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プロローグ 悪役令嬢

赤や朱色に濁っていく空を見つめながら、私はつくづくこう思った。


……ここどこ?



さて、ここで私がこの状況に至るまでの経緯を思い出してみよう。


大学帰りに猫撫でてたら背後から刺される。

気付いたら病院とかじゃなくて原っぱ。

服がなんかドレスだし体が小さくなっているし髪の毛が銀色だし。


うんうん。

…いやなんで?


いやいやいやいや、おかしいでしょ。

うんうん。

じゃないでしょ。


そしてもう一度言おう。


…ここどこ?????


…とりあえずお家帰りたい。ほかほかのおでん食べたい。


「ほんっと…どうすれば…」


自分の声を聞いてぎょっとした。


………声がなんか可愛くなってる。


待て。この声聞き覚えがすごーーくある。


この声って私がやってた乙ゲーの悪役令嬢の、レイザ…えーと、フルネームは…レイザ・トーシェンドの声だぁ。


それにこのドレスもなんか見た事あるなぁとか思ってたら正にそれだったぁ。


…えぇ?


なに?つまりあの時死んで転生トリップなるものをしたの?


…えぇ?


というかなんでよりにもよってコレなの?

これの悪役令嬢ってどのルートでも死んじゃうし…その上その処刑のされ方が酷いんだよねぇ…。

ネット見たらレイザが流石に可哀想みたいなコメントいっぱいあったわ。



そういえばここってどの場面だっけ。


えーと、やり込んだら見れる過去編みたいな奴だよね。


確かレイザが理不尽に怒られて、家出してー、それで初めてレイザは全てを我が物にしてやる。みたいな感じに決意してー、どんどんどんどんエスカレートして行ったんだよね。



…ん?あれ?コレってアレじゃん、今ならまだ悪役令嬢ルート回避出来るじゃん。

悪役令嬢の邪魔も入らずにヒロインは攻略対象ときゃっきゃするのね!

やったぁ!コレで平和だね!!



…あ。


そうだよ。思い出したよ。このゲームの攻略対象は、みんな何か闇を抱えてて、ヒロインと一緒に悪役令嬢と立ち向かう事によって何かのキッカケを作られ、それでHappEendだった筈。



…回避出来なくね?


待って待って、どうしようもないじゃんこんなの!!

私は攻略対象ともヒロインとも関わりたく無いのにぃ…!!


私があーとかうーとか唸ってると、誰かの声が私を呼んでいた。


…あー、レイザのお父さんか。


「レイザ!」


レイザのお父さん…お名前思い出せない。ダメだ。

そのレイザのお父さんは私に抱き付いてきた…うーん、苦しい。


そういえば、レイザの演技をしなければ。


「レイザ、ごめんよ。あれはお父さんやお母さんに非があった。」

「お、お父様、もういいんですの、過ぎた事ですもの。

そ、それより、苦しいですわ。」

「あぁ、つい強く抱きしめてしまった。ごめんよ。」


レイザのお父さん…長いなぁ、お父さんでいいや。

お父さんは私を離すと、私の頭を優しく撫でた。


「さぁ、帰ろう?」

「はい!」


お父さんに差し出された手を繋いで、お父さんに着いて行った。


…まぁ、今は悪役令嬢と言うのは忘れよう。



…うん。考えるのは今度にしよう。

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