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第153話 ステラムジカ⑮

 目に映るのは地面。

 豪華な赤い絨毯が敷かれている。

 

 よく見る金色の刺繍の入った絨毯だ。

 高価な絨毯は何でこういう似通ったデザインになるんだろう。

 もっと色んなデザインがあってもいいのに。


 それとも私が知らないだけで世界には動物柄のかわいい豪華な絨毯とか、幾何学模様が入った豪華な絨毯とかがあるんだろうか。


 ボンヤリと頭に浮かんだのはそんなどうでもいい事だった。

 

 何だっけ。

 私はいま何をしていたんだっけ。

 どうしてこんな所に寝転がっているんだろう。


 お母さんが買ってきた新しい絨毯に浮かれて寝転んだんだっけ。

 お父さんに連れられてどこかのテーマパークにでも来たんだっけ。

 それともほのかと一緒に……。


 ほのか。

 

 すぐに頭が覚醒した。

 今は戦いの真っ最中で、妹に地面に叩きつけられてダウンしているんだと思い出した。

 

 妹の方を見ている暇なんかない。


「鷲羽さん!」


 反射的に鷲羽さんを加速させてその場から離脱した。

 咄嗟の加速だったので移動した先で受け身を取れずに地面を転がる。


 直後にズドンと凄まじい音が響いて、今までいた場所に銀色のハンマーが叩きつけられているのが見えた。


「あー! 何で逃げるのかな!」


 ゾッとした。

 逃げるのが一瞬でも遅かったら確実に鷲羽さんはペシャンコにされていた。


「お姉ちゃんさあ。もう観念しなよ」

「か、観念なんかしないよ!」

「そのアウローラとか言うのも通用しなかったよ? もう次の手は無いでしょ?」


 そうだ。

 一瞬の出来事で忘れていたけどアウローラの加速で突っ込んだのに叩き落とされたんだった。


 こっちは速度に特化した鷲羽さんを更に命懸けで強化しているのに、カペラさんはそれよりも速く動けるなんて。

 あの能力はズルすぎる。


「それとも色んな動きを併用して頑張ってみる? でもだいたい覚えちゃったよ」

「へへっ……まだまだ奥の手があるんだからね」

「その引き笑い」

「え?」

「お姉ちゃんがその引き笑いをしたら余裕が無い証拠だね。気づいてないかもしれないけど私に負ける時はいつもその乾いた笑いをしてるよ」


 私、そんな癖があったんだ。

 完全に負けが決まるまでは諦めるなってお父さんに言われてるから、ピンチになった時に自分を奮い立たせるつもりで無意識に笑っていたんだ。

 それが出ちゃうくらいの状況なのか。


「いい感じに追い詰められてきたね。もうそろそろ終わりかな。負けたら泣いていいからね。私のお膝でたくさん泣いていいよ。優しく頭を撫でてあげる」

「ちょっと! 私ほのかに負けて泣いたことなんてないからね!?」

「じゃあ初めて泣くかもしれないね。ああ、楽しみだなあ」

  

 ほのかがそんな言葉を口にするとまたカペラさんの体が醜く膨らんだ。


 こんなでもほのかにとっては愛なんだ。

 私に対する歪んだ愛情なんだ。


「鷲羽さん。正直に答えてくれると嬉しい」

『……うん』

「例えば鷲羽さんのHP……じゃ分からないか。元々の耐久力を100とした場合、今は残りどれ位?」

『30か……よくて40弱くらい』

「だよね。アニマの残りは?」

『……3万切ってる』

「分かった」


 それが鷲羽さんに残されたリソース。

 そして私にはもう一つリソースがある。


「ミラのファブリチウスは別計算なんだよね?」

『うん。私の砲撃は鷲羽さんのアニマを使ってるわけじゃないからまだまだ全然撃てるよ』


 ミラはミラで自分のアニマを使ってファブリチウスを撃っているらしい。


 鷲羽さんの残りのリソース。

 そしてミラのリソース。

 これを駆使してほのかを倒さなくてはいけない。


 正直、どこかで逆転の一手を打たない限りは勝ち目が無さそうだ。

 

