第2話 転生先って選べないの?
「ぐは!!!」
突然痛みが走る。(あぁ~足踏み外して頭打ったんだったなぁ)
「はふっ!」
更に痛みが…襲い掛かる。(ん?脇腹が痛いしあちこち痛い…なぜだ?)
目を開けると ぼやけて空が見える…視界が少し悪い…お腹の上が重い…
『グチッ』
グチッってなんだ?…息ができない…黒い影が視界に何度も見える。
目いっぱい開いてやっと状況を判断出来た。小さな男の子がお腹の上に乗ってるのが見える。
次々に痛みが追加されていく…(あ、マウント取られてるんだ…はぁ?子供に?)
(このままだとヤバいな、なんとか手は動く足も動くか、よし!)目の前に拳が迫ってくるのが見えた。
「クソが!」相手の真っすぐ来る拳に合わせて、自分の左手首を絡ませ相手を軽く引き
相手の体制が崩れた所で、すかさず横に転がり起き上がった。
「ふぅ~子供だから通用したけど……ん?」
(俺の手足みじか!!)
子供に見えた相手が起き上がり、自分より大きいのに気づく。
(あれ?俺って子供に戻ってる?)
航は、体の大きさに違和感を感じ、さわさわ触って気付いた。
ボーっと考え込んでいると、さっきのガキが思いっきり腕を振りかぶって※テレフォンパンチの格好をして、突っ込んできた。
「そんなの当たるかよ!」と航は叫び
ガキの腕が伸びきる瞬間に、ステップで脇腹に潜り込み みぞおちに拳を叩き込む。
「グヘ……」
ガキが倒れこみ、ググとかギギとか何か言いながら、もがいてる。
「とりあえずフィニッシュでも決めとくか~」
『ボコ!』
倒れこんでるガキの顔に一発殴ってきめてみた。
(俺が習っていた格闘技だとこれでやっと一本なんだよなぁ。実際だと意外と ざ ん こ く ♪)
ズタボロのまま家に帰ろうと、辺りを見渡すが今まで記憶に無い風景ばかりだ。
地元も田舎だが 、目にしている風景は、昭和何年?って感じの全然田舎だった。
田園が見渡す限り広がり、水路が幾つも通ってのどかな場所だった。
「何処よ ここ?」疑問に思いながらも。
(とりあえず宛もないまま、歩くしかないか。もしかしたら何か標識が有るかもしれない。)
身体のあちこち痛いし、足と肋辺りが軋む様に痛い
服は、ホコリや血液が付いてて、ボロボロで、口の中は切れて血で鉄の味しかしない。
どうしようかと周りを見ると、綺麗な水路が有り山の方から
流れて来ている。
(かなり出血して、口も服も汚れてるから、水路で洗うか。)
水面に写った顔を見て、違和感を感じ何度見もする。
そこには、小学低学年位の少年の姿が映し出されていた。
「やっぱり俺だよなぁ〜、幼顔って事は、これって異世界転移じゃね?アニメや漫画で、よくあるやつだよね〜 マジか〜」
思いっきり内心を口に出している事を 自分で気付いていない航だった。
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※テレフォンパンチとは?(説明しよーっぅ!)
素人や子供がよくする格好 思いっきり拳を耳の辺りまで、振りかぶって今から右拳で殴りに行きますよ〜って
教えてくれる殴り方。え?知ってるって?