表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
152/161

第150話 ステラムジカ⑫

「凄い! あいるさんの足が無くなっちゃった!」


 そんな無邪気な言葉にゾッとした。


 鷲羽さんとは体の感覚を少しだけ共有しているから分かる。

 攻撃を受けてから足先の感覚がない。

 少なくとも足首より下は吹き飛んでしまっている。


 カペラさんが楽しそうに動き回っていた。

 それはほのかの心をトレースした動きだ。

 つまりほのかは鷲羽さんの脚を吹き飛ばしたのが楽しくてたまらないんだ。

 

 信じられなかった。

 あんなに優しい妹が平気でこんな事をするなんて。

 

「お姉ちゃん、もしかしてショックを受けてる?」


 心を見透かされたようにほのかが言う。


「どうして優しい妹がこんな事をするんだなんて思ってない?」

「……思ってた」

「それが甘い考え方なんだよ。ううん、もはや勘違いだね。お姉ちゃん、優しさで何かを奪い返せると思ってるの?」

「え?」

「優しくしてたら何かを盗っていく人がやめてくれる? 優しくしてたら盗った物を返してくれる? そんなわけないじゃん。人の物を奪っていく相手に優しさなんて通用しないんだよ」

「ほのか……」

「奪われた物を取り返せるのは実力行使だけ。奪った事を後悔させるくらいに思い知らせて、二度と関わりたくないと思わせるしかないんだよ」


 徹底した現実主義。

 でも正論すぎて言い返せなかった。

 それはこの戦いに参加してから何度も味わった思いだ。


 いや、きっとずっと前からそうだったんだろう。


 私が欲しいと思った物や人は、いつも誰かに奪われた。

 それは私が動かなかったからだ。

 分不相応だと自分に言い聞かせて何もしないでヘラヘラしていたから奪われたんだ。


 だから私は行動する事に決めた。


 私を奪われたと思っているほのかが、私を奪い返すために非情になるのは何も間違っていない。

 だって私はほのかに優しくされたってほのかの物にはならないんだから。


 だから実力行使してるんだ。


「最初に言ったよね? あいるさんを壊すよって。そうなった時にお姉ちゃんが納得できるようにお話したよね? 今更こんなのでショックを受けないで。ここからはもっと酷くなるよ」


 ほのかの言葉はずっと私の心を抉ってくる。

 それだけでこの戦いは今までのどの戦いよりも辛い。


 だけどほのかの言う通りだと思うなら私もここでへこたれてる場合じゃない。


 私が欲しいものを全部手に入れるには結局勝つしかないんだから。


『未明子……』

「大丈夫。それよりも鷲羽さんの脚の方が……」

『それこそ大丈夫よ。私は痛みには強いんだから。私よりもむしろ鯨多未来の方が心配だわ』

「ミラ?」

『あ、あわわわわわ。鷲羽さんの足がなくなっちゃった……』

『慌てないで。こんなのフォーマルハウトに治してもらえば問題ないから』

『女の子の体が傷ついて動揺しない方がおかしいよ。ああ、鷲羽さんのカワイイあんよが……』

『気持ち悪いからやめて』

『足の甲が子供みたいにスベスベだったのに』

『ひい! 怖いから本当にやめて!』


 フォーマルハウトに嫌がらせをされても出ないような怯えた声が出ていて笑ってしまった。


 二人のやり取りにまた癒される。


 たとえ外からの刺激で心が辛くなっても、内側の刺激で心が安らぐなら、ここにいる限り私のメンタルは大丈夫だ。

  

「時間を巻き戻す能力……ダメージを与えても、今みたいに逃げても、時間を戻されて元の状態に戻される。言葉にすると無敵だけど絶対に何かしらの制限があるはずだ」

『漫画とかだと連続で使えなかったりするよね』

『単純にアニマの消費量が高かったりするのかしら。あ、でも時間が戻った時に消費したアニマも戻るのよね』

『そんな無茶苦茶な話ある? じゃあ永遠に戻れちゃうじゃん』

「さすがにそんなズルい能力じゃないと思うよ。何にせよ、何度か使わせて性質を把握するしかないね」

『それに関しては私にいいアイデアがあります! ここからはアニマの消費を気にせずにどんどん超加速を使っていこう!』

『そんな戦い方をしたらすぐにガス欠になるわよ?』

『大丈夫だよ。時間を戻されたらこっちのアニマは元通りなんだから』

『戻されればね。戻されなかったら致命的な消費になるじゃない』

『戻されなかったらダメージを与えてるって事じゃん。戦闘はアニマとダメージの交換なんだからどっちかは成立するよ』

『おかしいわ。鯨多未来が真っ当な事を言いだした』

『ちょっと鷲羽さん。私をお馬鹿キャラだと思い込んでない? これでも学校では鷲羽さんより成績良かったんですけど?』

『一学期の中間テストだけね。期末テストは私の方が上だったわよ』

『あー成績マウント取り出した! 未明子には勝てなかったくせに!』

『最初にマウント取り出したのはあなたじゃない』

「ミラの意見はもっともだし、鷲羽さんの言うように考えなしに使うのもダメだね。でも確かに時間を戻されるのを前提で戦うのはいいかもしれない」


 プロメテウス・サルコファガスはしっかり命中していた。

 もしかしたらほのかでもあの速度には反応できないのかもしれない。


 反応できないなら動きを覚えられたって怖くない。

 決定打になりうる弱点だ。


 それを確認する為にもここはやっぱり攻め続けるべきだ。

 

