第39話 おばあ様の自己中
商人と冒険者達と一緒に王都へ向かう
王都へ向かう道は、魔獣以外に、冒険者崩れの盗賊等も出る。
シュミ達も、野宿はなるべく商人達と固まって夜を過ごすが、夜襲をかけてくる盗賊は ほぼ毎日出る
人間相手でも、情けをかけると殺される為、問答無用で殺すしかない。
護衛に雇われてる冒険者は、ブロンズランクが、ほとんどであり、盗賊相手なら心配ない位の腕前だが、
ミノタウロスとオルトロスの事件以降、魔獣が出る事が多くなり、治安が乱れてきている。
毎日の様に、王都付近まで魔獣と盗賊に、襲われ返り討ちの繰り返しだった。
王都の入り口では、商人の荷馬車の長蛇の列が並び 3日程入り口で野宿をする位混んでいる。
ソーシャは、貴族専用入り口に馬車を走らせ、国王の勅命で来た事を伝える、するとすんなり入れた。
国王軍の近衛兵が、先導し王城へ案内された。
王都の海沿いに、そびえ立つ大きなお城だ 遠くからは見た事あるが 近くで見ると凄まじさが伝わってくる。
難攻不落の城で、海側は断崖絶壁であり 、城に通じる道も一本しかない。
遠くから見ると海に浮いてる城に見える。
戦闘になった場合は、魔術により周りの景色や色と同化して、実際の城の大きさを、把握できない様になっている。
なのでこの城の名は、海の幻影と呼ばれている。
城の中に案内され、謁見の為に湯浴びをさせられ、謁見用の服に着替えさせられる。
女性は、女性用の部屋に通され、シュミはウォックス伯執務室に通される
そこには、豪華な椅子におばあ様が座っている。
「家出した孫が、まさか功績を立てて帰って来るとは、思いもしませんでしたよ。」
おばあ様が、少しにやけて嬉しそうに言う。
「たまたまですよ、おばあ様。死にそうになりましたし」
シュミもおばあ様に合わせて、話す。
「そりゃそうでしょう、オルトロスとミノタウロスを発見して、オルトロスと単独で戦うなんて 【馬鹿を通り越して、リンクス】と、でも言いましょうかね?」
ハハハっと笑っている。
おばあ様が笑う所なんて、初めて見た。
(馬鹿を通り越してリンクスって、アホの代名詞をおばあ様的に作ったんだろうなぁ~)
「早速、国王から謁見する様にと言われたみたいですね。ウォックスの名に恥じないよう、実りある報告を期待していますよ」
ニコニコして気持ち悪いおばあ様。
(折角の美人が台無しだw)
ウォックス家の紋章が付いた礼服に着替えさせられ、伯爵家のラペルピンを付け貴族専用の謁見控室に案内される。
セルーヌ達は、謁見用のシックなスーツに着替えさせられ、客人用謁見控室に通された。
「シュミは、何処に行ったのかしら?」
「私は少し不安になってきた。」
「大丈夫でしょう。お城で変な事には、なりませんよ。」
それぞれ控室で、緊張している
「マリア・ショーサス様・ソーシャ・オリバー様・セルーヌ・ジ・オリオン様では、お入りください。」
《ギィィィ》っと謁見の間の扉が、開いた。
「冒険者マリア・ショーサス様 セルーヌ・ジ・オリオン様 ギルド職員ソーシャ・オリバー様
オルトロスとミノタウロスの発見の報告を国王陛下・国家統治貴族にお願い致します。」
王都防衛副長官が、声を張って司会?をしてる。
3人は、肝心のシュミの姿が見えず少しオロオロしている。
王都防衛副長官は3人を見て、もう1人紹介してないのに気づく。
「あ。申し訳ありません。もう一方のご紹介を忘れていました。」
謁見の間の扉が開き、シュミのビシっとした姿が、現れる。
「シュミ・ウォックス・ティフォシ様」
「え?えぇぇぇ?」
3人が、一番驚いている。
シュミは、セルーヌ達の隣に並んだ。(めっちゃ3人から横目で見られている)
謁見の間の奥のドアが開き国王陛下が、入って来たのを見てすかさず、4人共跪いた。
「報告にあった者たちだな?では、聞こう」
陛下は、低い声で仰った。
「は!私は、メリビアギルド職員のソーシャ・オリバーと申します。謹んでご報告いたします。
私共は、メリビアにて、魔獣を捜索中に偶然、オルトロスとミノタウロスに遭遇し、退却中オルトロスと、戦闘に突入いたしました。
ウォックス殿が、しんがりを務めましたが、追いつかれウォックス殿が、単独でオルトロスと戦闘に突入し、我々3人を逃がす時間を、作ってくれました。
その後ウォックス殿が、瀕死状態まで戦い、ウォックス殿の護符が眩い光を放ち オルトロスを退かせました。以上でございます。」
ソーシャは、ビシっときまっていた!
