第九話 泊まり2
コンコン!!
突然の扉のノックにビクッとしながら興奮している自分を落ち着かせていた。
「は〜い」
と真矢が扉を開けるとお母さんがお菓子と紅茶を持ってきてくれた。
「お茶でもどうぞ」
と笑顔のお母さんは純を見た。
「こんばんわ」
と純が会釈して久々に会うのだけどお母さんは絶対にわからないだろなと思った。
「あら〜初めてかしら??」お母さんはとてもにこやかに話かけてきた。
純はかなり対応に戸惑った。
「そうですね。純っていいます」
真矢は純と名乗った事に驚いたがはっと気づいた。
純の名前は女と男どちらも使える事を。
「純ちゃんね。ゆっくりしていってね。」
お母さんは終始笑顔で部屋から出た。
ふぅ〜っと純は肩の力を抜いた。
純なりに女の子を演じたからだ。
「あんたの名前って男でも女でもどっちも使えるのね。」
真矢が紅茶を飲みながら言った。
「俺も言った後に気づいたよ。女の子演じるのも楽じゃねぇな」
お菓子をかじりながら純は態度だけは男だった。紅茶やお菓子を食べて一息ついて今後の話に移った。
「どうやって女の子になったかわからない以上、女として生きるしかないよぅね。」
真矢は腕を組ながら話した。
「あぁ〜やだなぁ。精神的に疲れる。」
純はため息をつきながらうつむいた。
「仕方ないでしょ。ちゃんと女の子演じるのよ」
純はさらにため息をついた。
「女の子演じろって言われてもわかんねぇって」
それを聞くと真矢は紙を取り出し何かを書き始めた。
少ししてペンを置いてその紙を渡してきた。
そこに書かれていたのは[女の子マニュアル!!]
・男言葉禁止
・トイレは座って
・あぐらなど座り方に注意
・ブラやパンツに気をつける
・生理に注意
・女の子の裸に興奮しない
などなどの内容だった。
「なんだよこれ!?女の子マニュアル??」
純は凄く嫌そうだった。
「文句いわない!!姿は女の子なんだから」
真矢は毅然とした態度で言った。
「わかったよ。やるしかないんだしやるよ」
純はため息をつきながらしぶしぶ返事した。
「あとの問題はどいして俺は女になったかだよな」
二人は頭をかかえた。