『そろそろアウローラの維持もキツくなってきたわ』

「血液だけじゃ足りないか。私の寿命を使うとかできないのかな?」

『それは無理よ。そもそも血液を使うのだって普通の方法じゃないんだから。と言うか、命を使うなんて絶対にやめて』


 でもこのまま負けるくらいなら……と口に出しかけてやめた。

 戦いの前にミラと約束したんだった。

 絶対に生きて帰るって。

 ここで命を消費するのはその約束に反する事になる。


『未明子……』

「ごめんミラ。ちょっと軽率だった」


 命を消費して戦おうとする前にもっと頭を使え。

 思考停止で短絡的な方法に逃げようとするな。

 考えろ。

 どんな時だって考えなければ何も掴めない。


 自分に残された手札を。

 相手の能力を。

 今の状況で出来る事を考えるんだ。


 ……待てよ。


 ……命を消費する……。


 その言葉を頭の中で反芻した時、私の中に一筋の光が見えた。


 本当にか細い。

 (すが)るにはとても頼りない小さな光だった。


「……」

『未明子? どうしたの?』

『しっ。待って鷲羽さん。何か未明子から悪巧みのニオイがする』

『どんなニオイよ!?』

『未明子、もしかして何かアイデアが閃いた?』

「……うん。閃いた。でも……」

『でも?』

「多分二人に怒られる」

『……怒らないから話して欲しいな』

『私も、自信はないけど頑張って聞くわ』

「ありがとう。あのね……」


 私がいま思いついた事を二人に伝えた。

 これはミラに悪巧みと言われても仕方がない突飛な作戦だ。

 でもきっと二人なら受け入れてくれる。


『それはダメだよ!』

『そうよ! そんなのリスクが高すぎるわ!』

「あれぇ……」


 受け入れてもらえなかった。


『あまりに賭けの要素が強いよ!』

『それに相手の能力を完璧に把握しているわけじゃないでしょ? もし何か私達の知らない制約があったら終わりなのよ?』

「それはそうなんだけど……でもこれなら逆転が可能だと思うんだ」

『ダメー! 鷲羽さんももっと言ってあげて!』

『お願い未明子。我が身かわいさに言っているのではないの。そんなうまくいっても何か後遺症が残るかもしれない方法を取らせたくないの』

「でもこのままだと私は鷲羽さんを失うかもしれない。それに変身が解けたらファブリチウスがミラだってバレてミラも酷い目に合わされるかもしれない。そんな現実に比べたら私に何か ”あるかもしれない” くらい何て事はないよ」

『だけど……!』

「私は信じてる。絶対にうまく行くよ」

『……それでも……』


 二人が引き止めたくなる気持ちは分かる。

 きっとそうなるだろうという仮定の元の作戦だからだ。

 でも私はこのチャンスに賭けるしか無いと思っていた。


 多分このまま戦い続けてもほのかには勝てない。

 鷲羽さんの変身が解けるまでイジメ続けられて、最後には殺される。 

 そんな悲惨な光景を見せられるくらいならやれる事を全力でやった方がいい。


「じゃあこうしよう。うまくいったら私は一ヶ月間、二人の言う事を何でも聞くよ」

『え。突然どうしたの?』

『未明子、それ詳しく!』

「この戦いが終わって落ち着いたら私は二人の命令を何でも聞いてあげる。欲しい物があるなら何でも買うし、出かけたいならどこにでも行く。もし私に着せたい服があるならどんなのでも着る。何でも命令し放題だよ」