「ミラ、ファブリチウスを使うね!」

『え、もう普通に撃ってもあたらないんじゃない?』

「あたらなくてもファブリチウスは使える武器だよ!」


 私がファブリチウスを構えると、鏡に映った姿みたいにほのかもイグニスを構えた。

 

 わざわざ私が動き出すのを待ってたんだ。

 なるほど。ほのかにとって私なんか全然脅威じゃないって事か。

 

「右足を潰したから、次は左足を狙うね」


 しかもどこを撃つのか宣言してきた。

 脅威にならないどころか舐められている。


 同時に撃ったら向こうの方が早いけど気にしない。

 どっちみち回避できないんだ。

 ならもうダメージ覚悟で撃ってやる。


「ファブリチウス!」

「全然遅いよお姉ちゃん!」


 案の定、イグニスから放たれたビームの方が圧倒的に速かった。


 ビームは鷲羽さんの左脚に命中して脛の装甲が吹き飛ばされた。

 

 さっきみたいに左脚ごと消し飛ばすくらいの威力が出せるのにわざと出力を下げて撃ってきている。

 

「もう! お姉ちゃんはそんないじわるな子に育てた覚えはないよ!」


 私はファブリチウスの引き金を引いた。

 砲撃の反動と共に赤いビームが放たれる。


 ほのかはまたしてもこちらが撃つ直前に横に移動していたらしく、ビームはカペラさんのすぐ右側の床に命中した。

 

「私、お姉ちゃんに育てられた覚えはないんだけどな……」

「そうだね。私の背中はほのかに誇れるような背中じゃなかったもんね」

「!?」


 ほのかが気づいた時には、私はほのかのすぐ横でファブリチウスを構えていた。


 きっと驚いただろう。

 何せ一瞬前まで離れたところにいたのに、気がついたらすぐそばにいるんだから。

 

 やっぱり超加速には反応できないみたいだ。

 

「だから今ここで! 教育的一撃、発射だよ!」

「ふーん……」


 ほのかの目の前で、ファブリチウスのビームが発射されたと思った瞬間――



 またさっきの位置に戻されていた。


 聖堂の上からファブリチウスを構えていた状態。

 鷲羽さんの左脚もまだ撃たれる前だ。


「やっぱり時間を戻したね!」 


 なら同じ事の繰り返しだ。

 最初の一撃を放った後、超加速でほのかの近くまで移動して撃つ。

 この行程を完全に見切られるまで何度でもやってやる。


 時間を巻き戻した影響なのか、こっちがファブリチウスを構えてもほのかはイグニスを構えなかった。

 

「教育的一撃、2発目!」

 

 一方的に砲撃を放つと、ほのかはさっきと違って後ろに回避した。


 横に回避しようと後ろに回避しようと関係ない。

 私はファブリチウスを構えたまま超加速で移動した。


 今度はド正面に移動して銃口を向ける。

 対するほのかもすでにイグニスを構えていた。


「このタイミングなら私の方が早いよ」

「分かってるよ」


 イグニスからビームが放たれ鷲羽さんの左腕に命中する。

 左腕の装甲が吹き飛びサンクトゥスを落としそうになった。


 それでも構わずファブリチウスを撃つ。


「教育的一撃、3発目!」


 ほのかが右手のブレードを掲げた。

 またブレードの反射力でビームを逸らす気だ。

 

