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第34話 俺ってチートじゃなかったの?



ソーシャは、慌てて自分の口を手で塞ぐが、双頭の犬の魔物オルトロスが、こちらを向いた。

3m程の巨大な犬のオルトロスが、声のしている方に歩き出す。


「ヤバイです。皆さん集まって下さい。魔術をかけますので、かかったら茂みの向こうまで走って下さい。」

マリアが、小さな声で集まった皆に、インビジブルをかける。


一斉に走り出し茂みの向こうへ移動する。魔力を感知したオルトロスが、先程までシュミ達が居た所まで、一足飛びで来て 辺りを見ている。


ミノタウロスは オルトロスが移動した事に全然興味がない様子で、モーゥを食べている。


(と…共喰いじゃね??でも、頭だけ牛だからどうなんだろう?)


シュミは、神話の中の怪物が すぐ傍にいる事に、若干テンションが上がっている。

航の頃は 神話・都市伝説・神社仏閣・城が好きで、その手の本を読み漁っていた。


マリアが、支持を出す。川沿いに行こうっと手で合図してる。


(あれ?インビジブルって同じ術者がかけた場合は、お互い見えるんだな~って当たり前か?)


皆頷き、移動再開する。川に沿って慎重に、移動している中セルーヌが、足を滑らせ声を出す。


「あ!っっ痛」

すると、インビジブルが解けて姿が露わになる。インビジブルは、声を出すと魔術が解けるらしい。


慌ててマリアが、魔術をかけ直しをしようと後方にいたセルーヌを見た瞬間に、腰を抜かした。


その様子を見て、セルーヌはゆっくりと自分の背後を振り返る。


「あわわわわぁ」

セルーヌの真後ろに、オルトロスが口を大きく開けて、セルーヌに向かって来る。


そこに、シュミが飛び出しオルトロスの左顔の鼻に踵落としをして、着地とほぼ同時に右顔の鼻に 右回し蹴りしその反動で同じ鼻に、左回し蹴りを瞬時に食らわす。


オルトロスは、突然の攻撃に怯んだが、あまりダメージを食らっては無い様だ。

シュミの全力の攻撃で、ダメージが通らない。


(すげぇなぁ。こんなの初めてw)

シュミは、こんな状況でも楽しんでいる。 後ろに居るセルーヌに、早く逃げろと合図する。


「あなたも、早く逃げて!」

マリアがセルーヌに手を貸し、起き上がらせて移動しながらシュミに言う。


「わかってる、生きて帰ったら 俺…セルーヌと結婚するんだぁ~w」

(えへ、フラグ立てちゃったわw)

笑いながらシュミは、オルトロスに向かっていく。


「な!何を言ってるんだ!ばっ馬鹿じゃないのか!」

セルーヌは、赤面しながらシュミの方に顔を向けながら、マリアと走っている。


「そんな事より、撤退してください!」

ソーシャは、マリア達に強い口調で言い放つ。


「ソーシャの言う通りに!早く町に逃げてくれ、時間は稼ぐから。」

先程の笑顔とはうって変わって、戦闘モードの顔になるシュミ


「さてと、本気を出すかな。」

シュミは気を纏い全力で、攻撃を仕掛ける。オルトロスは、四足歩行タイプなので足一本壊せれば

逃げる事は、可能なはずだ。


オルトロスは、シュミに向かって走り出した。シュミも迎え撃つ為に、前に出る。


オルトロス左前足の攻撃をかわしつつ、後ろ左足に右回し蹴り その場で回転し後ろ蹴り、更に回転し右回し蹴りをする。ほぼ同じ個所に蹴撃を加えダメージを蓄積させる作戦だ。


ポッケから、鱗のナックルを出しアキレス腱に向かって、フックの要領で身を切り裂くが、

オルトロスは、勢いよく飛び跳ね右前足で攻撃してくる。

シュミは、なんとかかわしオルトロスの後ろ左足を見る。


オルトロスの傷は、【ボコボコボコ】っとなって肉が再構築されていく。


「ック!自己再生能力か!」

(マジで、ヤバいな。本当にフラグになっちまう。)


「何か弱点は……あった眉間だ」

まずは、右の顔の方にチャクラムを投げるとオルトロスの右顔は、チャクラムに意識がいったのを確認し左の顔へ向かって、ジャンプする。オルトロスも口を開け牙で、攻撃を仕掛けてくる


シュミは、とっさにポッケから、スパイス系の調味料ありったけオルトロスの口に投げた。

流石に異物がいきなり入ってきたので、オルトロスは 口を閉じた。


その隙に、鼻筋に下り眉間めがけて、正拳突きを入れると左のオルトロスの顔は、ぐったりとなり気を失っている。


それに気づき、右の顔はシュミをかみ砕こうと向かってくる。左顔から素早く下りるが、オルトロスの右前足の攻撃に気づかず、シュミは攻撃を喰らい10m程吹っ飛んでいく。


《ガハ!ゲホゲホ!》口から大量に吐血する。


(あぁ~死んじゃうかな?これ?)

シュミは、グッタリしている所に オルトロスの追加攻撃が来る。その時、『剛球火烈弾』の声が聞こえ

オルトロスに、炎の弾が飛んで行った。


シュミは、横目で声の方に目をやると、セルーヌが1人で戻ってきている。


「あ。なんで戻ってきちゃうんだろう。守りきれないじゃん」

シュミは うつろな目をして、ボソッと言う。


オルトロスの顔に、少しの火傷を負わせたが すぐに再生していく。


セルーヌ目がけて、オルトロスが牙をむき迫っているが、セルーヌは動けない。魔術を打った後は、恐怖で硬直してしまっている。


「ク・クソが~~~~~~!」

全身の気を足に纏わせた。オルトロスは、セルーヌの体をかみ砕こうとする瞬間、シュミが間に割って入り 。


《グシュ》っと嫌な音がなった……


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