『どうしてここで未明子の方が譲歩するのよ。私達が未明子にお願いして別の方法を考える立場でしょ?』

『ちょっと黙ってて鷲羽さん! 何でも着てくれるって言うのは、私が少しずつ準備してきた未明子お着替えシリーズを大解放してもいいって事だよね?』

『何でそんなの準備してるの!?』

「うん着る着る。それに何だったらお正月の巫女服も借りてくるよ」

『やりましょう鷲羽さん。この作戦、きっとうまくいくわ!』

『折れないでよ! 何で未明子が絡むとそんなに現金な性格になるの!?』

『欲望の解放の仕方がうまいと言って欲しいな。動くべき時に動かないと後悔するのは鷲羽さんも知ってるでしょ?』

『そ、そうだけど……』


 よしよし。

 鷲羽さんがこのモードになったら押し切れそうだ。

 ミラがこちらについてくれたのが心強い。


「ねえ、お姉ちゃん。もしかしてまたイチャついてない?」


 しまったほのかにバレた。


 今度は話し合ってるのが分からないように、ずっと地面を這いずって絶望感を演出してたのに。


 いやそもそも別にイチャついてない。

 作戦会議してただけだ。


「ハァ……やっぱりあいるさんとお喋りできるのが良くないんだ。私がどれだけ追い詰めてもお姉ちゃん可愛い女の子とお話すると元気になっちゃうもんね」

「ま、待ってほのか。私そんな単純なメンタルしてない……」

「あったまくるなあ」


 バキバキバキ、という聞き慣れない音が聖堂中に響き渡った。

 それは何かが引き裂かれる音に聞こえた。


 まさか戦闘に耐えきれなくなった天井が剥がれてきたのでは、と見上げるも特に異常はない。

 もしくは壁が崩壊したのかと周りを見渡しても特に変化はない。


 変化があったのはカペラさんだった。

 カペラさんのお腹に大きな亀裂が入っていたのだ。


 体がそこから半分に割れてしまいそうな程の大きな亀裂を見て、能力の影響でカペラさんの体に無理が出てきたんだと思った。


「ほのか! カペラさんの体が崩れて来てるよ!」

「安心してお姉ちゃん。カペラさんも意思の強いお姉さんだから。私の意思による変形くらい何てことないよ」


 亀裂部分からもう一度大きな音が鳴った。

 耳障りの悪い音と共にその亀裂が上下に広がる。


 それは口だった。


 腹部が裂けて巨大な口が現れたのだ。 

 ワニみたいな大きな口の中に無数の鋭い牙が生えているのが見えた。


 崩壊してるんじゃない。

 より妹の意思を具現化しているんだ。


「あはっ。とうとう怪獣みたいになっちゃった」

「怪獣と言うには少しグロテスクじゃないかな……」

「どうお姉ちゃん。ラスボスっぽい?」

「お姉ちゃん的には綺麗なカペラさんのまま戦いたかったよ」

「やっぱり見た目は大事だね。この姿になってようやく私のお姉ちゃんへの想いの強さが伝わったでしょ? 私がどれだけ口で言ってもほんの少しも伝わらなかった想いが、目で見て分かるでしょ?」

「うん。凄く伝わった。怖いほどに」

「もっともっと。もーっと私はお姉ちゃんのことが、大好きなんだよ!」


 急にカペラさんの姿がその場から消えた。


 聖堂を埋めつくさんばかりだった巨大な物体が、一瞬にして視界から消えたのだ。


「また時間遡行!?」

『違う未明子! 避けて!』


 それも一瞬の出来事だった。

 脳で理解する前に後方に加速してその場を移動する。

 

 次の瞬間、もの凄い勢いでカペラさんが落下してきた。


「うわわわわわわわッ!」


 突然目の前に現れた異形の姿に慌ててしまった。

 驚いた分も合わせて、さらに後方に加速して十分な距離を取った。


「あ、あんな大きな体で飛んできたの!?」

『正確には壁を蹴って横から突っ込んできたわ』

「三角飛び!? 動きが速くて見えないよ!」

 

 壁を蹴っている瞬間どころか最初の跳躍からしてもう見えなかった。

 能力でパワーとスピードが上がるって、そこまで上がるものなのか。


『止まっちゃダメ。動き回りましょう!』

「分かった!」


 確かにあんなに速いんじゃ、止まっていたらいい的だ。


 アウローラ状態の加速で聖堂中を飛び回った。

 常に動き回ってカペラさんの巨体を視界に入れ続ける。

 

「逃げ回っててもどうしようもないよ? こっちにおいでよお姉ちゃん」

「もちろん行くさ!」

 

 攻撃しなきゃ先に進まない。

 かと言って下手に近づいたらさっきみたいに打ち落とされてしまう。

 だからここは攻防一体のこれを使わせてもらう。


 私は左手に持った大きな槍を構えた。


 サンクトゥス。

 黒馬さんから貰った固有武装だ。

 

 能力を発動した時に現れるエネルギー部分を盾として利用できる。 

 それにこの武器は能力を発動した状態で移動すればするほど威力と速度が上がる。


 アウローラ状態なら聖堂内を飛び回っているだけでかなりの移動距離を稼げるはずだ。


「使わせてもらうよ! 聖槍(せいそう)サンクトゥス!」


 能力発動と共に槍の周りにエネルギーが(ほとばし)り、そのエネルギーが鷲羽さんの全身を包み込んだ。


「おお。何か体が軽くなった!?」

『なるほど。この槍自体が移動をサポートしてくれるのね。これなら加速のアニマを節約できるわ』

「本当にいい武器だ。ありがとう黒馬さん!」


 鷲羽さんを聖堂の天井近くまで上昇させて、そこからカペラさんに向かって突進した。

 狙いはハンマーを持つ左腕だ。


 敵が素早く動ける時は射撃武器よりも近接武器の方が怖い。

 特にあのハンマーの威力はカペラさんの力も合わさって洒落にならない。

 だからまずはハンマーを無力化する。


「へぇ。ようやくその槍の能力を使うんだ。ここまで温存してたならよっぽど頼りにしてるのかな?」

「そうだよ! 友達から貰った大切な武器だ!」


 鷲羽さんを突進させてカペラさんの直前で直角に曲がった。


 更に上下の動きを混ぜて撹乱させる。


 鷲羽さんの加速力とサンクトゥスの能力で常人ならとても目で追えない動きだ。


 でもほのかに対してはやっぱり意味がないようだ。

 私の動きを完璧に読んで移動先にハンマーを振ってきた。

 

