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ドラゴン・・・
ふぉおおぉ〜ファンタジーきたー!
ドラゴンの国ってドラゴンに乗ってるんだー。
赤、青、白・・へぇ〜色んな色がいるんだ。他の色もいるのかな?カラフルだねぇ。三頭いるって事は3人来たって事かな?
大きいなぁ。踏み潰されないように距離を取りつつ近くに寄る。
触りたいけど勝手に触っちゃダメだよね?
見るだけにしとこう。
ほぇ〜と見てると、ドラゴンもこちらをチラチラ見てくる。
でも、動かないし威嚇もしてこないから、キチンと躾けられているんだろうな。
そういえば何かの本でドラゴンは知能が高いとか何とか・・・
まぁ、いいや。部屋に戻ろう。
ドラゴンに手を振って立ち去る。
あーあ。お昼も塩コショウ味かぁ。
他の味が食べたいっ!基本的な事教わったら出て行こうかな?一般人には礼儀とかマナーとかいらないよね?日本のマナーでも大丈夫だよね?
部屋に着いたら昼食が届いてた。
鑑定して黙々と食べる。
塩コショウ味飽きたよー!
午後は本を読もうとカバンから取り出したらノックの音。
「どなた?」
「宰相様がお呼びですので一緒に来て下さい。」
「宰相・・・行きたくないなぁ。」
「そう言わずにお願いします。無理なら騎士様に連れて行ってもらいます。」
はぁーっため息をつく。
騎士に力ずくで連れて行かれるのも嫌だけど、そこまでしてでも呼ぶって事にイヤな予感がする。
仕方ない、腹括って行きますか。あっ、何かあって逃げるかもしれないから荷物と言ってもカバンだけだけど、持って行っとこう。
「案内して。」
メイドはホッとしたように頷いて先に歩き始めた。
前からマサトが走ってくる。
もっさり頭が更にボサボサに服もヨレヨレになってる。
「マコ!俺を置いて行くなよっ!あの女お前を追いかけようとしたら邪魔しやがって・・探したんだぞ!」
「今から宰相に呼ばれて行くところだから戻ってから聞くよ。時間ないからあとでね?」
「俺も行く!」
「あんたは呼ばれてないからこなくていいの!」
「チッ!わかったよ。終わったら俺の部屋に来いよ?」
「ハイハイ。じゃあね。」
疲れる。
案内された部屋に入ると王様と初めて見るおじさんとうるさいマント男がいた。
このおじさんが宰相か。ふーん。
ソファに座ると
「勝手に座るとは礼儀もしらぬか!小娘!」
マント男のうるさいこと。
「こっちの礼儀なんか知らないって言ったよね?覚えてないの?私からすれば、女性が部屋に入ってきたのに椅子から立ち上がって迎える事もせず、椅子を勧めることもせずに踏ん反り返ってるおじさん達の方が礼儀知らずなんだけど?」
「なっ、なにを」
「よせ。失礼した。それよりも話がある。」
「あなたが宰相サマ?宰相補佐のパートリッジさんに明日から、こちらの一般常識とか教わるのでよろしくお願いしますね?」
「パートリッジの件はいいんだが、あなたに話がある。」
「お断りします!」
「そう言わずに頼む!聞くだけでも聞いてくれ!」
頭を下げてくる。
「私が話を聞けと言っているのだ。いう事を聞かぬか!」
えらそうに王様が口出ししてくる。
「私はあなたの臣下でも民でもないんだけど?えらそうに言うだけなら誰でもできるのよ!まったくムカつくおじさんよね。聞くだけ聞いたら断ってやるからね!」
「いや、断られると困るのだが、とにかく話を聞いてくれないだろうか?」
頭を下げたまま宰相サマが言ってくる。
「頭を上げて下さい。宰相サマに免じて話を聞きますが、聞くだけですよ。貴方達の言うことを聞く気はないので。」
「聞いてくれるだけでも助かる。実はドラゴンの国から使者がきて、黒髪の乙女にドラゴンの国にきてほしいとの事なんだ。この世界に黒髪はいない。黒髪を持っているのは召喚された4人だけなんだ。その中で乙女は貴方だけ。だから、貴方に話をしているんだ。」
「聞いていい?召喚の事、他国も知っているの?私達の情報はどこまで漏れているの?ドラゴンの国の人はなぜ黒髪の乙女がほしいの?答えてくれる?」
「召喚の事は他国には言っていなかったんだ。私は反対したんだ。それを私がいない時を狙って・・・しかたないから姫様達に縁談を持ってきた使者達に断わりを入れていたんだ。最初は穏便に済んでいたが、姫様達が相手の男性と一緒にきて、この人と結婚するから貴方達の国には行かない大人しく国に帰りなさいと言ってしまってな。この国は大国だから、逆らうと自国がどうなるかと我慢していたんだろうが、相手の男性を見てどういう事だと騒ぎになったところで、また姫様が・・・召喚したと、そういえば女性もいたような?とかなんとか言って大騒ぎだよ。その対応に追われている最中に、ドラゴンの国から使者がきたんだよ。黒髪の乙女を欲しがる理由はわからない。教えてもらえなかったんだ。」
ふぅーとため息をつく宰相サマ。
私も、はぁーっとため息をつく。
「なんなの?姫達のやらかしようは?バカなの?バカだったね!バカな姫の親は何を教えていたのかしらね?その場にいた人達はとめなかったの?信じられないわ!この国大丈夫なの?えらそうに威張ってるおじさんにバカな姫しかいないの?宰相サマが頑張ったってどうにもならないじゃない!」
「小娘、さっきから王族をバカにしおって、許さんぞ!」
マント男が掴みかかろうとしたところで、
トントントン
ガチャッ
入ってきたのは3人の男性だった。