表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/67

三話目



 「おーい!ちょっと入れてくれないか?」


 大体テントから10メートル程度まで近づいたので、話しかける。


 「誰だ!」

 「だから、知らない人に槍を向けるんじゃない!」


 金髪の男が、俺に槍を向けて、それを青い髪の女に拳骨されながら止められていた。

 というか、テントの中に連れていかれていた。

 金髪の方は背が180程度で、青い髪の方は背が170程度だった。 

 

 そうとう仲がいいんだろう。


 とか思ってると、茶髪で背が170位の男が話しかけてきた。

 剣を背負っているあたり、剣士なんだろうか。 


 「悪い。あいつは人見知りでな。まぁ、テントは貸すが……こんな場所で一人なんて、何かあったのか?」

 

 ……どうする。こんな質問は想定してなかったぞ。馬鹿正直に異世界から来たとか言っても、頭おかしい奴って思われるかもしれないし。というか思われるだろ。

 …とりあえず、記憶喪失とかでごまかしてみるか。


 「……なぜだか、記憶が無いんだよ。気付いたらこの草原にいて、ステータスを見て分かったことは、俺はヨシダ・チヒロっていう男、っていうことだけだ。」

 「…それは…大変だったな。」

 

 セーフ。…よかった。ここで怪しまれたらどうしようも無かった。


 「まぁ、自己紹介でもしよう。入ってくれ。」

 

 俺が内心で安堵していると、茶髪の男はそう言ってテントの中に入って行く。俺も、続いてテントの中に入った。

 

 まぁ、テントはテントだという事だろう。風が防げる以外は、あまり外と変わりなかった。


 俺が入口から一番遠いところに座り、そこから輪になるように座った。


 「俺はセネガル。冒険者ランクはCだ。このパーティーのリーダーもやっている。まぁ、街までは連れてってやるよ。」

 

 茶髪の男が、最初に自己紹介を始めた。

 セネガル…どっかの国だったけっか?


 まぁいいか。今度は金髪の男だ。


 「俺はジャック。セネガルと同じで、冒険者ランクはCだ。」


 で、青い髪の女。さっきは見えなかったが、弓を持っている。


 「私はランネル。冒険者ランクはCだわ。」


 今度は、ずっとテントの中にいたであろう緑の髪をした女。魔法使いなのだろうか、木の杖を持っている。【神眼】で見れば分かるんだろうが、必要な時以外は使わないようにしておこうと思う。


 「私はノルン。冒険者ランクはC。」


 じゃあ俺の番か。


 「俺はヨシダ・チヒロだ。セネガルには言ったが、記憶喪失で、記憶が無い。色々と教えてくれると助かる。」


 俺のその言葉に、沈黙が走る。


 まぁ、いきなりやって来た人間が記憶喪失だったら普通こうなるよな。

 

 沈黙が数秒走り、俺が何か話題を提供しようかと思ったと同時に、外から足音が聞こえてきた。

 かなり数が多い。 


 「…なんだ?」

 

 セネガルもそれに気づいたらしく、テントの外へ出た。


 「なっ!?おい!お前ら、逃げるぞ!」

 

 セネガルは、この世の終わりかのような表情をしながら叫んだ。

 

 「何があった?!」


 ジャックは、セネガルが慌てる姿を初めて見たかのように焦り始めていた。 


 「ゴブリンの群れだ!ざっと数えても100匹はいるぞ!」

 「「「なんだって!?」」」

 「そんな驚いてねぇで、早くテントを出ろ!」


 ゴブリンってあのゴブリンか?異世界でおなじみのあれ?


 冷静な頭で、ゴブリンについて考えながらも、促されるままにテントから出た。


 「『身体強化』!」


 ノルンが、魔法を掛けた。…逃げるのに身体強化まで使うのか?


 そう思って、ゴブリンに【神眼】を使って、ステータスを確認してみた。



=======================


ゴブリン

 魔物


 レベル 1

 

 HP 103

 MP 32

 力  107

 物理攻撃耐性 23

 魔法攻撃耐性 22

 精神 24

 運  34


=======================



 大して強くないじゃないか。

 …あぁ、数が多いから逃げてるのか。

 

 「おいチヒロ!何ぼさっとしてる!早く逃げろ!」


 セネガルが、かなり焦って叫んでいる。

 身体強化は流石というべきか、この数秒で4人は俺から20メートルは離れていた。


 「大丈夫だ!俺のステータスなら、問題ない!」

 「でも!」

 

 ちょっと無視しとこう。


 HPが100程度だったら、ここから石を投げても倒せるんじゃないか? 


 という軽い思いで、丁度足元にあった石を投げてみる。

 すると、ヒュンッ!と鋭い音を出して飛んで行った。

 

 数秒後、頭の中には機械的な音声が響いた。



 『レベルが上がりました』


 『レベルが上がりました』


 『レベルが上がりました』



 貫通したのかよ。しかしまぁ、本当に石を投げるだけで倒せるとは思わなかったな。 


 魔物だから、8倍上がるんだっけ? 

 えっと、3回上がったから…8192×8×8×8…いくつだ?


 ……大人しくステータス見よう。


 

====================



 ヨシダ チヒロ

 性別 男

 年齢 15

 レベル 14


 HP     4194304

 MP     4194304

 力      4194304

 物理攻撃耐性 4194304

 魔法攻撃耐性 4194304

 精神     4194304

 運      4194304



========================



 …これなら何の問題もないだろうな。


 俺は、ゴブリンの群れに走って飛び込んでいった。




誤字脱字等があれば報告お願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