「そう来るのは分かってた!」


 私はハンマーを避けずにダイレクトに食らった。

 

 凄まじい衝撃が体を襲う。

 だけどサンクトゥスのエネルギーがかなりの衝撃をカットしてくれたので何とか耐えられた。


「その左腕、もらったあ!」


 体勢を立て直さずにそのまま攻撃を続行。

 槍はカペラさんの左腕に突き刺さり、肘から下を千切り飛ばした。


 宙を舞う左腕とハンマー。

 でもここで気を抜いてはいけない。


 案の定、千切れた左腕が地面に落下する前に、私は数秒前の状態に戻されていた。


「それも分かってた!」


 さっきと同じで天井まで上昇して、そこから一気に突進する。


 ほのかもこっちがどう動くかは分かっているので、左腕をよじって突進をかわそうとした。

  

 だから今度は左腕ではなくハンマーそのものに突進をかけた。

 銀色のハンマーにサンクトゥスが命中して、柄から先を粉々に破壊した。


 時間を戻される前提の攻撃プラン。

 最初から私の狙いはハンマーそのものだ。


「どうだ!」

「……ふふ。こんなのでイキッちゃうお姉ちゃんは可愛いな」

「え?」


 ハンマーに突進をかけた私を、ほのかは右手に持ったイグニスで ”殴って” きた。

 

 能力でパワーが上がっているカペラさんの打撃が鷲羽さんの体にめり込む。

 あまりに無防備にくらってしまったので衝撃が操縦席を守っている緩衝膜を越えて私に届くほどだった。


 銃は撃つものだと思い込んでいた。

 そりゃあ別に鈍器として使ってもいいよね……。


 殴られた勢いで壁に叩きつけられ、再び地面に転がされる。


『……うあっ』


 鷲羽さんが聞き慣れない苦しそうな声をあげ、操縦席のモニターに真っ赤なダメージレポートが映し出された。

 

 まずい。

 痛みに耐性のある鷲羽さんでもこれ以上のダメージは耐えきれない。


『あわわ、鷲羽さん大丈夫!?』

『大丈夫なワケ……ないでしょ……痛いわよ……』

『良かったぁ。てっきり鷲羽さんは痛みを感じないタイプなのかと思ってた』

『感じるわよ! ただ我慢強いだけなの!』

『それだけ元気なら大丈夫そうだね』

『……この痛みをあなたに共有できたら良かったのに』


 私が聞いても鷲羽さんは大丈夫としか言ってくれないからミラが聞いてくれた方が素直な答えを聞けていいかもしれない。


 でもフォーマルハウトもそうだったけど1等星のステラ・アルマは大怪我してても喋れるし、いま鷲羽さんがどれくらい追い詰められているのか本当のところは分からないな。

 とにかくこれ以上のダメージは避けなきゃ。


 立ちあがるために脚に力を込めようとすると、体がフワリと宙に浮いた。


「え!?」

「捕まえた」


 浮いたのではなく、カペラさんに両腕を掴まれて持ち上げられていた。

 必死にもがいても全く逃げられそうにない。


「とりあえずその邪魔な槍と銃を離してもらおうかな」

『ううッ……!』 


 信じられない握力で腕を握られ、ファブリチウスとサンクトゥスを手放してしまう。


「さてお姉ちゃん。絶対絶命だよ」

「お父さんから言われたよね? 負けが決まるまでは諦めちゃダメだって」

「うん。だからもう負けが決まったんだよ。ここからどう逆転する気なの?」

「それは、その……何か不思議なパワーに目覚めて逆転勝ちだよ」

「現実でそれが起こらないってお姉ちゃんが一番知ってるくせに。だから他の人の何倍も努力するんでしょ? その努力が実らなかったんだからこれ以上なにも起きないよ」

「そんな風に言われたからって私は諦めないよ」


 ほのかはもう勝ったつもりらしい。

 だけどこの状態からだって出来る事はあるんだ。


「くらえッ!」

 

 鷲羽さんの左腕に装備されているパイルバンカーを起動させた。

 炸薬が爆裂し、鉄の杭が打ち出される。


 勢いよく打ち出された杭はカペラさんの手を貫いて大穴を空けた。


 流石にあんなに大きな穴を空けられたら掴んでいられないはずだ。

 これで片腕が解放されたら加速で暴れ回って逃げてやる。


 ……と思っていたのに、鷲羽さんを掴む力は全く衰えず、それどころか更に力を込めてきた。


「カペラさん。おいたする左腕は潰しちゃっていいよ」


 え、それは困る。


 そんな私の思考よりも早く、鷲羽さんの左腕からメキメキメキという硬い物が潰れる音が聞こえた。


『あああああああッ!!』

 

