第13話 シスターセリンヌの優しさ
………………………教会では……………………
ヤツの連れAとBが、ヤツを抱えて教会のドアを叩く
『ドンドン』
「誰かいませんか〜助けて下さい!」
ゼェゼェと息を切らして、ヤツの連れAが叫ぶ。
「どうされましたか?」
っとシスターセリンヌが、駆け寄ってきた。
「わぁっ!ど…どうしたのですか?」
セリンヌは、ヤツの顔の状態を見て驚いた。だがすぐに我に返り動き出す。
「そこに寝かせてください。すぐに治療始めますので、奥に行って他のシスターを呼んで来て下さい!」
セリンヌは、Bにそう言うと礼拝用の机に白い布を敷き、ヤツをそこに寝かせた。
手をかざし詠唱を始めた。
[この者を癒したまえ、ヒール]
徐々に表面上の傷は癒えてきたが、上手くヒールが効かない。何故なら骨が粉砕しているからだ。
白魔術下級では、粉砕骨折の治療は難しいのだ。
なぜ装備を身に着けて、粉砕骨折になるのか不思議に思いつつも、治療している。
なぜなら村周辺には、力が強い魔物はいないのだ。
そしてもう1人のシスターでは……なく、ボラタが駆け寄ってきたのだ。
ボラタは、メリルさんの産後の経過と双子の赤ちゃんの様子を見に来てたのだ。
「この子は……マイヤー家のウィル君ですね……」
ボラタが、少し暗い顔をした。
セリンヌが、ハッとした表情でボラタを見る……
マイヤー家の人は、獣人嫌いで有名というか他種族が嫌いな一族で、人族至上主義なのだ。
「セリンヌ…治療は、貴女が行った事にしてくださいね。」
とポツリと言い、セリンヌも無言で頷く。ボラタは両手をウィルにかざして一瞬で治療してしまった
「フゥ~」っと一息ついて すぐに、メリルの部屋へと小走りに向かった。
その時不意に教会のドアが開いた。
「怪我人はどこじゃ?」
っとハボックがドアから現れた。
「うむ?もう完治しとるではないか。」
机に寝かされているウィルをマジマジと、見ている。
「はい、ハボック様。実は……ボルタ様が治療をなさってくださいました。」
ハボックを見上げて。セリンヌは事情を話した。
「なるほどの~ セリンヌ…ヌシには、ちと荷が重かろう。ワシが治療した事にした方が良いのではないか?」
セリンヌの力では、この治療を到底出来ない事をセリンヌが一番知っている。
(万が一私が治療したという、話が広がると疑われてしまう……教会へ運ばれてくる所を見ている人がいるだろうから……ボラタ様を守らなければ……)
セリンヌは、ハボックの意見に頷く。
マイヤー家は領主の遠い親戚で有り、ルルポテ村ではそこそこ発言権をもっているのだ。
他種族に助けてもらったと分かれば面倒な事になるのは目に見えている。
助けてもらった事は棚に上げて、色々言ってくるに違いない。
ここは、村でも信頼が厚いハボックに任せるのが一番なのだ。
「では、ワシがこの小童達を家までおくってくるわい。少し説教もあるからの~。」
ウィルを抱え教会の外へと歩き始める。
「小童ども行くぞ」
ウィルの連れもハボックの後ろを歩き教会を出た。
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人物紹介
ハボック 髪色 白髪 瞳色 黒色 身長168 人族 見た目 お爺ちゃん 仙人
錬金術師としてルルテポ村で店をしている。回復魔法や錬金術等その他のスキルを幾つも保有してそう。リンクスが冒険者の時代から知り合い。気の良い爺さんと村の中でも有名。
リンクスの冒険にも付いて行った事が有るらしい。何故か昔からボラタとも知り合い。




