第1話 大味付けな転移者
第1話 大味付けな転生者
俺の名は、小坂井 航 (こさかい わたる) 35歳
中学~高校の間、少林拳と総合格闘技を習い、料理好き。後々は、某映画の様な闘えるコックさんになるつもりが、なかなか上手く世の中はいかないもので、普通のお弁当屋の店長止まり(笑)
飲食店は、よくブラック企業が多いと言われるが 、ウチの会社は、漆黒企業!毎日が花の15時間労働。 家には寝る為に帰るみたいな感じ!
たまの休みは、アニメやオンラインゲームに時間を費やす
、そこらに居るグダグダな生活を送っているオッサンと変わらない。
いつもの様に、車で通勤 海辺を走る。
フェリーが行き来する海は、何となく黒く見える。
俺の地元は新鮮な魚が有名で、お寿司のネタが大きく観光客が多い。勿論海は綺麗で、青く太平洋に繋がっている。
「あ〜綺麗な海が見たいなぁ〜、地元に帰るかな〜」
店舗までは、車で45分程度の道のり。
(そろそろ会社に着いてしまう、今日も地獄の時間の始まりか……)
足が重く感じながらも、会社の入口に入る。
そんな会社でも朝の短い時間は、楽しいのだ!
「おはようございます。」
朝は陽気なおばさんと2人きり
「おはようございます。わたるちゃん」
朝から元気な声で、返事をしてくる
このおばちゃんが、居なかったら仕事がつまらなく思う位、とっても面白く陽気なおばちゃん。
いつも たわいも無い話で盛り上がり、2人でゲラゲラ笑う。昼前には、数人が出社してお店の雰囲気も変わる。
ウチの会社のお弁当は、ご飯がとても多い事でそこそこ有名で、1時間待ちとかでも平気でお客さんは注文してくる。
ちなみに、おかずは普通より不味い(笑)
いや、1時間待ちって、そんだけ待つなら、ほっと〇っとに行った方が良くないか?と内心思う(笑)
昼と夜19時から、猛烈に忙しくなりパートさんもテンパる位忙しくなる、俺は揚げ物、炒め物等の担当。
予想以上に、味付けした唐揚げの在庫が無くなり始め、冷凍庫に鶏モモ肉の冷凍を取りに行く。
「はぁ〜お客さんも、よく飽きないで毎日ほぼ同じ、お弁当買いに来るなぁ〜味覚大丈夫か?」
冷蔵庫内で、ブツブツ言いながら庫内から、36キロの鶏モモ肉を持って出る……ハァ…
「あ!」
冷蔵庫の入口の段差に、足を取られ足を滑らせ、鶏モモ肉と俺が宙を舞う
思いっきり後頭部を段差の角にぶつけ、意識が遠く…遠く……なる…………。