 痛みに強いはずの鷲羽さんがとうとう悲鳴をあげた。

 感覚を共有している私の左腕も潰されていく感覚がある。

 だけど力では抵抗しようが無い。


 あっけなく鷲羽さんの左腕はグシャグシャに潰され、パイルバンカーも粉々に破壊された。

 

「あははははは! あいるさんが叫んでる! ロボットなのに痛みがあるんだね」

「ステラ・アルマはロボットの状態でも痛みを感じるんだよ。ずっと我慢してただけだ!」

「あー! ようやくお姉ちゃんが怒った。ずっとヘラヘラしてたのにようやく怒ってくれた」

「私だってほのかに怒りたくなんかないよ!」

「いつもそうだよね。私達ケンカすらしないもんね。でもそれってね、私はお姉ちゃんの視界に入ってないって事だよ!」


 途端に視界が地面に変わる。

 ほのかは両腕を掴んだまま、鷲羽さんを地面に叩きつけた。


「お姉ちゃんはいつも私に優しい! 私が何をしても許してくれる!」


 地面に伏した鷲羽さんを持ち上げ、再び地面に叩きつける。


「頑張れば褒めてくれる! いつも笑顔でいてくれる!」


 何度も、何度も。

 気に入らないオモチャに癇癪を起こす子供みたいに何度も地面に叩きつけた。

 その度に鷲羽さんの体のどこかがグシャっと嫌な音をたてる。


「だけど一度も怒ってくれなかった! 私がイタズラしても、生意気言っても、いつも困った顔をするだけだった! そんなの本当の姉妹じゃないよ! お姉ちゃんは妹の理想でいようとしてるだけだったよ! お姉ちゃんは私を見てるようで全然見てなかったんだ!」


 ……ほのかは泣きそうになっていた。

 

 そんなの、言われるまで気づかなかった。

 私は優しく接するのが妹に対する愛情だと思っていた。


 だって私は優しくされると嬉しかったから。

 だから妹には何があっても優しくするって決めていた。

 

 大事な物を隠されても、約束を破られても、それは私が妹の機嫌を損ねたせいだと思ってた。


 まさか怒られたかったなんて思わないよ。

 自分より不出来な姉に怒られるのなんて嫌じゃん。


 ……そこまで考えて、ようやくほのかの言っている事が理解できた。


 本当に私は自分の事しか考えていなかった。

 ほのかがどうして欲しいかじゃなくて、私がこうしたいをしているだけだったんだ。



 ほのかは鷲羽さんを叩きつけるのをやめて、カペラさんの顔の位置まで吊るし上げた。


「私がこんなにお姉ちゃんを虐めてるのに怒ってもくれない! あいるさんが傷ついてようやく少し怒っただけ! どうしてお姉ちゃんは私と向き合ってくれないの!?」

「……ごめんね」

「え?」

「それでも私はほのかを怒れない。だってほのかをそんな風にしちゃったのは私の責任だもん。私がもっとほのかの声を聞けば良かったんだ」

「……それ。それ、それ、それ、それ! それだよ! 私がお姉ちゃんの一番許せないところ! いつも自分が悪い、自分のせいだって罪を被ろうとするところ! どうしていつも自分を一番下に置くの!? 犬飼未明子はこの世の全ての人間の最下層にいると本気で思ってるの!?」


 どうしてなんだろう。

 私が悪いのに。


 私が自分の事しか考えなかったから、ほのかがこんな恐ろしい事に巻き込まれて、鷲羽さんがこんなに酷い目にあってるのに。

 

 それを謝る以外にどうしたらいいんだろう。

 本当に分からないや。


「あいるさん、分かるよね? お姉ちゃんはこういう人なの。自分に対する倫理観が崩壊してるの。他人には命を懸けられるのに、自分をこれっぽっちも守ろうとしないの」

『……』

「だからもうお姉ちゃんは私が管理するしかないの。私が見てなかったら、お姉ちゃんはいつか誰かのために喜んで死ぬ。そんなの絶対に許せない。世界中のくだらない人間がお姉ちゃんの代わりに死ねばいいのに」


 ほのかの言いたい事は分かる。

 でも私は自分なんかより大切な人を優先したいんだ。

 

 ミラと鷲羽さんを悲しませたくないから死ねはしないけど、ほのかを止めるために裸で世界中の人に土下座しろって言われたら喜んでする。


 私はどうしてもそういう考え方しかできないんだ。

 

