第十七話 話合い
真矢に電話をかけるとほとんどコールしていないのに真矢の大きな声で
「ちょっと!!何してたの??何回かけても出ないし!!」
いきなりの真矢の怒鳴り声にひるみながら
「悪いって!!でも俺にもいろいろあったんだって!!」
必死に弁解しながら答えるのが精一杯だった。
「事情はあとで聞くから私の家に来て。学校の事とかもあるから。」
そう言って電話を切り真矢の家に向かった。
呼び鈴を鳴らして真矢の部屋に招き入れられた。
「もぉ!!で今日何があったの??」
真矢の怒りはおさまっていたがかなりイライラはしていた。
「何があったって今日痴漢にあったんだよ。マジで」
そう言って純は痴漢の話をした。
「そうなんだ。それはごめんね。怒ったりして」
真矢は素直に謝った。
「別にいいよ。学校の事とか言ってたけど、何??」
真矢も転入の手続きの事を話した。
「確かに身分証明書の偽装は無理だな。それでその用紙はどうやったら手にはいるんだ??」
腕を組んで悩む。
「その方法がわからないの・・・それを話し合おうと思って」
真矢も悩んでいた。
純が決心したように
「普通に言っても無理ならさ、盗むしかないだろう」
真矢は悩んだが
「やっぱりそれしかないのかなぁ・・・」
かなり苦渋の決断だったが二人で考えたがそれしかなかった。
「盗むなら夜しかないな。学校があいてる時間はずっと先生がいるし。」
真矢も頭を使いながら
「そうね。でも戸締まりはしっかりしてるしどうするの??」
純はニヤリと笑いながら
「前に隆之とテスト盗もうとしたことあったんだ。それでどっかいい侵入場所はないか探してた時に生徒指導室は戸締まり確認しない事に気づいてさ。そこから入ったんだ。だから鍵さえあけてたら侵入は出来る。」
純は紙とペンを取り出して学校の侵入ルートを書いた。
「でも学校にだって侵入感知センサーはついてるでしょ??それはどうするの??」
純は手を止めて答えた。
「警備会社が学校にくるまで前はだいたい一時間ぐらい。それまでに探し出すしかない。」
純と真矢は学校侵入計画を話し合った。
「まず真矢は学校に行って生徒指導室の鍵をあけておく。それで深夜に生徒指導室の窓から侵入。職員室で転入用の書類を盗む。あとは逃げるだけだな。」
危険だが方法はこれしかなかった。
「わかったわ。やるしかないわね。」
結構は明日に決まった。