第3話 俺って転生しても貧乏って!
水路で、口をゆすぎ服を洗いある程度、血液も取れた。
「服に付いた血は、冷たい水だと取れやすいなぁ〜」と
独り言を言いながら、意外と転生した事に無頓着な航。
(あ、あの時『グチッ』って鳴ったのは、鼻が折れてたのか…触ると余計に痛くなるし、今は麻痺してるっぽいからほっとこう。)経験済みなので冷静沈着。
(さて、これからどうしたものか?適当に歩いてたら、誰か俺の事を知ってる人とすれ違うかな?)
こういう時は、航の能天気さが羨ましく思える。
とぼとぼ歩き続け1時間 、畑を耕している農夫を見つけ、とりあえず話をしようと農夫のもとへと走った。
(やった〜♪ 人を見つけた〜♪ どんだけ人居ないんだよ!)
農夫も、全力疾走でかけてくる航に気付いたが、尋常ではない足の速さに、若干驚いて引いていた様に見えた。
「なんとまぁ〜せわしいやつじゃの〜元気が有ってええの〜。」
っと農夫は、航に声をかけてきた。
(お!俺の事知ってるっぽい!ラッキー♪……さて……どうやって家の事、俺の事、etcを聞き出そうかな?)
「こんにちわ〜おじちゃん元気?質問なんだけど、俺の事知ってる?」とは、聞けないしなぁ〜?
(とりあえず、挨拶程度で話しかけて、様子を見るか…。)
「こんにちわ〜♪おじちゃん!」と明るく声をかけ満面な笑みを浮かべ挨拶をする。
「シュミッペ、何か悪い物でも食ったのか?」
引き気味、農夫の心無い返事が帰ってきた。
「いえ。………べ…べつに。」若干凹む航。
(シュミッペ?誰?…………俺?シュミッペって名前なの?何かダサ!)
「ほら、かーちゃんが庭先から手を振って呼んどるぞ!」
っと続け様に農夫が言ってきた。
(お?かーちゃん?)航は、農夫が手を振り返している方に振り向き かーちゃんらしき人を確認する。
(良かった〜♪あそこがマイホームで、あれがかーちゃんか〜若いな〜♪)
リアル世界の航より10歳若いかーちゃんを見つけ、陽気に走り出す。
だんだん家へと近づき、見えた物は……2階建てではあるが、ボロッボロのやっと建ってる感じの家だった。
(マジか〜転生した先が……ボンビーって……)