「そのためにお姉ちゃんが大切に思っているものは全部没収する。お姉ちゃんには私達家族だけがいればいいんだよ」


 カペラさんの腹部にできた口が大きく開いた。


 その口は機械で出来ているとは思えないほど生々しく、圧倒的な絶望感を含んでいた。


「さよならあいるさん。少しの間だけお姉ちゃんをありがとう。後は私に任せて、星に還ってね」


 ほのかが冷たくそう言うと。

 カペラさんの大きな口が、鷲羽さんを飲み込んだ。











「花火かーーーーーッ!!」


 五月は思わずそう叫んでしまった。


 アウルム最強の攻撃パエニテンティア。

 全身に備え付けられた砲門からビームを発射する兵器だ。


 砲身があまりにも巨大なため誰もがビームキャノンだと思い込んでいたが、発射されて初めてそれが間違いだと気づいた。


 パエニテンティアはビームキャノンではなくビームマシンガン。

 キャノン砲のように大きな1発のビームを放つのではなく、小さな塊のビームを連射する兵器だった。


 小さな塊でもそのサイズはステラ・アルマよりも大きく、命中すれば跡形もなく消し飛ぶ威力がある。


 そんな弾が秒間何百発と発射され、宇宙が明るくなるほど飛来してくるとあっては五月からそんな感想が出てくるのも仕方がなかった。


「これは流石にアタシでもキツい!」


 弾幕とは良く言ったもので、多くの弾が重なり合うとそれは幕のようになって逃げ場がなくなる。


 五月は何とかその隙間を縫ってかわし続けていたが、終わりなく弾が飛んで来るこの状況ではいずれ避けきれなくなるのは見えていた。



 五月と一緒に弾幕に巻き込まれたのは志帆の乗るアルセフィナだった。


 ただアルセフィナはアウルムの正面からやや外れた位置にいたので、五月のように弾幕の真っ只中に巻き込まれはしなかった。


 迫り来るビームを避けて安全圏まで離脱する途中、一発だけ回避しそこねてしまい、弾が命中した船体部分が大きく抉れてしまった。


 ダメージを受けながらも必死に安全圏まで離れたところで再び転覆。

 甲板に乗っていた射撃部隊は宇宙に投げ出されてしまった。


 

 そしてビームの向かう先には稲見もいた。

 視界に広がる無数のビームを見て、稲見は覚悟を決めた。


「……ここまでかな」


 やれる事はやった。

 判断ミスもしなかった。

 ほぼ全ての敵を倒し、未明子が邪魔されずにセレーネと戦える時間は稼いだ。

 

 なら後悔は無い。

 心の底からそう思えた稲見は静かに目を閉じた。


 細かい衝撃が何度も体を抜けていく。


 あれだけ大きな弾が命中すれば痛みを感じる間も無く死ねると思っていたのに、実際はなかなか死ねないものなんだなと自嘲気味な笑いが込み上げた。


「…………いやそんなバカな」


 明らかにおかしい。

 ビームを食らい続けているとしたら、いくら何でもフェルカドが頑丈すぎる。


 疑問に思った稲見が目を開けると、目の前には大きな角の生えたステラ・アルマの姿があった。


「稲見。よく頑張りましたね」

「……すばるさん!?」


 飛来するビームからフェルカドを守っていたのは、すばるの乗るアルデバランだった。


 プレヤデス・スタークラスターでサダルメリクの盾を目の前に配置して敵のビームを弾き返していた。


「梅雨空さんは無事に送り届けました。こちらからは見えませんが石之腰さんと池亀さんも無事でしょうか?」

「は、はいぃっ!」

「……助かりました」


 稲見の背後にいた乃杏と椿から声があがる。


「お二人とも逃げなかったんですか!?」

「逃げようかなと思ったんですけど……やっぱり稲見さんを見捨てられなくて……」

「ま、守るのがダメなら、隠れたまま私達二人でフェルカドさんを動かして攻撃を避けられないかなって……」

「そ、それは……ううむ……」


 それで逃げ遅れて三人とも巻き込まれたら意味が無いのでは……とも思ったが、結果的にその行動のおかげで二人もすばるに守ってもらえたので何とも言い辛くなってしまった。


「戦場での判断は何が正解かは分かりません。結果的にみな助かったのだから良しといたしませんか?」

「そ、そうですね」


 モヤモヤした気持ちを抱えつつも、とりあえず助かったのだという安堵感が全身を包んだ。

 

 稲見はまた命を繋いだ。

 何度死を覚悟しても何だかんだ生き残ってしまう自分は意外と幸運なのではないかと勘違いしてしまいそうだった。


「この攻撃なら盾で防げます。しかし持続時間が問題ですね」

「はい。さっきから全然攻撃が止みません。こんな攻撃を続けられたら……」

 

 全滅は免れない。

 

 こんな雨あられのような攻撃に晒され続けたらアルデバランのアニマもいずれは尽きる。

 そうなるまでに誰かがアウルムを何とかしなければいけない。


 しかし誰がこんな弾幕をくぐり抜け本体を叩けると言うのだろうか。

 もはや何の指示も出せない稲見は、黙って戦場を見守るしかなかった。



 砲門がアウルムの前面にしか設置されていないおかげで、背後に回っていた尾花とダイアはビームからは逃れられていた。

 

