プロローグ①
かつて、この世界を恐怖へ陥れた魔王がいたと言う話は誰もが知っている事実である。
そして、それを見事打ち倒し封印した勇者が、この世界とは異なる世界から召喚された人間だと言う話も事実である。
現存する<ロガール>と言う国は、初代勇者と呼ばれる男が魔王を封印した後に建国して王となり、今現在も彼の統治にある国だ。
また、初代勇者と共に旅をした仲間たちは、その国の治安を維持するための騎士として召し抱えられる事となった。
これが、<ロガール騎士団>の始まりである。
そして、彼らの偉業にあやかるように多くの人々は騎士団へ志願した。
更に、この世界の価値観で差別を受けていた様々な種族も快く受け入れる王のひととなりで、志願者は種族の垣根を超えて行く事となった。
年々増えて行く志願者の中には、剣を扱う事すらままならない者もいた。
王はそんな彼らを騎士として育成する為の学院を作り、次々と優秀な騎士を世に送り出している。
現在、この世界に存在する大騎士団は、ロガールをおいて他にはないと言われる程に志願者は後を絶たなかった。
勇者を王として、その身辺と城の警護は第一騎士団が。
偵察任務を主とするのは第二騎士団。
東の国境エリアを警護する第三騎士団。
西の国境エリアを警護する第四騎士団。
南の国境エリアを警護する第五騎士団。
北の国境エリアを警護する第六騎士団。
国内の治安及び王都周辺の警護を主とする第七騎士団。
魔術を得意とし、戦闘補佐と結界で王都への魔物の侵入を防ぐロガール魔術団。
そして、彼らを影ながらも支える治癒の魔術や技術を専門としている医療団。
これらがロガール騎士団の構成である。
―――文献「初代勇者とロガール騎士団」より引用
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