生きていけるだろう
相変わらずだね
久しぶり
昨日 君じゃない人の夢を見たよ
だいぶ昔の話さ
彼女は相変わらず綺麗で無邪気だったよ
僕の手を引いて 叢の中に走っていくんだ
君の事を愛してなかった訳じゃないけど
彼女が居なくなってぽっかり穴が空いたのも本当さ
彼女は勝手な人だった
笑って僕を追い回しては いつも何処かへ連れて行く
近くのラベンダー畑に連れていけば
そこで腕を組んだ
夏になると僕の首根っこを掴んで
雑木林の手前でご飯を食べた
嫌じゃなかったんだ
彼女の笑った横顔が見れれば
少しからかわれても
僕は幸せだったのかもしれない
告白の言葉だって覚えてる
拙い言葉だけど 彼女は
いつもと少し違う笑みで応えてくれた
分からない 分からないけど
僕は彼女越しに君を見ていたのかもしれない
彼女の事も長い間 正直言うと忘れてたんだ
思い出の隙間で息を潜めてたんだ
それでもあの笑顔は僕を連れていった
朝がこんなに憎いと思ったのはこれが初めてさ
いや きっと忘れてるだけなんだろう
前に彼女とあった日も
きっとそう思ったに違いないのだから
結局 僕は誰も守れなかったね
彼女はラベンダーの中に消えてしまったし
君はテニスコートから抜け出せていない
僕だけ宙ぶらりんのくせに
何かを掴んだ気になってる
許してほしい
漠然と愛してると言わせてほしい
僕の事を嫌いだと 殺したいと言ってほしい
そうすれば 少しは