 ダイアは引き続き破損個所に槍を突き立てていたが、やはり対象が大きすぎて効果はイマイチのようだった。


「おのれ。おのれ。刺しても刺しても毒が回っていきませんね!」

「でも確実に壊れてきてはいるよ。それより私は五月を助けに行っていい?」

「確かに! ここにいる限りはビームに攻撃される事はありません。毒による爆発に巻き込まれないようにすれば私はまあ、放っておいても大丈夫でしょう!」

「うん。ダイアちゃんがしっかり反省できていて嬉しい。じゃあここは任せるよ」

「承知しました! さそり座の女でも歌いながら刺し続けます!」

「それは知らない歌だけど頑張ろうね」


 お互いにマイペース過ぎて逆に会話が成立するという奇跡を起こしながら、尾花はその場を離脱した。


「五月がいくら速くてもこんなの逃げられない。私が守らなきゃ」


 尾花は防御壁を張り、脚部ブースターの出力を全開にして五月の元に向かった。



 真正面で攻撃に晒されている五月はアウローラ状態で回避を続けていた。

 しかし避ける避けない以前の問題で、そもそも回避できる場所自体が少ないのだ。


 弾と弾の隙間を見つけてそこに飛び込み、次の隙間を探して今度はそこに飛び込む。

 それを繰り返して避け続けられているのは、ツィーの速度のおかげと言うよりも五月の運によるところが大きかった。

   

 しかしその運も長くは続かない。


『五月!』

「くっ!」


 無理に移動した先で次の隙間までの距離があきすぎてしまったのだ。


 上下左右、どこに移動するにも遠すぎる。 

 その中で比較的近いのが右の隙間だった。

 

 五月はツィーの全身にアニマを巡らせて、その隙間までイチかバチかの移動に賭けた。

 

「届けーーーーッ!!」


 移動する五月の目に巨大なビームが映る。

 それがスローモーションのように迫り、視界が徐々に光で埋まっていった。

 

 体をよじれば何とか。

 アイヴァンで弾けば何とか。


 一瞬そんな思考が頭をよぎるがそれが通用するレベルでは無かった。


(あ。これダメだわ)

 

 大人しく諦めてしまうくらいにどうしようもない状況だった。 

 どうあがこうがビームの直撃は免れない。


 五月は賭けに負けたのだ。


 飛来するビームがツィーを飲み込もうとしたその時。


 別の光が五月の目に映った。

 

「え?」


 目の前に迫っていた光が、別の光に押し出されて逸れていったのだ。


「五月! 止まるな!」


 その声に背中を叩かれるように動き、次に迫ってきたビームも避ける。

   

 からくも窮地を抜け出した五月は、自分を守ってくれた光が飛んできた方に視線を向けた。


 そこには大砲を構えた、体を半分失った鎧武者のようなステラ・アルマの姿があった。


「萩里!?」


 五月を助けた光は萩里が放ったビームだった。

 ドゥーべの背中の装甲から展開される固有武装「貪狼」による砲撃だ。

 

「ちッ、刀3本ではこんなものか」

「萩里!」

「動け五月! 絶対に止まるな!」


 そう言いながら萩里もその場から離脱する。


 しかし半壊したドゥーべではたいした速度も出せず、敵の攻撃範囲のギリギリ外に逃げられただけだ。


「どうしてこんな所にいるの!? 月に戻ったんじゃなかったの!?」

「私はセプテントリオンのリーダーとして桔梗を止めなくてはならない」

「それにしたってそんな状態じゃ無理でしょ! 早く戻んなよ!」

「責務から逃げ出す訳にはいかないだろう」

「何でこんな時まで石頭なのよ!」

 

 命を助けられたばかりではあっても、五月は萩里にここにいて欲しくなかった。

 アウルムはすでに月を敵とみなしているのだ。

 満足に動けない萩里が狙われる可能性は非常に高い。


「五月。今から私がアウルムのバリア発生装置を1つ壊す。そうすれば射角的に砲門も1つ破壊できるはずだ」

「何を言ってんの? いいから狙われない内に戻って!」

「砲門を1つ破壊できればそこに安全圏ができる。五月ならその安全圏を使って接近できるだろう。そうしたら同じ列の発生装置を破壊してくれ。縦か横で2点を破壊できれば、バリアは面ではなく線になる」

