お金...
展開が思い浮かばないなぁ...
といった顛末があったところで、俺たちは無事ローズの町に入れた。
チュートリアル系の町だから、特にやることもないんだよなぁ..
そんなこと考えながら周りを見渡す。・・・!?
...全然違うじゃねえか!活気が!
そう。まだ彼はわかりきっていなかった。ここはあのゲームの基となった場所ということを。。
「ようあんちゃん!魚!魚買わない?取れたて新鮮でおいしいよ!」
「果物!今日はりんご安いよ~~! あ、あんちゃん3つで60rだよ~!」
「あんちゃんあんちゃん! 初心者だろ剣買ってけよ!安くしとくぜ~」
「...よばれてるぞアンちゃん。」
「..!?わ、わたしじゃないもん!」
よくある歓迎を受けたらしい。初めて見た顔だからかやったら商品を押してくる。
これは疲れる。さっさと宿いって寝よう。宿宿宿やどやど...
「..ねぇ!さっきから聞いてるの!うちの店がどれだけ安くてどれだけおいしい料理を出してどれだけ布団がふかふかしてるか!
聞いてなかったでしょう!ねぇ!他の宿に行かないうちにさっさと決めちゃってよ ねぇ!ねぇねぇねぇ!」
...騒々しい
この町ってこんなだったか?
もっと静かでこう..初心者がゆっくり選べる「ねぇっ!」
「うるせえなぁあああああああああああ!!!」
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...はっ!また取り乱してしまったようだ僕は紳士僕は紳士。
「ああっ、ごめんね考え事をしていて集中していたんだ!君の話があまりに魅力的でどうしようかと思っていた所さ(君を)」
「...っ!ごめんなさい!考えていてくれたんですね!よろしければぜひ私の宿に泊まってくださらないでしょうか?お安くいたしますよ!」
...あっ!よく見たらこの子あの安宿の子じゃないか!ちょうどいい早く行って寝よう!
「180rだったよね君の店!ぜひ泊まらせてもらおうかな!」
「あっ、ありがとうございます!や、宿まで案内しますね!」
なんかビビってるけどそんなに怖かったかな?
うるせえって言っただけなのに...
やっぱりゲームとは違うな。言動を考えないと。
そんなこんなで案内された宿は普通だった(外見までしか見てない)
「いらっしゃいませ。一泊食事つき180rだよ。」
あれ...お金あったっけ・・・?
「めにゅーで表示されない?」
「.......ない」
「けっ、文無しかよ。帰れ帰れ。いくら安宿でも文無しじゃぁ無理だ。」
「なによもうっ!お金ないのに泊まるなんて言っちゃって!」
「..かえります。・・・」
金がなかった。確認してなかった。
あ”あ”もう!ステータスと金と装備全部引き継げよ!
あ、サブ垢だわこれ。
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「とりまあそこ行くか。依頼市。」
「依頼市行っても装備ないでしょ..?」
「大丈夫だ。これがある。」
そういって鉄の剣を見せた。
「それって初期の配布武器で最弱でしょ?さっき投げて耐久減って攻撃力下がってるし。」
この幼女...できるっ!
「いや、俺なら大丈夫だ。行こう。」
「...ほんとかなぁ」
といったところで依頼市に向かった。
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依頼市 ありとあらゆる依頼を一挙にまとめて引き受ける仲介所。
最も管理された環境で正確な依頼を発注、受注することができる。
依頼内容は多彩で難易度が設定されており、達成率が高い者ほどランクが高い。
低難易度で高ランクを目指すことも可能だが受注量がとても多い。
高ランクになると依頼金が高くなり、儲けやすい。
銅→鉄→銀→金→白金
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「はぁ...ここはいつでもごちゃごちゃしてるなぁ。」
依頼市には人がごった返していた。
あの依頼はあるかなぁ?
「おお!あったあった!サンダーボアの依頼!これがいいんだよ!」
「どこがいいのぉ? びりびりするやつでしょ?」
「こいつの肉、蓄電できるんだよ!」
「ちくでん?意味あるの?」
「意味あるに決まってるだろ?人に投げるんだよ!」
お金はあったけど神が消しました。
面白そうとでも思ったんでしょう。
主人公と同じくらいタチが悪い。