 タイミングも位置もピッタリ。

 天才的なセンスでビームを受け止める。


 ブレードの側面でビームを受けた瞬間、勢いに負けそうになっていた。

 ファブリチウスの砲撃はミラの能力そのものだ。

 片手で防げるほど軽くは無い。


 ほのかは左手に持っていたイグニスを捨てて、両手でブレードを支えた。

 押し負けそうになりながらも何とかビームを外側に振り払う。


 だけど代わりに持っていたブレードも弾かれて飛んでいってしまった。


「!!」

「スキあり! 教育的一撃、4発目!」


 ファブリチウスの連射。


 ほのかは武器も無く体勢も悪い。

 これは食らうか時間を巻き戻すしか選択肢がない。


「……ちぇ……」



 案の定、ビームがほのかに届く前に私は一番最初の位置に戻されていた。


 今度は鷲羽さんの左脚どころか右脚もまだ無事な頃だ。

 さっきよりも前の時間に戻されている。


「……」

「カペラさんの時間を巻き戻す能力、やっぱり制限があるね。多分だけど一度使うと巻き戻した時間の倍くらいの時間使えなくなるんじゃないかな?」

「へぇ。どうしてそう思ったの?」

「一番最初にファブリチウスを撃ってからカウントしてたんだ。左脚を撃たれて、超加速で真横に移動して教育的一撃1発目を撃った瞬間、だいたい5秒くらい時間を戻された。次の攻撃、教育的一撃2発目を撃ってから3発目までを撃つのにだいたい6秒。そして4発目を撃つのに、わざと10秒超えるまで待ったんだ」

「教育的なんちゃらうるさいなぁ……」

「時間を巻き戻すなら3発目がベストだった。でもそうしなかったのは5秒巻き戻したら10秒は能力が使えないからなんだよね?」

「別に。3発目は剣で弾ける自信があったんだよ」

「それは違うよ。だってその行動で4発目が確定しちゃったんだから。あそこで時間を戻されてたら同じ事の繰り返しでほのかが有利だったのに」

「……」

「でもこれで超加速には反応できないのと、時間を巻き戻すための制限が分かった」

「さーて、どうかな?」

「ほのかがどうかなって言ったらそれは正解だよ。違うなら違うって言った方が私の絶望感が大きいの知ってるもんね。ドカポン王国でほのかの必殺技に私のカウンターが刺さった時も同じ反応してたよ」

「何でそんなの覚えてるの?」

「私だってほのかの事なら全部覚えてるよ」


 これまで一緒にいた時間だって、この戦いが始まってからの事だって全部覚えている。


 ほのかは私にとって大事な妹なんだから。


 ブレードを両手持ちするために放り投げたイグニスを拾ったほのかは、銃を左手から右手に持ち替えた。


 ほのかは右利き。

 さっきまでは左手で銃を扱っていたから、射撃は本気じゃなかったって事だ。


「少し希望を見つけるとすぐに立て直せるのは流石だね。お姉ちゃんのそういうトコロは本当に凄いと思うよ。じゃあもう手加減しなくてもいいよね?」

「うんにゃ。手加減はして欲しい」

「やーだよ」


 その言葉をキッカケに私とほのかは全く同じタイミングで銃を構えた。

 やっぱり同じタイミングなら撃つのはあっちの方が早い。


 だから私はファブリチウスを構えたまま真後ろに加速した。

 距離を取ってほのかの射撃の距離を伸ばす。


 ほのかのイグニスのビームと、私のファブリチウスのビームがちょうどお互いの中間地点でぶつかりあって、激しい閃光が周囲を包みこんだ。














「すばるちゃん!」

「五月さん、梅雨空さん。無事でしたか」


 部隊と合流するために移動していたすばるの元に、五月と梅雨空が追いついた。

 

「私はちょーっと無事とは言えないかな……」


 ツィーに抱えられるムリファインを見たすばるは失言だったと頭を下げた。


「申し訳ありません。しかしセプテントリオンを二人も倒したのは大金星です」

「桃を倒したのは五月さんだけどね」

「アタシはトドメを刺しただけだよ。ほとんどソラちゃんが倒してたからさ」

「すばるさんもセプテントリオンのリーダーとサブリーダーを倒したんでしょ? 凄いじゃない!」

「倒したと言うか負けを認めさせたと言うか……」

「萩里、悔しがってた?」

「それはもう。しかし生きてさらに悔しがって頂く事にいたしました」

「そっか。まあアタシ的には生きててくれて嬉しいところだけどね」

「五月さん……」

「とにかくこれで残るセプテントリオンは2人です」


 セプテントリオン7人のうち5人を撃破。

 前回の戦いを考えるとこの戦果はすばるの言った通り大金星だった。


 しかし味方側の被害もそれなりに大きい。

 

 ムリファインはすでに戦闘不能。

 アルデバランも戦闘こそ可能なものの、すでに手足が千切れていて常にプレヤデス・スタークラスターでアニマを消費し続けている状態だ。


 部隊の方も破壊された機体が2体。

 戦闘不能の機体が1体。


 そんな状態でかつてない巨大な敵と戦わなくてはいけないのだ。

 

 そして考えたくはないが、万が一未明子が帰ってこなかった場合は誰かがセレーネを討ちに行かなければならない。

 