「人の話を聞けっての!」

「五月こそ私の話を聞け! いいか。このまま私が月に戻ったら君はいずれビームから逃げられなくなるだろう。そうなる前に私が道を開く」

「だからそんな事をしたら萩里が狙われるんだって!」

「私は敵だぞ? 何が困るんだ?」

「せっかく生き残ったのにわざわざ危険を冒さなくていいでしょ!?」

「ふふ。どうした五月、君らしくないな」

「え?」

「チャンスがあるのにそれに乗らないとはな。それともここで私と一緒に死ぬのが望みか?」

「そんなわけあるか! 萩里を死なせたくないって言ってるの!」

「舐めるなよ九曜五月。私はセプテントリオンのリーダー熊谷萩里だぞ? 君に命を守られるような立場の人間ではない」


 萩里は貪狼を五月に向けた。

 壊れかかった大砲を向けられても威嚇の意味はほとんど無い。 

 そもそも動き回る五月を狙える程、もはやドゥーベは素早く動けないのだ。


 その行動の意味するのは「私はいいからさっさと進め」だ。


「あーもう! 分かったよ! やればいいんでしょ、やれば! セプテントリオンで一番会話が通じないのが萩里だと思わなかったよ!」

「すまんな。君の言う通り私は柔軟性に欠けているんだ」

「尾花の柔らかさを学べっての」

「馬鹿だな五月。尾花みたいなのが二人もいたらセプテントリオンは崩壊する」

「そこまで言うんかい」


 ドゥーベは大砲に刺さっている刀を抜いて、もう一度刺し直した。

 砲身に再びエネルギーがチャージされていく。


「この貪狼を撃てるのはあと一回だ。しくじるなよ?」

「舐めるなよ熊谷萩里。アタシは九曜五月。あんたに心配されるような人間じゃないよ」

「良く言った。ではその覚悟、見せてもらおうか!」


 萩里はアウルムの腹部にあるバリア発生装置に狙いをつけた。

 

「食らえ桔梗! 裏切りの対価を払うがいい!」


 フルチャージされた大砲からプラズマのようなものを纏った赤いビームが発射された。 

 

 ドゥーべのビームは飛来するアウルムのビームを飲み込み、勢いを弱めることなく進んで行く。 

 

「な、何だい!?」


 桔梗が気づいた時には、萩里の放ったビームがアウルムの腹部付近にある砲門を一つ破壊し、そのままバリア発生装置の一つに命中した。


 ビームを受けた発生装置が熱でブクリと膨れ上がり、臨界点を超えて爆発を起こす。


 一点を破壊された事により四角形を作っていたバリアは三点を結ぶ三角形になった。


「何だこの攻撃は? 誰の攻撃だ?」

「私だ桔梗」

「リーダー!? どうして君が僕を攻撃するんだ!?」

「いまさら何を言っている。お前の企みなぞとうに全員にバレているぞ」

「尾花か! セプテントリオン全員に通信を飛ばしていたのか」

「貴様が月に反乱を起こすとはな。やはり桃の言う通りもう少し厳しく律するべきだったか」

「君に縛られたところで僕は変わらなかったよ。どちらにせよこのタイミングで月に敵対していただろうさ」

「そうか。ではやはり貴様はここで討たれるべきだ」

「そんな死にかけの機体で何を言ってるんだい? 死ぬのはむしろ君の方だろ?」


 アウルムが体を萩里の方に向ける。

 正面に放たれていた砲撃が、徐々に萩里の方へと近づいて行った。



 五月を守るために移動していた尾花は困惑していた。


 確かにセプテントリオン全員に桔梗の企みの共有を行った。

 しかしそれは全員が月へ帰還していると思っていたからだ。


 まさか萩里がまだ戦場に残っているなど考えもしなかったのだ。


「待って! 待って萩里! いけない!」


 責任感の強い萩里が桔梗を止めに来るのは当然だ。

 桔梗を止めるために五月に力を貸す流れになるのも当然だ。


 そして五月に力を貸したなら、桔梗に狙われるのも当然だ。


「メラク急いで! お願い!」


 尾花がどれだけ急いでも萩里がいる場所までは絶望的な距離があった。


 高速移動で発生するGが緩衝を抜ける程のスピードを出しても、内臓がダメージを受けて血を吐くほどスピードを出しても、そこに辿りつくには圧倒的に時間が足りなかった。


「逃げて! 萩里!」


 尾花が叫んだところでもうどうにもならなかった。

 すでにドゥーベにはアニマが残っていない。

 移動しようにも変身を維持するだけで精一杯だったのだ。


「すまない尾花。それにみんな。私はあまりいいリーダーではなかったかもしれないな……」


 萩里は操縦桿から手を離し、アウルムに向かう五月の姿を見送った。


 その背中が。

 乗っている機体は全く違うと言うのに。

 記憶の中にある過去の五月と重なる。

 

 そして――


 完全に身動きが取れなくなったドゥーベに、アウルムの砲撃が直撃した。

 

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