第19話 侵入開始
夜中の人気のない学校はとても静かで凄く不気味です恐ろしかった。
校舎も食堂もグランドも真っ暗で眠っているようだった。
「真矢!!早くこい!!何にしてるんだ??」
先に歩いていた純が振り返ってボーっとしている真矢に呼びかけた。
「うっうん!!今行く」
足早に進む純の後を追いかけた。
学校は二人の足音しかしない。校舎の裏側にある生徒指導室の窓についた。
「ねぇ、窓の位置高いけどどうやって登るの??」
窓を見上げながら不安げに純に尋ねた。
「心配するなよ。この台に登って入るんだよ。」
純は近くにあった何かの木箱を持ってきて窓の下に置いた。
「これからが本番だ。これつけとけ。」
ゴム手袋を真矢に渡して大きく深呼吸をして、真矢も覚悟を決めて窓を開けて侵入を開始した。
校舎内も静かでとてもなぜか寒気を感じた。
ここからは時間との勝負だ。素早く二人は職員室に到着し扉を開けて周りを見渡す。誰もいるはずがなく一気に教頭の机に急いだ。
机の引き出しの数は5つ。二人は虱潰しに中身を確かめていく。
「机の中って性格でるなぁ・・・かなり几帳面だな」書類やプリント、ノートなどが綺麗に並べられている。
手分けして探していたが見つからない。
「ちょっと!!ここだけ鍵がかかってるわよ。」
自分の引き出しを探し終えた真矢が一番したの引き出しに鍵がかかっているのに気付いた。
ちょっと待ったと手を出して自分が見ていた資料を探し終えて引き出しに戻した。そしてニヤニヤ笑いながら背負っていたリュックを下ろして中を探し始めた。
「ちょっと!!何ニヤニヤしてるのよ!!どうするつもりよ」
真矢は焦りながら純を急かし始めた。
あった、あったとリュックからドライバーとペンチを取り出して
「俺を誰だと思ってるんだ??イタズラか悪い事しかしてこなかった男だぜ」
キョトンとしてる真矢を気にしないで純は準備を整えていた。
「今は男じゃないけどね・・・」
ぼそりと真矢が突っ込みを入れて呆れたと顔をした。
「うるせぇ!!静かに突っ込むなよ」
と勢いを失った純だがドライバーとペンチを使って器用に机の鍵を開けた。
「やるわねぇ。早く探しちゃおう」
最後の引き出しは大きい分大量にプリントがあった。
成績や個人情報など重要な書類があった。その一番奥にお目当ての転入届けのプリントがあった。手続きのプリントが三枚必要でそれを全てリュックに入れた時に
[カツ、カツ、カツ、カツ・・・]