第12話 出発
目覚ましの音で純は目覚めた。
何度寝て起きても自分の姿は女だった。
起きた時にすでに真矢の姿はなかった。
背伸びをして布団から出た時に扉が開いた。
「早く起きて。ご飯出来てるから」
真矢はもう制服に着替えていてコーヒーと食パン、目玉焼きをトレイにのせて運んできた。
「起きたばかりだぞ。いきなり食えねえよ」
頭をかきながらブツブツと呟く。
「男言葉は禁止でしょ!!あなたはどんな流れにしろ女の子なんだから」
真矢は[女の子マニュアル]を取り出した。
「めんどくせぇ〜。」
と純は立ち上がって部屋を出て行った。
「ちょっと!?どこ行くの??」
真矢が尋ねる。
「トイレだよ!!」
言葉が荒れてしまった。
「ほら!!これ!!」
真矢は[女の子マニュアル]を見せる。
「わかりました。トイレです。」
純は嫌みっぽく言ってトイレに行った。
扉を開けてトイレに入る。
「真矢は母さんかよ!!」
っといつものようにトイレをしようとしたとき
「おっと!?」
素早い動きで便座に座った。
まだまだ慣れない女体にイライラしていた。
真矢の部屋に戻ると何着か服がまとめられていた。
「しばらく私の服貸してあげるから。あと学校とかどうするの??」
真矢は立ち上がりながら聞いた。
「行かなきゃいけないとは思うけどさぁ。どうすればいいかわかんないし」
朝食を食べながら答えた。
「一応転入について調べておくけど。」
真矢はコーヒーを飲んだ。
「まぁ、なとかなるさ」
朝食を終えて真矢が用意してくれた服を着ようとした。
「ちょっと!!いきなり服脱がないでよ」
真矢はビックリしてコーヒーをこぼしかけた。
「女の子なんだから脱ぐ時は気を使ってよね。」
「いいじゃん。」
と言って真矢が用意してくれた服を着た。
「・・・なぁ!!なんでスカートなんだ??」
ピンクのインナーに白いYシャツに黒のジャケット。スカートはチェックのミニスカートだった。
「似合うと思って。ほらこれはいて」
と笑顔で真矢はニーソックスを渡してきた。
しぶしぶニーソックスをはいて鏡の前に立つ。
「可愛い・・・」
自分の姿にキュンとなった。
「あとはメイクね。ここ座って」
真矢に言われるがままにメイクと髪の毛をセットしてもらった。
「これでよし」
真矢は鏡を渡してきた。
自分がみてもこの顔は可愛いとおもった。
「私はこれから学校行くから。純はどうする??」
真矢は学校の準備をした。
「俺は買い物でもしてる。あとはなんでこんな変身したのか調べてみる」
荷物をまとめて真矢と一緒に出た。
「じゃあ学校終わったら連絡するから。」
手を振って別れた。