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俺は在り
偉大なる俺が偉大と呼ばれる前、差異の生まれた世界に放り出された俺は、不滅の樹木に覆われた世界をさ迷い、境界を泳ぎ飛ぶ龍を見送り妖精に囲まれ、やがて本当の意味で生命が生まれるまでの間を無為に過ごした。
空に溶けた龍や星の内側に消えた妖精と少し話したぐらいか、数億と少しを無為に過ごした。
偉大なるダクマ・マーシアッハ、俺が偉大な魔王になったのは翼ある者と共にあったからだ、俺が魔王として宙より飛来した勇者を打ち取り偉大になったのだ。
もう忘れた、古い昔の話だ。
「ああ、初めてみたあれが太陽か、氷に覆われた大地がたかが数万年で変わる物だ。」
無数のガーゴイルと共に俺はある。
「つまらん。」
星を巡りだだそこにあった。
「偉大なのだ俺は、故に、故に、ん?何だあの輝きわ?」