第4話 異世界の生活始めたよ。①
家を見て気が落ち込む 航ことシュミッペ
(まぁ、若いかーちゃんが居るだけマシか)
と思いながらも、持ち前の能天気さで家に入る。
「シュミ、手を洗って家の手伝いお願いね♪」
ニコニコしながら、用事を頼むかーちゃん。
「あ。待って目をつむりなさい。」
かーちゃんが少し困った顔をして、シュミの鼻辺りに手をかざす。
(あれ?何だか温かい感じが…鼻が元に戻ってる⁉)
シュミは、一瞬驚いた顔しつつも、平静を保った顔に戻した
「はい、お終いお手伝いよろしくね」
と言いながら優しく微笑んでくれた
「はーい」と元気よく答えるシュミ
(あ、異世界だから魔法みたいなのがあるのか!すげ~よ!マジパネー)
など独り言を思いつつ薪割を始めた。
(でも、まだ苗字やかーちゃんの名前も呼び方も分からないな! 何か手紙とか来てたら、名前を見れば分かるのに〜!字が読めるか知らないけど(笑))
そんな事を考えながら いそいそと庭で薪を割る 空を見ると、西の方が段々紅く染まり始めた。
家の中から、良い匂いがしてきた。
(いい匂いだ、この世界の料理はどんな物だろう?)
リアル世界では、特技料理と言える位料理好きで、ある程度の料理なら食べた物の作り方が分かる位の味覚を持っていたのだが、この世界の野菜やお肉がどういったものか、かなり楽しみに薪割をする。
料理のことを考えている内に、辺りは暗くなり薪を持って家に入ると、知らない 男がテーブルの椅子に座っていた。
(誰だろう?普通に考えれば、とーちゃんか?)
かーちゃんは、いそいそと夕飯を作っている。
恐らくとーちゃんである人は、アワアワなエールを飲みながら、一息ついていた。
「おかえり〜」
シュミは、出来るだけ笑顔を作って見せた。
「ああ、ただいま 今日は機嫌が良いなぁシュミ」
片手にアワアワなエールを持ちながら、ニコニコ微笑んでいる。
シュミは、当たり障りない話をしながら、三人で夕食を囲んだ
そして毎日の様に、薪割や掃除洗濯物の手伝いをし平和な生活をしていた。
家族と色々話をしていく内に、色んな情報を手に入れる事が出来た。
まず名前は【シュミ・ティフォシ】が異世界の俺の名前
(最初に会ったおじちゃんが言ってた、シュミッペじゃなくて良かったよ〜。ッペって!)
父親【リンクス・ティフォシ】26歳人族 呼び方はとーちゃんではなく父さん。
職業は 狩猟・農家・魔物退治など 村の若い人はこの3つを交代にしている。
母親【ボラタ・ティフォシ】 25歳人族と猫人族のクォーターで、呼び方はかーさん
職業は 主婦業と簡単な治療魔術士そうだ!魔法使えちゃう‼もう体験済みだけど!
この世界には、一般的に7種族の人がいるそうで……俺って1/6猫じゃん!
今住んでるこの家は、アリシルス王国のヴァルソー領 ルルテポ村って所なんだって。
なんでも、ルルテポという名の野菜が名産だからみたい。リアルでは、ジャガイモっぽい感じ
毎日食卓に出るほどの安価で美味しい食べ物だ。