 戦況有利とはとても言えなかった。


「あのデッカいのはどんな感じなの?」

「メラクと同様バリアを張るようです。こちらの攻撃が効かない上に広範囲を対象とする攻撃を持っていたりと手がつけられないそうです」

「でも何か片腕だけ破壊したよみたいな報告無かった?」

「はい。バリアの外側に手足を飛ばして来たので、そこを集中攻撃で破壊できたとの事でした」

「じゃあ、やりようによっては倒せるって事だね!」

「そんなでっかいのが相手なら私も参加したかったわ」

「ソラちゃんは休んでて! ってかムリちゃんギリギリだから!」

『梅雨空はわた……ボクに優しくない』

「戦い終わったらいくらでも優しくしてあげるわよ」

「おや。そう言えばフォーマルハウトはどうしたのですか?」


 梅雨空が状況によってムリファインに乗り換えるのは聞いていたが、乗り手のいなくなったフォーマルハウトの姿が見えない事にすばるは疑問を抱いた。


「え? 乗り捨てた」

「乗り捨てた!?」

「だって乗り換えた後は放っておいていいって言うから。何かゲート開いてたし、どっかで変身解除してるんじゃない?」

「あのフォーマルハウトをここまで雑に扱うとは」

「大丈夫よ。私とアイツは仲良しだから」

「ソラちゃんやっぱ大物だわ……」

 


 ここでムリファインはアルデバランが連れていく事になった。

 一切ダメージが無くアニマの消費もほとんど無いツィーを先に戦場に向かわせた方が良いと判断したからだ。


「じゃあアタシは先に行くから、ソラちゃん達をお願いね」

「お任せ下さい。送り届けたらすぐにわたくしも向かいます」

「すばるちゃんが来る前に終わらせられるといいんだけどな……」


 お互いに手を振りあって五月は部隊の方へ。

 すばると梅雨空は宇宙ステーションへと向かって行った。






 月の基地内部。

 未明子が戦闘している聖堂とはまた違うエリア。


 ファミリアの避難も終わって人気の無い通路をフォーマルハウトが歩いていた。

 

 梅雨空がムリファインに乗り換えたあと、ゲートを使って月の基地に移動したフォーマルハウトはそこで変身を解いていた。


 どこも同じに見える通路もフォーマルハウトにとっては見慣れた風景だ。

 セレーネに引っ掻き回し役を任されてからは月を拠点として活動していたし、それ以前からもこの場所には馴染みがあったからだ。


 本来であれば通路を歩行などせずゲートで目的地を目指すところだが、アニマの回復を優先したため仕方なく延々と続く通路を歩いていた。


 特に面白い物があるわけでもない通路をひたすら歩くのは苦痛でしかない。

 しかし月の基地はとにかく広いので嫌でも進む他なかった。


「セレーネの奴、結局私が提案した移動手段は作らなかったみたいだな」


 この広い月の基地をファミリアは歩いて移動していた。

 ウサギを模した生物だけに脚が強く、歩く速度も早いファミリアは徒歩移動に何の不便も感じていなかった。


 セレーネやセプテントリオン、北斗七星のステラ・アルマの移動も勿論徒歩だ。

 基地内部の重力は地球と同じに設定されているので跳ねたり飛んで移動するのは難しい。


 そんな状況を見たフォーマルハウトが電力で動く移動用のバイクを作ったらどうかと提案したのだが、どうやら却下されたようだ。


 余所者の意見を取り入れたくなかったのか、そんな物に頼らなくても不便を感じていなかったのかは分からないが、そのせいでフォーマルハウトはいま面倒を被っているのだった。

 

「こんな事なら梅雨空の血液を少し貰っておくんだったな……もしくは遠慮せずに管理人からラピスを奪っておくべきだった」


 アニマの回復手段のないフォーマルハウトは自然に回復するのを待つしかない。

 しかし戦闘できるまでに回復する頃には月との戦いは終わっているだろう。


「……間に合わなかったら意味がないな」


 フォーマルハウトは唇を噛んで、少しだけ歩みを早めた。









 片腕を破壊されたアウルムは変わらずのスピードで進行していた。


 その巨体に押し出されるように地球の部隊は月から離されていく。

 腕を破壊できても結局本体を守るバリアを何とかしない限りはこの金色の機体は止められないのだ。


 全員が不安になりながらも稲見からの指示を待っている状態だった。


「おーっと、おっと。猫ちゃん達が真後ろに到着しましたよー」


 こころの固有武装である猫達がアウルムの背後に辿り着いた。

 それを聞いた稲見はある仮説を検証するために情報収集を始める。


「了解です。何かありますか?」

「そうだなぁ。背中側には武器はついてないみたい。こんなに大きいのに回り込まれる心配はないのかな」

「バリアに信頼があるのか、または内部に隠されているのか……他に何か見えますか?」

「うーん。大きすぎてよく分からないや」

「承知しました。それでは三つ葉さん、射撃部隊のみなさん、攻撃をお願いします!」

「了解!」


 稲見の指示でアルセフィナに乗った射撃部隊が一斉にアウルムに攻撃をしかける。

 

