決断の世界にて [0話]
…さん…香織さん…聞こえますか?
どこからか私を呼ぶ声が聞こえる…
誰なんだろう?
然しとても優しい声に聞こえる…何か経験した事のない暖かさ…
「しっかり目を開けてみて下さい…
私は貴女のすぐ近くにいます」
近く?どこかも分からないのに…近くもないじゃないか…
目の前がずっと真っ暗で聞こえるのは響き渡るように聞こえる優しい声だけ。
どこなんだろう?全く持って分からない…
その時だった。
私の目の前が突然の光に包まれた…私は訳の分からないまま再度前を向く
「こんにちは天谷香織さん。
ここが分かりますか?」
この人だ…私に語りかけて来たのは…
天谷?香織?私…そんな名前だった…?
「何も覚えてないような顔をしていますね」
その天使の様な羽を生やしている人物は私に優しく微笑み語りかける。
私は勇気を出し声で人物に話しかける
「あ…あの…」
「何でしょう?」
「アナタは一体…それにここは…」
私の問いかけに天使らしき人物は
目を閉じながら問いの答えを出す
「私はテレサ。死後のアナタを導く女神です
そしてここは決断の世界…」
「女…神…?(死後…どう言う事?)」
その人物は女神と言う事は何故か理解出来た
然し女神が言った
[死後]
私は理解はしたくなかった言葉に女神は
再度目を開けて、追い討ちを掛けるように
私に真実を告げてくる
「アナタは仕事場のビルの屋上から飛び降り自殺。原因は上司のパワハラです」
「…自…殺…」(手が震えだす)
それを女神から聞き体から震えが止まらない
死んでいるはずなのに [恐怖] は残ってる…
真実を叩き付けて来た後、女神は私に語りかけて来た。
「アナタには三つの選択肢があります。
その選択肢はアナタのこれからを決めます」
「選択肢…とは?」(冷や汗をかき見つめる)
私は息を呑み、女神のテレサに三つの選択肢が何かを訪ねるとテレサは一呼吸置き答える
「一つは天国…
そう貴女達のご先祖達がいる所です」
テレサは一つを言い終えると手を掲げる
するとテレサの後ろに二つの階段が出現する
一つは上がり、一つは降りる階段だ
「もう一つは…閻魔や罪を犯した者がいる地獄。自ら命を捨てた貴女は権利があります」
「……(もう一つ…何だろう…?)」
もうこの天国と地獄しか思い浮かばない。
然しだ。テレサは三つの選択肢と言った。
何だろうか…私の心には不安しかない…
「最後はーー」(テレサは再度指を鳴らす)
カンーー!音が鳴り響くと私の下に何と魔法陣が出現する。私は突然の事に慌てていた。
「え?…え⁉︎」(周りをキョロキョロ見渡す)
「異世界です」(テレサは香織に手を差し出す)
「異世界…⁉︎そんな…存在する筈がーー!」
「存在するんです。然しそれは死後の者しか知りません。然しこれは特権なのです」
特権?何を言ってる…?
何もわからない私にずっとテレサは怪しくなるぐらい微笑んでいる…怪しくなるぐらいに
テレサは更に続ける…
「自殺者は我々天界では阿世と呼ばれます。阿世は異世界に行く権利を持つのです」
「阿世…自殺者じゃなければ?」
「天国と地獄の二つです」(真剣な顔で答える)
阿世。唯一異世界に行く権利を持つ者。
途中で生をやめた者限定よりこの権利が発生する。テレサは私に決断を迫って来る
「貴女は…死後の天国、地獄か…
記憶そのままに異世界に転生するのか…」
「……」
「どの道を選びますか?」
家族がもういない私は天国、地獄も魅力的だ家族に会いたいのは…確か…確かだけど…!
もう一度ー生きてみたい…っ!
「異世界…!異世界を選ばして下さい…!」
全ての勇気を振り絞り私はテレサに向かって思い切り叫んだのだった…
初投稿です!皆さんこれからよろしくお願いします!