第十六話 学校
真矢は純と別れて学校に向かった。
今日は学校でしなければならない事がたくさんあるなと考えているといつもの通学の道が早かった。
教室に入ると千佳子や数人がすでに登校していた。
「おはよう、真矢。宿題やった??」
千佳子が手を振りながら真矢の前の席に座った。真矢は鞄から宿題を取り出して
「もちろん。やってるわよ」
千佳子は手を合わせて頭を下げた。
「お願い!!宿題見せて!!昨日寝ちゃって」
千佳子はいつも同じ理由で頼む。
「今度は自分でやりなさいよ。はい」
ノートを渡して教科書を机にしまっているとチャイムが鳴り教室にぞろぞろと生徒が入ってきた。
先生は少し遅れて教室に来て出席をとり今日1日の学校が始まった。
昼休みまでは普通に授業をうけてお弁当を食べ終わったところで隆之に呼びとめられた。
「悪いな、呼び止めて」
「全然構わないけど、どうしたの??」
千佳子達には先に行ってもらい廊下で話した。
「純の事何か聞いてるか??あいつ電話にも出ないし」
隆之は不安げに尋ねた。いつもバカばかりしていた親友が突然いなくなったのだから心配なのは仕方ない。
「あぁ〜。えっと・・・私は何も聞いてないかなぁ」
純の事はわかっているが今話ししても信じられないだろうから曖昧に答えた。
「そうか・・・わかった。ありがとう。放課後にでもあいつの家行ってみるかな」
「えっと・・・それはやめた方がいいんじゃないかな」
隆之に今の純を説明してもわからないだろうしまだ伝えるべきではないと思ったからだ。
「そっそうか??確かに俺のキャラでもないしな」
隆之は心配を隠しながら笑って廊下を歩いていった。
教室に荷物を置いていると
「ねえねえ??隆之君と何の話だったの??」
千佳子は何か勘違いしたような顔で聞いてきた。
「何を聞きたいのか知らないけど純のことよ」
真矢はさらりと言った。
「ちょっと職員室行ってくるね。先生に聞きたい事あってね」
「あんたは真面目ねぇ〜」千佳子は手を振って送り出した。
真矢は職員室に入って担任の武部先生を呼んだ。
「どうした??小酒井??また勉強の質問か??」
武部先生は数学の先生で質問をしに行くといつも嬉しそうに答えてくれる。
場所を学習室に場所を移して真矢は数学の事を聞いていた。だが本当に聞きたいことは違った。
「先生、この学校って転入とかってどうやって受け入れとかするんですか??」
何気ない会話のように真矢は聞いた。
「転入??あぁ〜、ここだけの話この学校は書類さえだせばすぐに出きるんだ。」
先生は数学の問題を教えながら答えてくれた。
「へぇ〜。その書類って手続きとかは難しいんですか??」
問題を解きながら純に関わる重大な事を平然と何気ない会話で聞いた。
「手続きは簡単だぞ。手に入れるまでに時間はかかるが教頭の机の中にあるからな。」
問題を完全に解き終えて昼休みの予鈴がなった。
「ありがとうございます。それじゃあまた授業で」
真矢は出て行き授業に出た。
授業中はどう書類を手に入れるかを考え続けた。
[くださいって言っても無理だし、書類を手に入れるために身分を偽るのは厳しい。]
「どうしようかな・・・」
考え事をしてる早くも放課後になった。
「純に電話しなきゃ。」千佳子と途中まで一緒に帰りそれから電話をかけたが純は一向に電話に出ない。
家に帰って電話をしても純はでない。
怒りが頂点にたっした時に純からの連絡が入った。