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魔女フィリマ、新天地でスローライフを目指す(※相棒はとりとねこのぬいぐるみ)。  作者: やまだのぼる@アルマーク4巻9/25発売!


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49 私のせい?

 

 ……おかしいな。

 なぜか、迷ってしまった。

 エルシアの言うとおりに廊下を曲がったはずなのに。

 どう歩いても、元の客室にたどり着かない。

 まさか、エルシアが私にうそを……?

「ちがうちがう」

 私の後ろを歩くとりが言った。

「フィリマが道を間違えただけだぞ」

「ちょっと。勝手に人の心読まないで」

「最初の角を曲がったのが、そもそもおかしいんだ」

 とりは、やれやれと手羽を振る。

「エルシアは二つ目の角って言ったじゃないか。それなのに、フィリマは最初の角を曲がったんだ」

「えー、そうだっけ……」

 エルシア、そんなこと言ったかなあ。

「あんまり堂々と曲がるから、こっちに何かあるのかと思ってぼくらも止めそこねちゃったよねー」

 とねこ。

「いや、だって間違ったと思ってないし……」

「正解は二つ目の角だったんだから、間違ってるだろ」

「そうだそうだ」

 えー。

「いや、そんなことをいくら言っても水掛け論でしょ」

 私ととりと、どちらが正しいのかはもう永久に分からない。

 だって、エルシアが何て言ったのか再現できるわけじゃないしね。

「とにかく、大事なのはこれからどうリカバリーするかでしょ」

「フィリマにしては正しいことを言う」

 とりがふこりと頷く。意外と素直だから、やっぱり本当は自分が間違ってると思ってるのかも。

「ちょうど前から誰か来るから、あの人に聞いてみようじゃないか」

 とりが手羽を上げて、廊下の先を指す。

 確かに、男の人がひとり、こっちに向かって歩いてくる。

 助かった。

「あのー、すみません」

 知らない人に声をかけるのが苦手な私だけど、今はそんなことを言ってる場合じゃない。

「ちょっとお伺いしたいんですが」

「……はい?」

 その人は、暗かった。

 なんというか、表情がすごく暗い。

「私たち、九号客室っていうところに行きたいんですけど、お屋敷が広いものだから迷ってしまって」

「広いせいじゃないだろ」

「ねー」

 とりとねこがひそひそ言っている。あー、うるさい。

「ああ……そうですか」

 男の人は暗い顔で頷いた。

「こちらです……案内しましょう」

 よかった。

「ありがとうございます!」

 私は、男の人について歩き出した。後ろからとりとねこもふこふことついてくる。

 男の人の後ろ姿に、何となく見覚えがあって。

「……あのー、どこかでお会いしましたっけ」

「え……私とですか……?」

 男の人は振り向きもしないで言う。

「さあ……どうでしょう……」

 うーん。どこかで会った気もするんだけどなあ。

 男の人はそれ以上何も言わずに、すたすたと歩く。

 私も何となく話すこともないので、黙ってついていく。

 とりとねこはその後ろから、「きーん! Bダッシュ!」「Aでジャンプ!」とか言って飛んだり跳ねたりしながらついてくる。

 うるさいなあ。

 そして。

「……ここです」

 前を歩く男の人が、廊下の角を曲がった。

 それに続いて私も曲がると……


 男の人が、消えていた。



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― 新着の感想 ―
そうそう、堂々と歩いていく人にカルガモの雛していると実は方向音痴で迷ってる、ってことありますよね!
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