前作のあらすじ
12/6 前作のあらすじ、登場人物紹介を追加しました。
初めてお目にかかる読者の皆様、こんにちは。以前も僕の作品をお読みいただいた方々、毎度ありがとうございます。作者のヒロユキです。
今回の作品は、僕の作品中で初の続編に挑戦しようということで、いささか緊張しております。
作品の中の時間の経過具合をお話ししますと、文化祭での出来事から一ヵ月後、年の瀬迫るクリスマス。そこで薫たちに起こる騒動を描いていこうと思っております。
それで今回はクリスマスの時期の話でございますので、目標として、クリスマスイブに完結できるよう、執筆したいと思っております。なるべく、がんばりたいと思います。
読者の皆様につきましては、どうか、温かく見守っていただければ幸いです。
↓前作のあらすじを追加いたしました。ネタバレになる内容を多分に含みますので、お読みになる場合はご注意ください。
『君の言葉にアンダーライン』のあらすじ
小さく、華奢で、幼い顔つきをした小野村薫は男らしくないことに劣等感を持った中学生。しかし彼は他人の声を完璧に記憶し(アンダーラインを引く)、同時にその声を忠実に再現できるという能力の持ち主だった。
彼は親友である堂野と共に、悪友である山下のイタズラに加担させられながらも、それなりに楽しい学校生活を送っていた。
そんな折、彼らの通う綾坂中学校も秋が近づき、次第に文化祭ムードが高まってくる。帰宅部である薫と堂野は文化祭の材料集めの係に任命され、材料の買出しに出かけるが、ある日、その途中で、事故に遭遇してしまう。
車と人との交通事故である。その事故によって、不運にも病院に運ばれたのは、薫が日ごろから密かに思いを寄せている須藤君恵という少女。彼女は綾坂中学の演劇部に所属し、文化祭では劇のヒロインを演じるはずだったが、この事故によって足を骨折し、止む無く降板となる。
事故発生時、気が動転してしまい、自分は何も出来なかったと薫は自己嫌悪に陥るが、親友堂野の力を借りて、再び自信を取り戻す。そんな彼に目を付けたのは演劇部部長の有川久美だった。彼女は薫の人の声を真似る能力と女のような容姿を見、なんと彼を男ながら、君恵の代役としてヒロイン役に抜擢する。
困惑する薫だったが、渋々ながら劇の練習に参加し、君恵や演劇部の面々の協力を受けながら、特訓することになった。
これで上手くいくかに思われたが、そこで新たな問題が発生する。
以前、山下と共にイタズラを仕掛けた相手、教師の村松が薫をイタズラの犯人ではないかと目を付け始めたのだ。
それを察知した山下と堂野は、演劇部の馬場浩太、奥山紗江を使い、村松を呼び出して罠にはめるという、薫から目を逸らさせるための一計を案じる。
その目論見は無事に成功し、村松は薫に近づくことをやめた。
問題はこれですべて過ぎ去ったかに見えたが、それは違った。文化祭当日、劇の上演中に長期の練習のためか、薫の声が出なくなるというハプニングが起こったのだ。
絶体絶命かと思われたその時、薫の耳に届いたのは自分の代わりに台詞を読んだ天使の声。堂野の機転により、須藤君恵が舞台横でマイクを握り、台詞を読んでいたのだった。
結果、文化祭は無事に終了した。急遽の代役で抜擢された薫は見事、役を演じきったのである。
その後、それぞれが今回の成功の余韻に浸っている中、薫と君恵は人影のない体育館にいた。薫は今回の一件で自身の心境の変化を彼女に述懐した。彼は代役を演じきったことで、自身も成長していたことに気付くのだ。
そこで君恵は今回の劇で見事ヒロイン役を演じきった薫にお礼としてキスをする。
突然のことに動揺する薫だったが、結局その場で自らの想いを打ち明けることが出来ず、ただ、彼女の言葉にアンダーラインを引くに留まった~今作へ。