第14話 万能な本
~~~~~~~~~~~~~~~~ハボックの店にて~~~~~~~~~~~~~
シュミは、一人店に取り残されて。少し不安になっていた。
ソワソワと落ち着かない様子で、窓の外や店内の商品を見てまわった。
(ちょっとやり過ぎたかな? いやそんな事は無いよな……本当のシュミは、俺と入れ替わったって事は
実際だったらあの時に死んでいるわけで、決してやりすぎではないはずだ。)
ハボックに本当の事を話そうか迷っていた。異世界者である事を………
だが話をしても受け入れてくれるかわからない以上、黙って方が良いのかもしれない。
(とりあえず、その時に考えればいいか…。)
あれから2時間程経った、シュミは通りの奥にハボックの姿を見つけた。
村の行きかう人は、皆ハボックに挨拶をしている。誰にでも優しいのだろう。
立ち止まっては軽い会話をしているのがわかる。
「ほっほっほ~、今帰ったぞい!」
明るい声でハボックは、ドアを開けた。
「お帰りなさい。どうでした?」
少し元気がない声でシュミは、ハボックに言った。
「心配無用じゃ!あまり気にせんでよいぞ!あの小童がそもそもの原因じゃからの~良い薬になったじゃろ。もしこの先この件で色々言って来るようなら、ワシに言ってくれれば良いからの。」
シュミの元気のなさを察してハボックは、優しく語りかける。
「はい、分かりました。ありがとうございました。」
シュミは、頭を深く下げた。
「さて今日はあまり時間が無くなったが、まずはこの本を読む事から始めたほうが良さそうじゃな。」
シュミにかなり分厚い本を手渡した。
「これは、何の本なのですか?」
シュミは 本の表面をまじまじ見たが 何も題名が書いていない本を見つめていた。
「ワシが、自分なりに研究してきたスキルの本じゃ。今ワシが持っておるスキルは殆どが、ワシ独りで開発したスキルじゃからの~」
髭を触りながら、ニコニコとしてシュミを語りかけている。
「え?……マジですか?……」
シュミは驚いて一瞬固まった。
「マジじゃよ!オオマジじゃw その本の中は、スキルがどういう仕組みで出来ているか・どういう思考・原理・結果でスキルが生じるか等を記してあるんじゃよ。」
「シュミ太郎は、恐らく魔術の才能は ないかもしれんが、物を作ったりする事には、才能があるっぽいからの~錬金術や生産術は、アイデアとひらめきじゃから、得意じゃろ?」
ハボックは、ニコニコしながら ちょっと首をかしげてみせ。
「まぁボチボチやれば、すぐに覚えるじゃろ」
髭を触りながらほっほっほ~と言っている。
「はい、頑張ります。物を作ったり想像するのは、得意ですから」
(確かに料理の時は 調味料など完成した時の味を想像しながら、入れるしなぁ~)
シュミは 少し納得しながらハボックの話に、頷きながら返事を返した。
「その本を読んで考えがまとまったら、ここの作業部屋と材料を好きに使って 自分に必要な物を作れば良いからのぉ。ワシは少しの間王都に行く用事があるから、鍵を渡しておく。」
シュミに鍵を差し出した。
「え?分からない時は……どうすればよいのですか?」
シュミは、鍵を受け取りながら不安そうに尋ねた。
「ほっほっほ~、あがいてみるとえぇ 」
っと言いその次の日に、王都に行ってしまった。