 山のような弾丸がアウルムに向かって飛んでいき、本体に命中する前にバリアに阻まれて弾かれていった。


「やはりバリアがある限り攻撃は通用しないか」

「こころさん、今の攻撃で何か変化がありましたか?」

「ええ!? 一回じゃ良く分からなかったよ。あ、でも形が違うけど背中側にもバリアの発生装置が1個だけあるね」

「やはりそうでしたか」


 稲見の仮説は的中していたようだ。


「え。稲見ちゃん分かってたの?」

「あのバリアを観察していたのですが、攻撃が弾かれる瞬間、バリアの膜が前から後ろに波打っていたんです。それでバリア発生装置には始点と終点があるんじゃないかと思いました」

「つ、つまり……?」

「なるほど。点と面という事ですね」

「こだてちゃん? 私ぜんぜん分からないから教えて欲しいなー」

「つまり発生装置という点を結んで出来た面がバリアになっているんだ」

「それがどうかしたの?」

「点を破壊すれば面がなくなるのは考えれば分かるだろ?」

「でもそれって結局発生装置を壊せって事でしょ? さっきまでと同じじゃん」

「いえ。胴体部分の発生装置のどれかを破壊しても背後の発生装置があれば面は完成します。でも背後の一個を壊せば面は胴体部分だけになる」

「そして背後の1個は胴体に比べて接続部が遠い。つまり胴体部よりも耐久値が低い可能性が高いという事だ」

「……つまり?」

「背後の発生装置を集中攻撃だよ! 猫を戻せ、そこに火力を集中させる!」

「ええー!? 猫ちゃん達戻っておいでー! そこにいたら危ないらしいよ」

「全機、機体背後にもバリア発生装置があるのが分かりました。攻撃をそこに集中させます。三つ葉さん、遠回りしても構いませんので左側から背後に回って下さい。ダイアさん、残りのチームと合流して右側から背後に回って下さい。私と木葉さんとこころさんは正面から敵の注意を引きつけます!」


「「「了解」」」


 稲見達が陽動するとは言えすぐに背後を狙っているのはバレるだろう。

 しかしあの巨体では容易に方向転換はできないはずだ。


 仮に振り向かれたとしても今度はこちら側が背後になるだけ。

 どちらかには必ず攻撃役がいるし、アルセフィナの速度ならすぐにこちら側に戻ってこられる。


 ”背後の発生装置を破壊する” という点では申し分ない配置だった。

 

(敵のクールタイムが終わる前に発生装置を破壊したい。でもこればっかりは運に左右されるか……)


 稲見にアウルムの攻撃の周期は分からない。

 まだしばらくかかると考えて攻め込むしかなかった。

 

 しかしこの時、稲見の期待に反してすでにアウルムの攻撃準備は整っていたのだった。





「桔梗!」


 稲見達が左右に分散した頃、桔梗の元に撫子が来ていた。


 バリアの発生位置より近づく事はできないので少し離れた場所にとどまっている撫子は、また返事がないようなら攻撃してでも反応を返させるつもりでいた。


 一度は通信を無視しようかと思った桔梗だったが、うるさく飛び回られても困ると嫌々応答を返すことにしたのだった。


「やあ撫子。どうしたんだい?」

「どうしたもこうしたもないよ。何で私を潰そうとしたの?」

「そんなつもりは無かったさ。たまたま君がそこにいただけだろう?」

「私があそこで戦ってたのは知ってたでしょ?」

「知らないよ。ここからじゃ誰がどこにいるかなんてよく分からないんだ」

「見え透いた嘘を言わないでよ。連絡も無視するし、私ごと始末するつもりだったんじゃないよね?」

「そんな無意味な事はしないさ。どうせ君は勝手にやられるんだから僕が手を下すまでもない」

「……何だって?」


 それは久しぶりに聞く人を見下した喋り方だった。


 戦いが始まる前にした会話とはまるで違う、出会った頃のような距離を感じさせる桔梗の喋り方に撫子は苛立ちを覚えた。


「私を馬鹿にしてるのか!?」

「馬鹿にもしていないよ。至って正当な評価だ。だって君、これまで真っ当な勝利を収めていないじゃないか。任務の時も敵はほとんど僕が倒してしまうし、君は格下の相手をいじめているだけだろう?」

