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王を継ぐもの
3人の息子を国王が呼び集めた。
「どんな国を作りたいのか、どんな国王になりたいのか話してほしい」
長男「私は、平和で美しい国を作りたい。そして、平和の象徴として君臨します」
次男「私は、環境と国民に優しい国を作りたい。エコを率先する国王となりたい」
三男「俺は、なにもしない。別に国王になりたいとも思わない」
半年後、熟考の末、国王は後継者を発表した。
「三男を国王に指名する」
なぜ三男を指名したのだろうか?
国王は、一番心配な息子を国王に指名したのだ。三男は財産権も拒否しそうだし、放っておけば、無欲な三男は裕福な暮らしはできないだろう。一番心配な息子を跡継ぎにするというのは親心なのかもしれない。国王も一人の親なのだ。




