第一話 ”目覚め”
ドゴォォンン
天空から降ってきたと思われるもので海に大きな水しぶきが上がる。
「なんだ、なんだ!」
木舟に乗って釣りをしていた一人の男が困惑しながら、大きな音のほうを向いた。
そこには17歳ほどに見える紫の和服を着た、少女が浮かんでいた。
「おい!大丈夫か?」
男は急いで少女のもとへ漕いで、すぐに少女の身体を引き上げた
「なんで空から.....呼吸はしっかりしてるが、顔色が悪いな
とりあえず村長の家に連れて行こう。」
男は少女の容態を確認した後、少女を連れ帰ることにしたようだった。
「ん......ここは....」
少女が目を開くと知らない木造の天井が見えた。どうやら自分は布団で寝ていたようだった。
少し身体を起して、周りを見渡すと、どうやらここのつくりは和室で、縁側のほうを見ると
小さな池があった。とても綺麗なつくりだ。
ガラガラガラ
音をしたほうを見ると一人の男が驚いたような顔をして立っていた。
「おぉ、やっと起きたのか、お前さん体調は大丈夫か?二週間も寝ていたんだ。」
どうやら男は私を心配しているらしい、正直身体が思うように動かない、いつもなら
すぐに刀をいつでも抜かせるようにしているのだが、どうやら今はできないようだ。
「あなたはどうして私がここにいるのか知っているか? 私は何も分からなくて、
刀を振れる事は覚えているのだが、どうしてそうなのか、私は誰なのか
忘れてしまった。」
そういえば、なぜ刀を抜こうとしていたのだろう?
少女は疑問を浮かべながら、刀をジッと見つめた...しかし、あると思っていた刀はがどこにも見当たらない
「そりゃ大変だな、名前も覚えていないのか.....困ったな、とりあえず村長と医者を連れてくるよそれまで安静にしててくれ」
男の言葉を素直に聞き入れることにした。どうにも倦怠感が抜けない、頭がぼーっとするし、なんなら頭痛がする。
自分が何者か、わからない以上私は記憶喪失なのだろう。
そう考えているうちにふすまの奥からドタドタと音が聞こえた。
そしてふすまが開くと一人の村長らしき女と医者らしき男、そしてさっきの男が私を心配そうに見ていた。
「やっとお目覚めになられたのですね、あなた、海で漂っているところを村田さんが拾い上げてくれたのですよ、なぜ、あのような場所にいたのかお教えしてもらえませんか?」
「そうだな、えーーっと うっ...いっ....」
思い出そうとすると頭痛がひどくなったどうやら相当深傷を負ってしまったらしい
身体が重く、動き辛い
「すまない、私は記憶を失っているようでな、だが、少しだけわかることがある、
私は刀を振ることができるそして私は強い、それだけだ」
私の言葉を聞くと彼女は嬉しそうに答えた
「私の名前は柊 沙羅 主にこの村を管理しています。もしよければ、記憶が戻るまで
この村で剣を村の人たちに教えていただけませんか?
最近は魔物たちが活発に動いていて村では魔物による農作物の被害が増え、それに対抗しうる力が村の人たちにはありません。お願いできないでしょうか」
「願ってもないことだな、私で良ければぜひ手伝わせてほしい。きっとあなたたちの力になることを約束しよう。それと、良ければ私に名前をつけてもらえないか?」
ぐぅ〜〜〜
自分のお腹からとは思えないほど大きな音が鳴った
「ふふ、とりあえずご飯を作りましょうか、私もお腹が空きましたし、名前は食べながら考えましょう。」
これから彼女はどうなっていくのでしょうか
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