「ほう?光とな?それは、どういったものなのだ?」
陛下は、ソーシャに尋ねると同時に。
「ゴホン!陛下これ以上は、国家の極秘案件に……」
おばあ様が、割って入る。
「そうか、分かった。ウォックス伯 後で説明してもらおう。」
「は!」
おばあ様は、短く答えた。
「では、そち達は下がれ、恩賞を貰い戦いに備えよ。では、卿達は軍事会議を開き早急に作戦を練るのだ」
「は!」
4人と王国統治貴族は、謁見の間から退室した。
謁見の間から、ウォックスの執務室隣の応接室に4人が通される。
「なぜ?ウォックス家と言わなかったのですか?」
マリアが言う
「あ~すまない。伯爵の孫って目で見られるのが、嫌いだったからだよ~。」
シュミは、頭を下げた。
「責めないでやってくれ、うちの孫は父親に似て、少し変わってるんだよ。」
おばあ様が、応接室に入って来た。すると3人が跪いた。
「よしてくれ。私には跪く事はないさ。孫の仲間なのだろう?この中からお嫁に来る子も、いるかもしれんしね~。」
おばあ様が冗談を3人に言う。
セルーヌが、赤面したのをおばあ様が、見逃さなかった。
「セルーヌと言ったね?ジ族の長老は、元気かい?」
「はい、恐らく元気だと思います。5年程里には帰っていませんので・・・。」
「そうかい。まぁ死んだって連絡が、私の方にも来ていないから、元気なんだろうね?」
少し会話が切れて おばあ様が、セルーヌを見て
「うちにも、そろそろ黒魔術の血が欲しいね~」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
セルーヌが顔を真っ赤にしている。
「お母様。困っているじゃないですか!」
かーさんも入って来た。
「伯爵様、実はセルーヌは、シュミさんに命を助けてもらってから、ゾッコンですのよ」
マリアが、おばあ様とかーさんに教えている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
赤面し続けてるセルーヌ
「まぁでは、頼もしい家族が増えますわね。」
かーさんは、セルーヌの頭を撫でている。
「私は、ジ族です…良いのでしょうか?」
少し涙目になりながら、かーさんにセルーヌが聞いている。
「そんなの気にしないわよ~ねぇ?お母様?」
「そうね~実際うちは、サポート職で そろそろ攻撃系の血筋も欲しいね~。」
「っでシュミは、どうなの?」
さっきまで、空気だった俺に かーさんが話を振って来た。
「あ。まぁ~とりあえずこれから、仲を深めていく感じで良いんじゃないかな?もしかして、先でセルーヌが、俺の事嫌いになるかもしれないし。」
(急展開すぎるだろう)
「そうね。まだ他にお嫁さんに来たい人も、増えるかもしれないし。」
セルーヌ以外の2人を見ながら、かーさんが言うが冗談には聞こえない。
(あれ?ここって一夫多妻?)
「えぇっと それでは。戦いが始まる前なので、そっちを優先に考えましょう?」
マリアもソーシャも自分に話が飛びそうなので、話題を変えた。
ソーシャは、必要以上に頷いた。