「桔梗と一緒の時は桔梗が勝手に敵を倒しちゃうからでしょ? 私が戦った相手だってメグレズが優秀な機体なんだから格下になるのは当たり前じゃないか!」

「おっと。これは失言だった。そう言えば君、前回の戦いで格下の相手にも負けていたんだったね。ただの3等星、しかも一度負けた相手にまた負けたんだった」

「……!!」

「今この戦場には強い敵がたくさんいる。どうやらセプテントリオンも僕達以外は全員やられてしまったようだ。なら君が生き残れる可能性は極めて低いだろう?」


 この時点で桔梗と撫子以外のメンバーは全て敗北し、その報告が二人にも入っていた。


 月の精鋭部隊が全滅しかかっているのはかつてない事態であり、残った二人が奮闘する事でしか巻き返しはなかった。


 しかし桔梗は撫子を戦力とは考えていない。


「誰がやられようが関係ない! 全部私が倒してやるよ!」

「やれやれ……自分の実力が分からないとここまで見苦しいものか。分かったから後は僕に任せて君はもう基地に戻りたまえ」

「うるさい! 全部の中にはお前も入ってるんだからな!」


 感情が昂りすぎて泣き叫ぶような声をあげた撫子はメグレズの爪を桔梗に向けた。

 それは本気ではなくただの威嚇のつもりだった。

 

 しかし桔梗はそれを本気と捉えた。


「……ふむ。どうやら僕の邪魔をしたいらしいね。悲しいよ。まさか味方から牙を向けられるとは。いや、牙じゃなくて爪か」

「最初から……最初から私とお前は味方なんかじゃ無かったんだ! お前は桔梗じゃない。桔梗はお前みたいに嫌な奴じゃなかった!」

「それ誰のことを言ってるんだい? もしかして君の世界にいた負け犬のことかな?」

「……は?」


 今の桔梗に自分の世界の桔梗を求めていた撫子にとってこの言葉が決定的となった。


 撫子の心に修復不可能な程の大きな傷が刻まれた瞬間だった。

 

 こいつは桔梗なんかじゃない。

 顔も名前も同じだけのただの他人。

 私の大事な人を侮辱する最悪の人間だ。


 撫子の心が目の前の桔梗を強く否定した。


 その心の転換と今まで溜まっていた鬱憤が爆発し、撫子はとうとう桔梗を完全に敵として認識した。


「……壊してやる!」


 心に湧き上がるのは敵意と殺意、それに悲しみと落胆だった。

 

 結局最後まで桔梗は自分と同じ目線には降りてきてくれなかった。

 その悲しさと、自分にとっての桔梗はやはりあの時死んだのだという事実が胸に突き刺さった。


「コイツは、私が殺す!」

 

 バリアを張られている状態ではフルパワーを出しても効果がないのは撫子も分かっている。

 バリアを解除させて操縦席を狙うには発生装置を破壊するしかない。


 以前アウルムの機体説明に立ち会っていた撫子は、桔梗がセレーネから背中側の発生装置を守るように言われていたのを覚えていた。


 逆に言えばそこが弱点だという事だ。

 そう考えた撫子はメグレズをアウルムの背後に向かわせた。


「おっと。背後に回ったのか。怒って正面から突っ込んでこないのは君にしては冷静じゃないか。しかし実に馬鹿だね。女神に言われただろう? 背後の発生装置は必ず守れと。アウルムにはその防衛の為の兵器があると」

 

 桔梗は周囲を見渡して地球の部隊の位置を確認した。

 どうやら敵も背後を狙っていたらしく、丁度いい具合に取り囲まれているようだった。


「素晴らしい配置だ! 僕が前に出ていたのはこのためさ。前に出ればきっと囲んでくれると思っていたからね! 準備は整った。それでは次の演目に移るとしよう!」


 前面、背面、頭部、脚部。

 アウルムの全身に点々と備え付けられた小さなシャッターが開き、そこから射出装置が露出した。


 一時的にバリアの発生を停止させて次の攻撃の準備が完了する。


 桔梗はこの後に起こる惨劇を想像して醜く顔を歪めた。

 そして指揮者がタクトを振るように片手を大きく振り上げる。


「第二幕・ヴァニタス!」


 兵器の発動と共に、アウルムを中心とした全方位に白い波のようなものが放たれた。


 射出装置から放たれたのはエネルギーフィールド。

 分類するならメラクの防御壁と似たような物だった。


 それを極めて薄くする代わりに射程距離を伸ばし射出する。

 分かりやすく言えば全方位に向けた衝撃波だった。


 アウルムの近くにいた撫子。

 それにアウルムを取り囲んでいた地球の部隊はその衝撃波をもろに食らう事になった。



 部隊の中でアウルムに一番近かったのはアルセフィナだった。

 衝撃波でマストが折れて吹き飛び、アウルム側を向いていた船体の装甲が一気に破壊された。


 アルセフィナは他のステラ・アルマに比べて面積が大きい分余計に衝撃波の影響を受けたが、それでも何とかその場に留まった。

 

