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翌朝、顔を洗って着替える。
昨日の夕食から味が変わると喜んでいたら、塩味が塩コショウ味になっただけだった。コショウが加わっただけ・・・嫌がらせ?
メイドに聞いても、食事はコレですしか言わない。みんな塩コショウ味なの? 他の調味料ないの?
黙々と朝食を食べて、ゆっくりしてるとメイドが呼びにきた。
案内してもらってると、廊下ですれ違う使用人達がチラチラ見てくるのが鬱陶しい。
部屋に着いて椅子に座るとマサトもくる。
あー忘れてた。嫌だなぁ。
「はよ、マコ」
「おはよ」
「なあ、ここを出たらどうするんだ? 俺と一緒に行動しないか?」
「まだ決めてないけど、1人で行動するのは決まってるよ」
「1人って・・いやいや俺も一緒に行動するからな?知ってる奴が一緒の方が安心だろう?」
「安心できない。あんた見た目と違ってグイグイくるけど、そういうの嫌いだから」
「何言ってんだ?見た目なんかどうでもいいだろう?なぁ、マコ。」
「私じゃなく王様とかにグイグイいってよ!」
あー私こんなに口悪かったっけ?
トントンとノックの音。
「お待たせしたかしら?あなた達に教えるように頼まれたの。私は、エリーゼ・クアトロよ。よろしくね。」
20代後半かな?落ち着いた感じの人だから、ちゃんと教えてくれればいいな。
「マコです。よろしくお願いします」
「マサトです。よろしくお願いします」
「ウフフ。マサトは何を教わりたいのかしら?」
言いながらマサトの手を握っている。
「離してくれ!」
手を振りほどこうとするが、
「きゃっ!」
と言ってマサトにしがみついている。
ダメだ、こりゃ。
見た目もっさりなのに、タイプなのだろうか?
ため息をついて部屋を出る。
マサトが何か言ってたようだが知らない。勝手にしててくれ!
その辺にいたメイドにパートリッジさんのところに案内してもらう。
パートリッジさんの執務室に入って、
「教える気のない人を寄越してどういうつもり?約束守れないの?あなたでは話にならないなら宰相はどこ?王様でもいいのよ?連れてきなさいよ!」
慌てたパートリッジさんによると、宰相は姫様達が近隣の国との婚約を断ったことで外交担当の人達と対応に追われているのに、ドラゴンの国の使者が急にきたから王様と対応しているらしい。
今度はきちんと教える人を寄越すので、待っててほしいと言う。
「また教える気のない人が来るかもだから、もうパートリッジさんが教えてくれればいいよ。
明日からよろしくね〜。」
「いやっ、待って下さい!」
無視して部屋を出る。
自分の部屋に戻る途中、庭に行ってみたけど人の気配がするから魔法の練習は諦めた。
部屋に戻ろうと歩いていると、不思議な気配があったのでそこに行ってみるとドラゴンがいた。