象族の大男と香織の信念 『第8話』
ランス兄弟の主人のフェネック。
彼女の狙いは香織だった。共に行動していたトリスが捕らわれ
反撃の手段を持たない香織は相当苦戦させられる。
然し、そっと見せたフェネックの傷に
香織は触れ、その場を凌いだのだった…
夢を見た。異世界に入る前の夢だ。
会社の上司に馬鹿にされ、怒られていた香織。声は同僚には届かない。
ーー彼女は夜中、悪夢から目を覚ます
「ーーやめて!…え?あ…そっか…夢…か…(あんな感じ…だったんだ私…)」
飛び起きた後、周りを見渡した後。香織は再度ベッドに横になる。
もうその頃に鬱になっていたかもしれない。何も覚えてない彼女はそう思った…
ーーガチャ…
「香織?大丈夫?随分うなされてるようだけど…」
「マイシスさん…大丈夫です」
香織はそう誤魔化した。が、彼女にはそれが通用しない。香織から見える大量の冷や汗はうなされていたという証拠だ。
「嘘おっしゃいな。汗でバレバレよ」
「アハハ…すみませんマイシスさん…」
「それで…どうしたのかしら?」
苦笑いで答えた香織に、マイシスは部屋の近くの椅子。そこに座り込み聞いてきた。香織は正直に答える。
「夢を…見たんです。この世界に入る前の…」「なるほどね…辛かった時のね」
「分かるんですか?」「何となくね」
香織の言葉にマイシスは笑顔で答えた。少しの時、香織が黙っているとマイシスは近くに行き、香織の頭を撫でる。
「あの…マイシスさん…?」
「大丈夫…もう辛い思いはさせないからね。辛かったらいつでも言って?」
「…ありがとうございます」
マイシスの言葉に香織は再度、安心をしこの5分後。眠りに就く。マイシスは香織が寝るまでずっと傍にいた…
翌日の事
香織はシルフィと出掛けていた。用があるのはシルフィで行きたい所があるらしい
「ねぇシルフィ」「なぁにお姉ちゃん」
「どこに行くの?シルフィの知り合いの所?」
「そだよー。会いたい人がいるの!」
香織がシルフィに聞くと、シルフィは目を輝かせながら答えた。どこだろう?
香織はそんな疑問を押しとどめていた。
「えーと…あ!お姉ちゃんこっちこっち!」
「大丈夫だよ。ちゃんと行くから」
走り出したシルフィを香織は徒歩で追いかける。恐らくだが、行先にいる大きな男の事。一本道の為、見失うことはない
「グレイさん!私見えるー?」
「しっかり、見えているよシルフィ」
「(お、大きい…身長どれくらいだろ)」
「この人、シルフィの知り合いかい」
「そう!香織お姉ちゃんだよっ!」
「ど、どうも…天谷香織です…」
香織の身長が173cm。普通の目線なら、この男の腹の部分までしか見えなく、
見上げないと顔がしっかりと見えない
「丁寧だね。僕は象族のグレイ。よろしく香織」
「あっ…はい(いきなり下の名前っ⁉︎)」
「聞いて聞いて!グレイさん!香織お姉ちゃんはね!とっても優しいんだ!」
「あ、アハハ…(そうなのかな…)」
シルフィが堂々と香織を自慢している姿を見て、香織は苦笑いしか出来ない。
グレイは優しい笑顔で頷いている。
どうでもいいがその動作の際、鼻が凄く動いているのが香織は気になっていた。
「君の事はちょっと聞いてるよ。ランス兄弟とフェネックを言葉で鎮めたって」
「え⁉︎…すみません誰から聞いたんですか…?」「トリスとトラスだよ」
あの骸骨コンビめ…一瞬香織は少しだけ怒りを感じたが、直ぐに閉じ込めた。
するとシルフィは目を輝かせながら、
香織に詰め寄る。
「フェネックも黙らしたの⁉︎すっごーく悪い奴なんだよ⁉︎」「あ…うん…そだね…」
「…何故だろう。誰もがある筈の、あるものが君にはないんだ」「ええっ⁉︎」
グレイは優しい表情をして、香織に言う『あるものがない』それだけ聞いても、香織は寒気しかしない。
「あるものってー?」
「『殺気』と『憎悪』かな?」
「(トボけた顔して恐ろしい事言ってる⁉︎)」
「凄い凄い!香織お姉ちゃんは本当に女神なんだね!」「め、女神って…私…」
シルフィの言葉で、香織は顔を赤くする
グレイは人の本質を見抜くのが得意な為
、占い師としても頼る人もいるらしい。
ーーもしかして…
何かを感じた香織は、グレイにある事を聞いてみる事にした。それは…
「じゃあ私には…何が見えますか?」
「気になるのかい?」「はい…!」
「私も調べてー!」「了解だよ。」
「少しだけ待ってね」「…(ゴクリ…)」
「よし…終わったよ言うね」「早っ⁉︎」
目を閉じて、たった5秒。
それだけで本当に分かったのか…香織は多少、不安ながらもグレイを信じる。
「君から感じるのは…」「感じるのは…」
ーー『思いやり」と『優しい信念』だね
「思いやりと優しい信念…」
「うん。優し過ぎるのも弱点かもね」
グレイの言葉に香織は目を閉じたまま、両手をそっと胸に当てて、笑顔になった
そしてシルフィの結果もグレイは言う。
「シルフィちゃんは、『無邪気』と『思いやり』かな。一緒だね二人共」
「わーい!お姉ちゃんと一緒だー!」
シルフィは思い切り喜ぶと、香織に抱きつく。察せるようにシルフィの力は香織の数倍である為、香織には…
「イタタタ!折れる折れる!」
「あっごめん」「仲が良いんだね羨ましいな」「アハハ…それはどうも…」
抱き着かれた痛みに、少しだけ香織は顔を引きずってはいたものの、グレイの言葉に香織はしっかりと笑顔で応えていた
…
体調が悪く、寝込んでいたら、夜になっていました…
書いてる時は大丈夫でしたが…問題はクォリティ…いや読みやすいかどうかですね。どうでしょうか。