヌの優しく微笑み、次の瞬間・顔つきが変わり、森の奥を睨んでいる。


「行くか?」

「そうね。」

シュミとセルーヌは、短く言葉を交わした。


「マリアとソーシャは馬車に戻り、馬が回復後この人を乗せ、エルエに向かってくれ、後で追いつく。」


「分かったは、ただ無理をしないでね。スクロールと回復薬を分けるわね。」

マリアからスクロールと回復薬を受け取った。


「あぁ、無理はしないさ。今度は、セルーヌをちゃんと守れる程度の余裕がなければ、撤退するさ。」


マリアは微笑み、マリアとソーシャは、男性に肩を貸し馬車の方へ行った。


シュミは、セルーヌを抱え森の奥へと、猛スピードで消えていく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