二話目
目を開けると、見知らぬ天井だった。
起き上がって周りを見ると、小さい小屋の中のベッドで俺は眠っていたようだった。
机の上には、わざとらしく手紙が置かれている。
読まなければどうにもならないのだろうし、読むことにした。
『やぁ。気分はどうだい?
君の体は、左手の指が無くなっていたから、こっちで別の体を用意させてもらったよ。
…ちょっと思い出し笑いで、その体の年齢が15歳になっちゃった。ごめんね。
そのお詫びとして、アイテムボックスを使えるようにしておいたよ。
おまけに、頑張ってバイトした分のお金もアイテムボックスにいれておいたよ。
話が逸れたね。
ちょっと、ステータスって言ってみてくれるかな?』
まぁ、会話をしているわけでもないし、ステータスと言ってみた。
「ステータス」
すると、半透明な板のようなものがでてきて、そこには色々と書かれてあった。
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ヨシダ チヒロ
性別 男
年齢 15
レベル 1
HP 1
MP 1
力 1
物理攻撃耐性 1
魔法攻撃耐性 1
精神 1
運 1
スキル
【神眼】
『【鑑定】の上位互換であり、【千里眼】の上位互換でもある。』
【女神スーエの加護】
『生物(人間以外)を殺める度、レベルが必ず1上昇する。
レベルが上昇するときの、ステータスの増加具合は生物の種族による。
植物は2倍に増加
動物は4倍に増加
魔物は8倍に増加』
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「…ステータス云々より、加護強すぎないか?」
まぁ、何かあるんだろう。と、手紙に再び目をやった。
『今、ステータス低いと思ったでしょ。
でもね?よく考えてみて?今、その小屋の周りに生えている草を10本焼いたら、ステータスが1024になるんだよ?
今、動物を10匹倒したら、100万を超えるんだよ?
今、魔物を10匹倒したら、なんとなんと10億までいくんだよ?
まぁ、そんな強い加護をあげた訳だし、自由に暮らしてね。
その小屋の中の物は自由に持って行っていいからね。
それじゃあ。』
そっと手紙を、アイテムボックスにしまって。
俺は、窓を見ながら呟いた。
「……【神眼】…試してみよう。」
まぁ、とりあえず【スーエの加護】の中にある魔物でも見てみるか。
魔物って、ゴブリンとかでいいんだろうか。
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魔物
魔石を持った生物全般を指す。
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…そういうことを知りたかった訳じゃない。
まぁ、いいか。
まず先に、草を焼いておこう。
ステータスが全部1とか…すぐ死ぬだろ。
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草を9本焼いてきた。
ステータスは全部、512まで上がった。
小屋の中を色々探すと、ナイフが出てきた。
【神眼】で見たところ、ミスリル製だった。魔力を流せば流すほど切れ味が良くなるとのこと。
あとは、白色のローブもあった。
一応【神眼】で見たら、凄い効果がついていた。
周りの気温が暑かろうが寒かろうが適温にしてくれたり、物理攻撃も魔法攻撃も全て弾くとのことだった。
それと、小屋の中に全身鏡があった。
そこで自分の姿を見てみると、背が160位しかなくなっており、髪色が赤になっていたが、目の色は黒のままだった。
自分で言うのもあれだが、凄い美少年だった。
「さて。そろそろ人に会いたくなってきたし、人が住んでいる場所でも探すか。」
日は高い場所に登っていたので、早速出発した。
小屋の外には、道と呼べるものが無かったので、適当に走った。
途中で、熊に会ったり、猿に会ったりしたが倒した。
ステータスが上がっていたのが幸いして、熊は5発殴って、猿は2発殴って倒すことができた。
それぞれ一体ずつだったが、しっかりとレベルが上がった。
確認したところレベルは11、ステータスはそれぞれ8192だった。
何時間か走り続けて、日が傾き始めた頃、森を抜け、草原に出た。
それと同時に、遥か遠くにだが建物を見つけることができた。
せっかく見えたのだし、障害物も無いので、走る速度を上げることにした。
……まさか、ただ走るだけで地面が20センチ程陥没するとは、思いもしなかったが。
そして、日が暮れるかというところで、男女混合の4人組を見つけた。
その4人は、何やらテントを張っていた。
「せっかくだし、お邪魔させてもらうか。」
俺は、走るのを辞めて、歩きながらテントに近づいて行った。
…怪しまれないといいのだが。
誤字脱字等があれば報告お願いします。