第36話 王都からの呼び出し
シュミは、忙しそうにモーモーを解体し部位ごとに、ポッケに入れていく。
当然冒険者にも、高価なモーモーの肉を分け与え メリビアの冒険者の中では、憧れの人になりつつある。
「気前が良すぎますわ」
マリアが、ソーシャとセルーヌ三人で話している。
「冒険者にとっては、ありがたいでしょ?高価なお肉を分けて貰えれば、売って当面の活動資金になりますから」
ソーシャは、食べていけない冒険者を何人も知っている。冒険者を諦め 盗賊になって死罪になる者も少なくない。
「今日会ったばかりだが、あの人らしい感じがしますね」
セルーヌは、シュミが冒険者と談笑している姿を見ながら言う。
マリアは、ハッとした。時々セルーヌが、女性の話し方をする様になっているのに、気づいた。
セルーヌは、基本男言葉を使うのだが、シュミに会って死地を乗り越えた事が、大きいのであろう。
「ウフフッ」
マリアは、今のセルーヌを見て羨ましいく思う。辺りを見回しシュミを見つけた。
「さて、そろそろ行きますわよ!ティフォシさーん!」
シュミに向かって、手招きをマリアがする。
「了解~!」
冒険者と手を振って別れて、マリア達の所に行く。
「皆さんにお話があるので、一度ギルドに戻りましょう。」
ソーシャが、馬車を用意しそれに乗り込み、ギルドに向かう。
「さて、あれから何があったのですか?お2人に?」
マリアは、シュミとセルーヌに話を振る。
「あぁ~っと、ボコボコっとオルトロスと戦ってて、やられちゃった所をセルーヌが火球出して、セルーヌが食べられそうになったから、とっさに間に入ったら、ガブってなっちゃった?」
シュミが説明をしても、マリアは納得出来なかった。簡単に説明しすぎなシュミを横目で見て、セルーヌに説明してって感じで、目をやった。
「えーっと。そうだな。ティフォシが、私とオルトロスの間に、入って光に包まれオルトロスの顔の半分が消し飛んだぞ。そして、2人で逃げた。以上だ。」
ふ~んって感じで、シュミとセルーヌ交互に見るマリア
「ところで、お二人は今日会ったばかりですよね?いつ?どうして結婚の約束をしたのですか?私は見ていませんが?」
マリアが、まじまじと見ている。
「あ.....なんとなく あぁ言うとカッコイイかなっと。別にマリアさんでも、良かったのですがぁ.....」
マリアの目がセルーヌの方に向いている。…(マリアさんの顔が引きつっている?)
真横から..........殺気が漂って来る
「っと言うのは、冗談で.....セルーヌは、猫人族なので可愛いなっと思いまして.....」
シュミとマリアは、同時に額の汗を拭う格好をした。
(あぶない。あぶない。)マリアは、この会話はしない方が良いと思った。
「そ・そうですよね。セルーヌは、猫人族で可愛いから、頷けます。」
ソーシャが、慌てて話を合わす。がマリアから睨まれる。
「ッチ」
セルーヌが、聞こえないくらいの舌打ちをする。セルーヌは、だれが見ても本当に可愛いというか美人な猫人族だ。
「さて、これからギルドで、話す事は他言無用です。極秘なのでくれぐれも他の人に洩らさないで下さい。」
マリアが、強引に話を戻す。
皆が頷く。
シーンとした時間が流れ、ギルドに到着する。(息が詰まりそうだった。)
「では、会議室にお越しください。ギルドマスターもいらっしゃってます。」
ソーシャが、速足で歩きながら案内する。
《ガチャ》
「お待たせしました。マスター」
「おぉ、さっ皆さん座ってくれ。ティフォシ君以外は、知ってると思うがここのマスターをやってる
グリゾだ。ティフォシ君よろしく。」
シュミに向かって手を差し出している。
「よろしくお願いします。」
シュミは、しっかり握手する。
「では、王より謁見を許可すると来ている。皆は、今から王都へ行ってもらう。その前に、とりあえず報告を聞こう。」
(マジか、せっかくマアシーの町を出て、おばあ様の権力から逃げてきたのに、振り出しか~)
「っで、本当にオルトロスとミノタウロスだったのだな?」
グリゾは、念を押して聞く。
「えぇ。間違いなく予言書に出てくる魔物でした。」
マリアがマスターに、本物だと説明をする。
「あ、すみません。予言書とは?」
シュミは、そんな話を聞いた事が無い。
「なんと。ティフォシ君の父上からは、聞かされてないのか?」
グリゾは、少しビックリしていた。残り3人もウソ~っという表情してた。
「どこの家庭でも、15歳になると父親が子供に話すのが、一般的なのだが..........しょうがない、では簡単に説明しよう。」
「ゴホン、700年前全ての魔物・魔族を束ねる魔神が現れた。その魔神が現れる前兆として各国に、ミノタウロス・オルトロス・ケルベロス・イクチュオケンタウロス・スキュラ・カリュブディス・ラミア・サテュロス・キマイラ等が、出現し動物を魔獣に変え魔物の軍団を作り、人族を攻撃し世界の3割程、各人族種が殺され。その後 各国と全人族種で連合作り魔神軍に対抗した。
戦いには人族種が勝ったのだが、その時に人族種の人口は 更に5割弱まで減った。
勝てた要因は、まだ魔神が目覚めたばかりだった為、精霊魔術と聖霊魔術で魔神を仕留める事が出来たのだ。」
「ゴホン。簡単に言えば、こんな感じだ。それが予言書に書かれている。」
「なるほど、ヤバいですね..........」
(へっぽこ親父め!ちゃんと15歳になった時に、教えろよ!)
「では、王都へ向かってもらう。全冒険者ギルドマスターにも、声がかかっているから、わしも向かうが君達は 一足先に向かってくれ。」
「はい!」
ソーシャが、返事をし 皆を馬車に詰め込んだ。
「では、今日から皆さんは、正式なパーティーとして行動していただきます。後3名程足りませんが、王都に着き次第 募集をしたいと思います。パーティーの物資等の管理は、私が致します。戦闘時は、誰がリーダーになるか、そちらで話し合ってください。では、シュッパーツ!!」
ソーシャが、張り切っている。




