第十一話 脱出
唇から少し離れて息をする。
真矢のにおいで頭がいっぱいになる。
ほんの出来心がこんな事態に発展するなんてかんがえてなかった。
口を開けて息をする。
今起きられたら終わる・・・
そのとき!!
にゅる!?
口の中に柔らかい何かが入ってきた。
「!?!?!?!?」
言葉にならない声で叫ぶ。
その柔らかいなにかわ口の中を動きまわっている。
舌にからみついた時に気がついた。
真矢の舌が口の中を動き回っている。
ディープキス!?
なんで!?!?
何もすることが出来ずに口の中を動き回る舌に身を任せるしかなかった。
キスをし始めてどれくらいの時間が経過しただろうか。
ずっと真矢は寝たままだが唇は繋がっている。
離れようにも真矢に抱きしめられているから逃げる事も出来ない。
もう覚悟を決めて起こそうとした時だった。
真矢の抱きしめる力が抜けたのだ。
このチャンスは二度とない。
純は素早い動きで真矢の腕から抜けて無事生還した。
腰が抜けたように床に座り込む。
息は荒く顔は火照り熱かった。
それから少しして真矢が起きた。
「ふぁ〜・・・寝ちゃってた。ん??純どうしたの??顔真っ赤だけど。」
純は真矢の顔を見ながら
「べっ別に・・・なんにもねぇよ・・・風呂が熱かっただけだよ!!」
出来るだけ普通にしようとしていた。
「そうなの。お風呂空いたのね。私入ってくるから。」
そういって真矢は部屋を出て行った。
1日に人生の変化と信じれない事が起きすぎて疲れがどっと出てきた。
そしていつの間にか眠ってしまった。