 運が悪かったのがアルセフィナに乗っていた射撃部隊だ。


 下手にアルセフィナが耐えてしまった分、吹き飛ばされずにその場で衝撃を受け続ける事になったのだ。


 そのせいで耐久力の低かった2体が爆散。

 残りの機体も半壊するか、致命的なダメージを受けていた。


 次に近かったシャウラを中心とした部隊は、衝撃波の威力ではるか遠くに吹き飛ばされた。


 中には月の地面に叩きつけられた機体もあり、それらの機体は破壊はされなかったものの行動不能に陥った。


 シャウラだけは衝撃に抗い吹き飛ばされずには済んだが、前面の装甲にかなりのダメージを負った。


 正面にいた稲見達3人も大きな被害を受けた。


 こだての盾の能力が発動したおかげである程度の衝撃は防げたが、威力が大きすぎて発動上限に達してしまい、防ぎきれなかった分はそのまま食らってしまった。


 致命的だったのは稲見が背後に控える乃杏と椿を庇うためにほぼ無防備で攻撃を受けてしまった事だ。


 おかけで乃杏も椿も軽いダメージで済んだが、代わりに稲見のフェルカドは行動不能になってしまった。



 被害を受けたのは地球の部隊だけでは収まらなかった。

 月の勢力も同様に被害を受けていたのだ。


 アウルム出動の際に退避していなかったルミナス数百体が衝撃に巻き込まれた。


 効果範囲から遠かった機体は武器の損失や本体へのダメージのみで済んだが、近かった機体は首や腕が千切れ飛び半行動不能に陥っていた。


 最悪なのはアンブラだ。

 ルミナスに比べると装甲や耐久力が低いため射程内にいたすべての機体が破壊された。


 アンブラは部隊を攻撃している最中だったのでアウルムからの距離も近く、9割ほどが破壊され壊滅状態だった。


 そして最も近くで衝撃波に巻き込まれた撫子のメグレズは目もあてられない状態になっていた。


 手足がグシャグシャに曲がり機体の至る所から火花を吹き出して破壊寸前だった。


「あ……あ……」


 操縦席の撫子も衝撃に晒され傷だらけになっていた。

 額が切れて血を流し、顔の半分が真っ赤に染まっている。

 呼吸も異常で内臓にもダメージを受けているのが見て取れた。


「……き……桔梗……」


 撫子はかすれる視界で目の前の巨大な機体を睨みつけた。


「おや撫子。苦しそうだね?」


 桔梗は漂っていたメグレズを大きな指でつまんだ。

 軽く握っているだけなのにそれだけでメグレズは押し潰されそうになっている。


「まさか文句はないよね? 最初に攻撃したのは君の方だよ?」

「……この、裏切り者……」

「だから裏切ったのも君が先だってば。何で君はそう自分を上に置くのかな? 身の丈にあった生き方をすればこうはならなかったのに」

「どの口が……それを……」


 それを言うのか。

 そう言いたかった撫子の口から血の塊が噴き出て言葉を遮った。



 アウルムの攻撃がメグレズを巻き込んだのは他のセプテントリオンのメンバーも見ていた。


 敗北して月の基地に退避していたおみなえし、藤袴、桃は格納庫のモニターで。

 未だ宇宙を漂っている萩里と尾花は直接目視で確認していた。


「ちょっとアイツ何やってんのよ!」

「ひッ! どうして撫子さんまで攻撃に巻き込んだんすか!?」


 桔梗の暴走を見た桃と藤袴は慌てていた。

 少なくとも二人には桔梗が撫子を攻撃する理由は思いあたらなかった。


 二人の後ろでモニターを眺めているおみなえしだけはその様子を静観していた。

 桔梗と撫子の関係なら、いつかこうなる可能性も無くはないと理解していたからだ。


「確かここから通信できたわよね?」

「使い方が分からないっすよ! ファミリアはみんな避難しちゃってるし、ミザール達は治療棟に行っちゃったし、オートで動くところ以外は私達は触れないです」

「この肝心な時に!」

「仕方ないよ。もう説得は通信が繋がる萩里さん達に任せるしかないと思う」

「あの馬鹿が説得に応じるわけないでしょ!?」

「じゃあ桃は何を言うつもりだったの?」

「んなもん文句言ってやるに決まってるじゃない!」

「ひッ! 理由を問いただすとかですらなかったっす」

「あーもう梅雨空! 何とかしなさいよ!」

「言っときますけど羊谷さんは一応敵っすからね? って言うか桃さんがボコボコにしたんじゃないですか」

「それでも梅雨空なら何とかしてくれんでしょ!」

「桃さんのその無駄な信頼はなんなんっすか……」


 桃がギャーギャーと騒ぐのでおみなえしは両手で自分の耳を抑えた。

 それでも貫通してくる騒がしい声にイライラしながらモニターに映る金色の機体を見る。

 

 桔梗が撫子を攻撃したのは仲違いがあったのか、それともすでに敵と味方の区別がつかないくらい暴走してしまっているのか。


 前者であるのを願いたいが、もし後者であれば自分達にとっても脅威になる可能性がある。

 桔梗が敵を全滅させた後、月を攻撃してくるかもしれないのだ。


「……犬飼さん。もう早く決着つけちゃってよ」


 おみなえしは基地のどこかで戦っているだろう未明子を思い浮かべた。


 未明子がセレーネを倒してしまえばこの戦いは終わり。

 そうなれば桔梗が暴走していたとしても月の総戦力で止められるだろう。


 桃が梅雨空を頼るように、おみなえしも無意識の内に未明子に戦いの行方を委ねていたのだった。




「桔梗! 桔梗! 応答するんだ!」


 月の外側では萩里がセプテントリオン専用の回線で桔梗に呼びかけていた。

 

 撫子にまで攻撃が及んだ事。

 その撫子を握り潰さんとしている事など尋常ではない事態だ。


 何が起こっているのか確認しなくては月基地への帰還もできない。


「桔梗! 通信は聞こえているだろう!? 桔梗!」

「はいはーい。聞こえてるよリーダー」

「何をやっている? どうして撫子を攻撃した? 撫子は仲間だぞ!」

「聞いてくれたまえよ。撫子が裏切って僕を攻撃してきたんだ」

「撫子が? 何かの間違いじゃないのか?」

「僕もそう思いたかったよ。でも本当なんだ。アウルムの左腕は撫子に破壊されたも同然だ」

「仮にそうだとしても、このままだとメグレズが破壊される。早く彼女を解放するんだ」

「それはできない相談だよリーダー。撫子は左腕どころかバリアの発生装置すらも破壊しようとした。このまま放っておけば僕が被害を受ける」

「……そうなのか撫子?」


 いま萩里と桔梗が話しているのは共有回線。

 もちろん撫子も尾花にも通信は繋がっている。


 萩里は何か誤解が発生しているのだと信じて疑わず、撫子からの通信を待った。

 

「……ぅ……ああ……」


 しかし返ってくるのは撫子のくぐもった声だけ。

 何を言っているのかは到底聞き取れない。


 萩里は最悪の状況を思い浮かべた。


「桔梗、撫子の容体が悪い。すぐに治療しないと命に関わるかもしれない」

「リーダーも甘いね。裏切り者には制裁が必要だろう? じゃないとみんなが簡単に裏切るようになるよ? それに女神セレーネも反逆者にはしかるべき処分を下すじゃないか」

「それを決めるのはセレーネ様だ。お前が決める事じゃない」

「……あ、そう……分かった分かった。じゃあ離してあげるよ。撫子、悪かったね」


 桔梗は指でつまんでいたメグレズをポイと放った。


 つまむ力を少しづつ強めていたのか、解放されたメグレズの体はすでに胴体以外がほぼ潰れていた。


「尾花、撫子を回収してくれ!」

「了解! すぐに行くね」


 セプテントリオンの中でまともに動けるのは尾花のメラクしかいなかった。

 尾花は脚部ブースターを全開にしてメグレズの回収に向かう。


「さて。それでは敵にトドメを刺しに行こうかな」


 すでに撫子に興味を無くした桔梗は、衝撃波で再び散り散りになった地球の部隊の方を振り返った。


「撫子、もうすぐ着くから待っててね!」

「……あ……う……」


 撫子の声が段々と弱々しくなっていく。

 回収できたとしても月の医療施設までもつのだろうか。

 不安になる尾花の視界にボロボロになったメグレズの姿が映った。


「バリア再起動、と」


 桔梗はヴァニタス発動の為に一時的に解除していたバリアを起動した。

 発生装置から発生したバリアがアウルムの周囲に展開される。

 

「うわああああああッ!!」


 セプテントリオンの回線に絶叫が響き渡った。

 それは撫子の叫びだった。

 

 メラクが辿り着くすんでのところで、メグレズがバリアの中に閉じ込められていたのだ。


 中と言ってもバリアの内側では無い。

 ちょうどバリアの膜の真っ只中にいたメグレズは、発生する圧力に押し潰されていた。


「桔梗!? 撫子が巻き込まれてる! バリアを止めて!」

「知らないよ。僕は逃してあげたんだ。そんな所にいるのが悪いんじゃないかな」


 尾花の必死の言葉も桔梗には届かなかった。


 バリアの圧力にメグレズの体がひしゃげていく。

 手足も頭部も潰れて、もはやロボットの面影は完全になくなっていた。


 救出に行きたくとも尾花もバリアには近づけない。

 あとほんの少しで手が届く、そんな距離を恨めしく眺めていた時。


 無惨にも限界を超えてしまった。



「桔梗ーーーーッ!!」


 撫子のその言葉を最後に、メグレズは爆散して宇宙に散ったのだった。


今回も読んで下さってありがとうございます。


ツイッターの方でも告知しましたが、次週の更新をお休みさせて頂きます。

そして4月からは残り話数の関係で週一木曜更新に戻したいと思います。


ですので次回更新は4月10日(木)となります。


最終話まであと少しとなりますが、最後までお付き合い頂ければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